3.交際2ヶ月
【疑惑】
10月中旬。
先輩と付き合ってもうすぐ2ヶ月になる。
2ヶ月のお祝いがしたいってメッセージ送ったのに返事が来ない。いや、ここ最近ずっとそうだ。
最初は部活が忙しいんだと思っていたけど、今は浮気を疑いつつある。
そういえば最近リチカの様子がおかしい。
前までは学校帰りにカラオケなどで2人でよく遊んでいたのに最近は本当に付き合い悪い。
もしかして…
浮気相手はリチカ?!
私の頭に最悪の状況が過ぎった。
「ね、ねえリチカ…」
隣の席でお弁当を食べているリチカに恐る恐る話しかける。
「ん?どしたの?」
いつもと変わらない表情のリチカ。
こんな子が親友の私を裏切るはずがない!
私は脳裏を過ぎった悪い考えを振り払い、『ううん。何でもない。』と笑って見せた。
【裏切り】
10月31日。
今日も忙しくて会えない先輩の下駄箱に手作りのハロウィンのお菓子を入れてから校舎を出る。
いつもの帰り道。今日もリチカは用事があるらしく、私より先に帰ってしまった。
街は大勢のコスプレをした人たちで賑わっている。
つまらないなぁ…
人混みをかき分けながら家に向かう途中、見覚えのある背中を見つけた。
カリト先輩だ。
今日は部活のはずなのにどうしてと一瞬思ったが、そんなことはすぐどうでも良くなった。
「先輩!」
見失わないように必死で人混みをかき分ける。
会える…
久々に会える…
カリト先輩に会える…!
もう少しで先輩に届きそうな所まで来て、私はもう一度呼びかけた。
「カリト先ぱ…」
「かーりとっ!」
私の声をかき消した女の声。
声の主は…
「リチカ。」
その女の名前を言い、先輩は女に微笑みかけた。
嘘…
嘘でしょ…?
嘘だよね?
嘘だと言って!
…嘘であって欲しかったよ…
先輩が浮気するなんて…
しかも相手は…リチカ?!
私の悪い予想は的中していた。
楽しそうに歩く2人の後をこっそりつける。
「ねえカリト。」
「ん?」
「今日ハロウィンだよ?ルチアほったらかしでいいの?」
「あ、ああ。」
「ぷっ…ひっどーい!まあ、私といたほうが絶対楽しいよね♪カリト♡」
リチカの悪魔のような笑い声を背に、私は元来た道を走り出した。
裏切り者…裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者
絶対に許さない
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