由菜ちゃん
由菜ちゃんの実家は呉服屋さん。
駅前の商店街に、そのお店ある。
由菜ちゃんには、小学3年生の時に、付き合っていた彼氏いる。
虎岡一也くんっていう子。
ボクは由菜ちゃんと、4年生で同じクラスになった。
虎岡くんは違うクラス。
由菜ちゃんと同じクラスで仲良くなって、いつもボクと由菜ちゃんは、学校中で、誰の目にも付き合ってる感じに見えていると思う。
ある時、学校の廊下で、ボクの近くに、虎岡くん、やって来るのを感じた。
「転校してきたキミのおかげで、ボクと由菜ちゃんとは、いっしょにいる時間、ぜんぜんなくなった...キミの転校して来る前は、いつもいっしょにいたのに...」
って、ボクに対して思っているように感じられた。
ボクは
「4年生で転校して来て、それまでのことはボクは全く知らなくて...」
って思った。
そしたら、虎岡くんは
「まあ、そりゃそうだ...べつにキミはわるくない...」
っていう感じで、ボクのそばから去って行った。
いさぎよい感じやな~って思った。
さすが、由菜ちゃんの付き合ってた子やわ~って思った。
ボクなんかよりも、はるかにしっかりとしている。
ボクなんて、いつもふわふわしているのに、虎岡くんは、しっかりと地面を踏みしめて、歩いている。
実際、虎岡くんは、どこかの会社かお店かの、跡取り息子のような感じだ。
これから、実家を継いでいくような気迫を感じる。
由菜ちゃんと付き合ってたのも、めっちゃよくわかる。
なんとなく、本当に、将来、由菜ちゃんと結婚するような感じすらしている。
2人は、めっちゃ似合ってるな~って、ボクも思った。
ただ、由菜ちゃんも、実家は呉服屋さんなので、たぶん由菜ちゃんは、その呉服屋さんを継ぐんやろなと思う。
だから、その点で、もしかしたら、2人は結婚はしないのかなとも思う。
2人とも、それぞれの実家を継いでいくから、それぞれに合った誰かと結婚するのかなと。
そういうところも、2人はとてもよく似た雰囲気を持っている。
それで、めっちゃお似合いな感じもしてくるのかなと。
そんなことを考えていたら、後ろから由菜ちゃんに抱きつかれた。
「あやめっち、何をそんなに物思いにふけってるの~?ぜんぜん似合わへんねんけど...」
「ほっといてくれる~。ボクかて、いろいろ恋について考えたりもするんやから...」
「あ~、あやめっち、恋について考えてるなんて...どうせ、えっちなこと考えてたんでしょ~、いやらしい...」
「うるさいわ...まあ、考えてるけども」
「ほら~、やっぱり」
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