中学生絵画コンクール
美術の時間に、大阪城に行った。
みんなで、好きな場所で、好きな風景を描くことになった。
ボクは由菜ちゃんと、良き場所を探しながら、周辺をいろいろ回ってみた。
「どっか、ええとこあるかな~」
「大阪城をバックにして、緑や木々を描きたいんやけどな~」
「そういうとこを探してみるか~」
2人で歩き回った。
「ここええんちゃう?」
由菜ちゃんは、あちこち回って、ある場所からボクに向かって叫んだ。
そっちに行ってみたら、たしかに良い景色だ。
「よっしゃ、ここで描こう!」
2人で座って描きはじめた。
大阪城もよく見える。その手前には木々もある。
この絵で、中学生絵画コンクールの金賞を受賞してしまった。
「あやめっち、すごいやんっ」
「じゃあ、美術部に入ってみようか!由菜ちゃんも入る?」
「いいよ~」
2人で美術部に入った。
ほんまはボクは吹奏楽部や、バスケやテニスや、入りたい部活、いっぱいあった。
どれにしようか考えていたけど、結局、美術部に入ることにした。
美術部の先生や先輩も、金賞を受賞したボクやから、めっちゃ歓迎してくれた。
由菜ちゃんは、めっちゃ可愛い女の子のキャラクターの絵を大きな紙に描いている。
ボクは可愛い由菜ちゃんのことを絵に描いている。
家では空里をモデルにして絵を描いている。
空里に
「空里の絵を描いたるから、モデルになってくれる?」
って聞いたら
「ええよ~」
って軽く返ってきたから、日曜日とかには空里の絵を描いている。
「適当にソファにでも座っといて」
って言ったら、ほんまに適当に変な格好をして、座ってるって言うより、ひっくり返ってたりしている。
中学の先には古墳とかもある。
中学のまわりには森のようなところもあるから、放課後には由菜ちゃんといっしょに森に行って風景画を描いたりしている。
風景をバックにして、由菜ちゃんと、おたがいに、人物画も描いている。
ボクは、ボクのことを描いている由菜ちゃんの絵を描いている。
2人で絵を描いていると、同じ中学の子らも、近くを通っているから、その子らに
「ヒューヒュー」
って言われたりしている。
「ヒューヒュー」
って言われると
「そやねん。2人はヒューヒューやねん」
って言って返している。
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