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「ねえ、これなに!?」


 妻は僕のワイシャツを目の前に突き出した。襟元には、くっきりと口紅の跡がある。


「いやぁ、その……」

「浮気!?」


 目尻をつりあげる妻に、僕は躊躇いながらも正直に白状した。


「昨夜、酔いつぶれた君を介抱したときについたんだよ」


 昨夜のことを思い出したのか、妻の顔は口紅と同じくらい赤くなっていた。

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