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 水の声が聞こえる。


『調子よさそうだね。羽が生えているみたいだ。あと少しだよ』


 水は僕の頬を撫でながら、優しく語りかけてくる。ああ、もう終わる。惜しみつつ、僕は水の世界から元の世界へと浮上した。水の声はもう聞こえず、代わりに自分の乱れた呼吸音と大きな歓声が耳に届いた。


「大会新記録です!」


 実況が、プールに響き渡った。

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