フランス

次の日は、アルルに行った。


闘技場みたいな遺跡にイレーヌちゃんといっしょに座っていた。

なんか、ローマにあるような闘技場だ。

そしたら

「こんにちは~」

っていうお姉さんたちの声、聞こえてきた。

声のほうを見てみたら、ちょっと離れたところでフランス人らしきお姉さん5人くらい、ボクのほうに向かって手をふってくれていた。


ボクも

「こんにちは~」

って、お姉さんたちに言って、手をふってみた。

「わお~」

ってお姉さんたちも手をふって笑ってくれてた。


「ボクのこと日本人だってわかるのかな~」

ってイレーヌちゃんに聞いてみた。

「キティちゃんのTシャツ着てるからだよ」

「あっ、それでか~。イレーヌちゃんもポケモンTシャツだし」


それからセザンヌさんのアトリエに行った。

当時のアトリエそのままの状態みたいだ。

リンゴだとかキューピッドの置物だとか、置いてある。

筆や絵の具やキャンバスやイーゼルも。

イレーヌちゃんをモデルにして絵を描きたくなった。


アヴィニョンに行ってTGVに乗ってパリに戻った。


また別の日に、モン・サン・ミッシェルに行って、オムレツを食べた。

幻想的な景色。


それからロワール渓谷の古城に行った。

古城の1つにレオナルド・ダ・ヴィンチさんのお墓もあった。

なんでイタリア人なのに、フランスのお城にあるのかな~って思った。

そしたら、晩年に、ロワール渓谷のお城に招かれて暮らしていたんだそうだ。


パリの小学校では、みんなから女の子のように思われてる。

ピンクのカバンで通っている。

いつもイレーヌちゃんといっしょにいるけど、女の子の友達2人のように、いつも見られている。


妹の空里はパリで生まれた。


ボクはパリの少年少女合唱団に入った。高い声だからソプラノ。


空里はまだ合唱団に入れなくて、そのかわり水泳教室に通っていた。

それで、めっちゃ水泳、うまくなってた。

空里と泳ぎに行っても、いつもドヤ顔で飛び込みをボクに見せつけている。

「あやめっちは、こんなにきれいに飛び込めないでしょ~」

って言ってるみたい。

確かに、めっちゃきれいに飛び込む。

そして、めっちゃきれいに泳いでいる。


空里の友達も、ボクのことをお姉ちゃんだと思っているから、そのうち空里も

「お姉ちゃんの、あやめっち」

っていうふうに、ボクのことを友達に紹介している。


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