4.交際3ヶ月
【制裁】
11月下旬。
今日はとある事を実行する日。
そう。
裏切り者を殺す。
あのハロウィンの日からもうすぐで1ヶ月。
あの後も私はこれまでと変わらずリチカに接してきた。でももう友達ごっこも終わり…
「ルチア?話って何?」
放課後の屋上に呼び出されたリチカが不思議そうな顔をした。浮気がバレていないとでも思っているのだろうか?
「ねえリチカ!私に隠してることあるよね?!」
あえて笑顔で明るく問う。
「ええ?…何のこと…」
言いかけたリチカの頬に、私は素早くナイフで傷を入れた。
リチカの頬から血が滴り落ちる。
「いっ…な…何すんの?!」
「それはこっちの台詞なんだよこのドブス!」
驚きと怒りの表情で私を見るリチカの顔面を、今度は拳で思いっきり殴った。
「お前さぁ、人の彼氏に手ェ出しといてタダで済むと思ってんの?!そのブサイクな顔もっと醜くしてやるから!」
ブスのくせにカリト先輩に色目使いやがって…
こいつの顔面ぐちゃぐちゃにした後ここから突き落としてやるんだ…
私はリチカを押し倒し、その上に馬乗りになった。そして、リチカの顔面を何度も何度も殴った。
リチカは抵抗出来ずにただ呻いていた。
「クソ女…クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女クソ女っ…」
お前なんか私の腰巾着でただの引き立て役なんだよ…
「脇役如きがしゃしゃり出てくんじゃねえ!」
「ぷっ…」
私が叫んだ刹那、リチカが笑った。
「な…何よ…何がおかしいの?!」
私が尋ねると、リチカは傷だらけの腫れた顔に薄気味悪い笑みを浮かべた。
「可哀想なブス」
私はリチカを屋上から突き落とした。
あーあ…
人…殺しちゃったよ…
でも、リチカが悪いんだよ?
私の彼氏盗ろうとするから。
ここにいたらまずいな…戻るか。
私は溜息を吐き、踵を返した。
しかし、目線を出入口の方へ向けた時、私の背筋がすぅっと凍った。
出入口の所に人が立っていたのだ。
その人物はいつにも増して怯えた表情で私を見ている。そいつが後退りをした瞬間、私はそいつの元へ走り出した。そしてその女の…古瀬の両肩をガシッと掴んだ。
「今見たことは誰にも言うなよ?!言ったらお前も殺すからな?!」
古瀬は震えながら頷いた。
面倒なことになった。
これから毎日こいつがチクらないか監視しなければいけない。
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