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「おいしそうじゃん」


 キッチンに現れた姉は私が作ったケーキを見つけるや否や、悪びれもせず口に放り込んだ。


「勝手に食べないでよ!」

「この中から上手に焼けたものだけ選んで田中君に渡すんでしょ。いーじゃん一個くらい」


 姉にはすべて見透かされていたようだ。図星をつかれた私はあわてて姉をキッチンから追い出した。

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