お楽しみ会

クラスでお楽しみ会っていうのをやることになった。

「来週の金曜日に、お楽しみ会をみんなでやるで~」

って先生に言われた。

「好きな人と、何人でもええから組んで、何か歌でもええし、漫才でもええし、手品でもええし、絵を描くのでもええし、何か好きなことをみんなの前で披露する時間やで~」


そう言われて

「どうしようかな~」

って思ってるところに

「あやめっちも芝居いっしょにやろう!」

って由菜ちゃんに誘われた。

それで

「ええよ~」

ってOKした。


放課後

「企画会議するから、あやめっちも来て~」

って由菜ちゃんに言われて、由菜ちゃんのところに行ってみた。

女子4人とボクとの5人編成だった。

由菜ちゃんは台本とか書くの好きだし得意なので

「この5人でお芝居をやるよ~。台本書いてくるからね~。じゃあ今日の企画会議終わり~。今日は顔見せで」

「じゃ、走り幅跳び行ってくるわ」

って言ってボクは、毎日の放課後の日課の走り幅跳びを飛びに校庭に行った。


次の日

「あやめっちも集まって~」

って言われて、由菜ちゃんのところに行ったら、台本出来あがってた。

5人のセリフも書かれてあった。


全体を見渡すと、ケーキに顔を突っ込むシーンあって、でも、それはボクでなく、別の女子の役だった。

「ボクもケーキに顔、突っ込みたいのに~」

って由菜ちゃんに言ったら

「あやめっちは今回は、そんなことしないの」

「じゃあ、笑かすセリフをもっと作っといてね」

って頼んだら

「わかった~」

って言ってた。


ケーキに顔を突っ込むのは、いつも静かな可愛い女子だった。

まあ、確かに、ボクよりも、顔をケーキまみれになるのは、その女子のほうが面白いかもな~って思った。

ボクもその女子のケーキまみれになった顔を見てみたかった。

でも、いつも静かにしてる女子やから、きっと

「そんなこと、やるのいややわ~。出来へん、出来へん」

って言うと思ったから

「そしたらボクやるよ~」

って、すぐ言おうと思ってたのに

「いいよ。やるよ」

って、その女子も言ったから

「みんな、そういうの好きなんやな~」

って思った。


ボクは自分の面白い笑かすセリフも増えてたから

「まあ、いっか」

って思って、セリフを覚えた。

でも、ボクのセリフよりも、その女子のケーキまみれになった顔を見るの、今からめっちゃ楽しみやった。

ほんまに、それ、お楽しみ会やな~って、そんなことを楽しみにしていた。


ケーキに顔を突っ込むシーンは練習出来ないから、当日ぶっつけ本番になった。

見てる他のみんなには言ってないから、そんなことになるとは、たぶん予想してないやろな。


案の定、ケーキのところ、いちばんうけていた。

みんな

「きゃあきゃあ」

騒いでいた。

「いちばん、おいしいところ、もっていかれたな~」

って思った。

「ケーキもおいしかったやろな~。ええな~」







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