大阪

小学4年生の時に、大阪の小学校に転校することになった。

ボクとしては初めての日本。


パリの空港に、イレーヌちゃんはお見送りに来てくれた。

「あやめっち、パリにいなくなったら、パリもめっちゃさびしくなるよ~」

って言って、ボクをギュッと抱きしめて、チュッてキスしてくれた。


「ボクも、本当はイレーヌちゃんといっしょに、いつまでも、ずっとパリに住んでたかったんだよ~」

「イレーヌも、いつか大阪に行くから、それまで待っててね~。空里ちゃんも待っててね~」

って言って、空里のこともギュッと抱きしめてくれていた。

「イレーヌお姉ちゃんバイバ~イ」

って言いながら、空里もイレーヌちゃんと別れるの、さびしくて泣いている。


飛行機はパリの空港を飛びたって、関西国際空港へと向かって行った。


大阪の家は、京都にめっちゃ近いところにあった。

電車で2駅も行けば、もう京都府になる。


平安京の前の長岡京だとか、山崎の戦いの山崎だとか、そういった歴史的な場所も近くにある。


江戸時代の西国街道もあったり、古墳群も多かったりと、ほんまに歴史的に深い街だ。


小学校で転校のあいさつをしたら、みんな

「え~、パリから来たの~」

って、びっくりしている。

ピンク色、好きだから、ピンクのランドセルを買ってもらった。


初めての日本だったから、剣道部に入った。

やったことなかったし、どんなものか興味あった。

ママも剣道部だったらしい。

ママも大阪の人だから、大阪の実家に今も剣道部一式置いてあって、それをもらった。


学校では、女子に

「パリのどこに住んでたの~?」

「フランスって、どんなとこ~?」

って、いつもいっぱい聞かれる。

それで、いっしょに話をしているうちに、女子の友達いっぱい出来た。


ボクの部屋では、なんとなく霊のあらわれるのを感じている。

絵を描くの好きだから、部屋で絵を描いていると、いつも誰かに見られている感じする。

可愛い女の子のキャラクターの絵を好きで、よく描いているけど、描きはじめると、なんとなく横で、ボクの描いてるところを見てくれてる感じしている。

部屋には誰もいないんだけど。

でも、ボクに見えていないだけで、誰か横にいるような気配は感じている。

なんとなく、可愛い女の子のような気する。

女の子の雰囲気を感じる。





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