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 死んだ妻から手紙が届いた。どうやら病気で亡くなる前にしたためていたらしい。そこには「判子は一番上の棚にある」とか、「洗濯物はちゃんとシワをとってから干して」とか、延々と他愛もないことが書かれていた。便箋の二枚目には、僕の名前のあとに一行の空白があった。

 「言わせないでよ」と照れた表情の妻が目に浮かび、僕は泣いた。

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