銀河をさ迷える幽霊船

 東銀河の伝説のひとつ。


 銀河をさ迷う宇宙船があるという。

 それは、先史銀河文明時代の宇宙船であるとも、宇宙大航海時代の船であるともされる。まるで乗員がいるかのように何かを探して目的意識があるかのように宇宙を流離っている。


 だが、その宇宙船を見つけても乗り込んではいけない。


 船内にはほんの数分前まで乗員たちが居たかのような生々しい生活跡が残っているものの、ひとの姿は誰ひとり見つからない。

 

 幽霊船──。

 そう気づいたときにはもう遅い。

 乗り込んだ探索者は、二度と宇宙船を出ることは叶わない。


 そして新しい乗組員を補充した宇宙船は、ふたたび暗黒の宇宙空間を新たなる犠牲者を求めてさ迷うのだ。

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