第7話 学級委員。
「各授業のオリエンテーションもあらかた終わったという事で、今日のホームルームは学級委員を決めてもらうぞー」
休み明けの月曜日。
クラスの生徒も少しづつつるむ奴はまとまり始めている。
それでもまだぎこちなく手探りな関係性のクラスメイト。
そんな中、僕は基本的にぼっちである。
天使さんが絡んでくる以外は。
「誰か学級委員長やりたいやついるか〜?」
担任がだるそうに呼びかけるも誰も反応を示さない。
僕もその中の1人である。
ぼっちは様々な弊害もあるが、人付き合いが不要であり放課後の時間拘束が無いのが1番のメリットと言える。
放課後に自由に動けるという事はスーパーなどでのお買い物がしやすい。これは実質専業主夫の僕としては1番のメリットなのである。
「誰もいないか〜内申点貰えるぞ〜挙手ないなら先生が生贄として指名するぞ〜」
しれっと物騒な事を言う担任。
血も涙もないのかこの担任は。
「せんせ〜じゃああたしやりまーす」
「さっすが
「りょ!」
自ら生贄となる天使さん、流石だなぁ。
クラスのほとんどが天使さんなら納得という雰囲気である。
まだクラスの雰囲気が出来上がってはいない中、天使さんのカリスマ性はやはり光るものがあるのだろう。
「じゃ、副委員長したい人〜いる?」
天使さんが明るく声を掛けるだけでクラスの雰囲気はずいぶんと
「
「ウチは遠慮しとくよ」
「ええ〜いいじゃん一緒にやろうよ〜」
天使さんの仲のいい
銀髪にツリ目と泣きぼくろ、首にはクールなチョーカー、すらっとしたスタイル。
スペックで釣り合うのはこのクラスの中には見明さんくらいのものだろう。
同じくギャル枠、というポジショニングであるが、天使さんとはまた違ったクールギャル属性と言える。
「……見明っちゃんにフラれた」
「頑張れ委員長〜」
天使ちゃんの取り巻きたちが雑なエールを送る中、1人の女生徒が手を挙げた。
「おお〜!!
立候補したのは
黒髪ロングで落ち着いた雰囲気であり1番委員長っぽい人物である。
天使さんと見明さんを除けばかなりの美人と言っていいだろう。
委員長と副委員長のスペック高いなぁ〜。
「じゃあ黒須さん、副委員長よろしくね!」
「はい」
「うっし! じゃーあとは……書記、やりたい人!」
黒須さんが副委員長になった分、余計に立候補はしづらいだろうなぁ。
2人ともスペック高いし。
そんなことをまるで蚊帳の外から観察していると天使さんと目が合った。
目が合ってしまった……
「
「……いや僕は」
「お願い!!」
なぜこうも天使さんの眼はキラキラしているのか。
純粋な子供みたいで眩しい……
僕みたいなモブにそんな眼を向けないでくれ。
「いやでも」
「お師匠お願い〜1人くらい男子が居た方がまとまりやすいの!」
「……いやしかし」
確かに委員長・副委員長共に女子だと男女公平な意見が通らない可能性はあるだろう。
しかし僕なんかが書記になったところで変わるとも思えない。
「……だめ?」
「…………わかりました」
「ありがと〜本部くん!!」
天使さんのキラキラ圧力に負けた。
まあ、天使さんと下手に交流を持ってしまったのも自分の行動が原因でもあるし、大学推薦を狙っている者として必要な事だろう。
仕方ないと諦めるしかない。
……できれば天使さんが委員長じゃない時が良かった。
なんらかのトラブルを防止したかったし、一年の一学期の学級委員はやりづらい。
「というわけで! 学級委員が決まりましたのでお次は委員会役員を決めていきますっ!!」
というわけでこのクラスの一学期学級委員はキラキラ
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