運動会

運動会の数日前に

「今日はみんなで運動会のリレーの選手を決めるために、タイムを計るで~」

って先生は言わはった。

クラスのみんなで50メートル走のタイムを計った。

そのタイムの上位者から、運動会のクラス対抗リレーの選手を結成した。

ボクは3番目に速かった。

「あやめっちも、速いやんっ!」

って、いつも1、2番を競っている2人に言われた。

「速いあやめっちも入ったから、うちのクラスもいけるな」

「そやな!楽しみやな!あやめっち、頼むで~」


運動会前日の放課後に

「明日のリレーの選手は、ちょっと前に集まって~」

って先生に言われた。

みんなで、明日の作戦会議をおこなった。


「カーブの時には、前の走者を抜こうとしないで、ぴったり後ろにくっついておいて、直線になった時にダァーッと抜くんやで」

「バトンを受け取る時には、後ろを向かんと、しっかり前を向いて、腕だけを後ろに伸ばして、それで走って来る人の速さに合わせて走り出し始めて、同じようなスピードで走りながら前の人からしっかりとバトンをちゃんと受け取って、それから一気に走る速度を上げるんやで~」

とかって先生からの作戦アドバイスを受けた。


運動会当日。

空里は水泳はめっちゃ得意やけど、走るのは、それほどでもないので

「あやめっちは走るの速いから、運動会も楽しくて、ええな~」

って言っている。


学年でダンスをやった。

木の両端に色とりどりのポンポンみたいなのをつけて、それを持ちながら踊った。

校庭をいっぱいに使って、みんなで移動しながらフォーメーションを作って踊る。

ダンスもやってて、めっちゃ楽しい。


空里は、生徒10人くらい入りそうな大きな球を転がしながら走っていた。

見てたら、けっこう楽しそうに

「きゃあきゃあ」

騒ぎながら転がしていた。


そして、いよいよ、ボクの学年のクラス対抗リレーになった。

6人中ボクは4番目で走る。


ボクらのクラスは最初のランナーから断トツでトップだった。それで、ボクは走っていて、半周くらいの時に、走り幅跳びをしてしまった。

最後、バトンを渡す時にも、わざと走り幅跳びを飛んで渡してしまった。

見ていた由菜ちゃんとかにも

「あやめっち、走り幅跳びの競技とちゃうよ~」

って、めっちゃうけていた。


トップでゴールして、優勝の景品の学習ノートをもらえた。


先生には

「あやめっち、走り幅跳び、うまなったやんっ」

って、ほめてもらえた。

「ただ、走り幅跳びはリレーでするもんとちゃうで」

「走ってたら、いつものくせで、ついつい自然と走り幅跳びしてしまいました」

「あやめっちは、これからも放課後やっぱり、リレーじゃなくて、走り幅跳びやなっ」

「え~、リレーやりたいのに~...でも走り幅跳び、めっちゃ好きになりました...」

「そやろ、向いてるって思ったもん。リレーで走り幅跳びするやなんて、ほんまに好きなんやね~」



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