5年月組

ママのほうのおばあちゃまとおじいちゃまは大阪にいる。

みんなでいっしょに吉本新喜劇を観に行った。

それから、造幣局の桜の通り抜けに行った。

桜の木々の下を通って行った。

みんな

「桜、きれいね~」

って感動しながら歩いていたけど、空里とボクは

「何か食べたいな~」

って2人で思っていた。


桜の下を通り抜けてから、お好み焼きを食べた。


4年生の時は雪組だった。

5年生は月組になった。

由菜ちゃんも、ボクと同じ月組になって、ほんまにめっちゃ喜んでいた。

5年月組になって最初の日に、教室に入ったら

「やったあああ、あやめっちといっしょの月組やあああ」

って叫びながら、教室中を飛び回っている。


4年雪組の時の先生は体育好きな先生だったけど、5年月組の先生はめっちゃ面白い先生で、何かと面白いことを言って、みんなを笑かしてくれる。


図工の時間に陶芸をやることになった。

ボクは最初の授業の時に、合唱団の活動と重なってしまって、授業を出れなかった。

だから陶芸の説明を受けないで、2回目から、みんなといっしょに、粘土をこねまわし始めた。

「何を作ろうかな~」

って思ったけど、ドナルドダックを粘土で作り始めた。


ボクはあまり、まわりのみんなの作っている物を見ないで、自分で勝手に作るほうだったから

「ドナルドダックでいいや」

って思って作っていた。


まわりの友達も、ドナルドダックを作ってるとこを見てくれていた。


自分でも

「上手に作れてるな~」

って思った。

由菜ちゃんも

「あやめっちのドナルドダックめっちゃ可愛い~」

って言ってくれた。


先生もボクのドナルドダックを見てたけど、特に何も言わずに見守ってくれてるみたいだ。

「どんなのできるのかな~」

って感じで。


完成して、みんなの作品を順番に、かまどに入れて、焼くことになった。

ボクもみんなといっしょに、ドナルドダックをかまどに入れた。


焼きあげたら、きれいな色で、スベスベの手触りの、可愛いドナルドダックになっていた。

「やったあ、可愛いドナルドダックできあがったあ」

って喜んでいたら、先生に

「今回のテーマは、『湯呑み茶碗』やったんやで~」

って言われた。

「え~、それやったら、焼く前に言っといて~や」

って思ったけど、どうやら先生もみんなも、ドナルドの頭をパカッと開けて、湯呑み茶碗になるもんやと想像していたみたいやった。


「それやったら、湯呑み茶碗のドナルドダックにしたのに~」

って言ったけど、先生も

「最初の授業の説明の時に出てなかったから、まあ、しゃあないな~」

って言っている。


どんな作品かっていうよりは、粘土で作ったものをかまどで焼くっていう、そのことを体験してみる、そういう図工の授業だったから、粘土から陶芸のドナルドダックを作ったことも、それはそれで焼き物の体験になって、良しとしよう!みたいな雰囲気だった。





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