第86話
クリストフが学校に登校し、学園対抗戦の出場者を決めていた日。
黒帝が作り上げたとされる
「ここが例の洞窟か……。瘴気が入り口まで届いている」
「ここにいるだけでもおかしくなりそうだな。さっさと片付けて帰ろう」
派遣されたのは幹部2名と聖職者8名、シスター4名の計14名。
長い金髪で鎧の胸辺りに【
そして同じ容姿でモーニングスターを持っている者の名はベリリュース。
その2人が今回派遣された幹部であり、双子であった。
ベリリュースは普段は自分よりも長い鎖を使用したモーニングスターを使っているが、今回は洞窟だと知っていたため、鎖の短いものを用意していた。
【神々の騎士《フィアナ》】の幹部たちは言わずもがな、聖職者、シスターたちも対
そんな者たちが14名も派遣されているため、この洞窟の攻略はすぐ終わるだろうと皆が考えていた。
14名のチームは周りにいる冒険者たちのチームよりも人数が多く、目立っていた。
だが訓練されたメンバーであるため他者たちの邪魔になるようなことはなく、【神々の騎士《フィアナ》】はどんどんと奥に進んでいった。
★
「もうすぐ開けた場所に出ます。ここから先は地図にはないです」
シスターの1人がこのダンジョンの地図を街で購入しており、一行はそれに従って探索を進めていた。
だがその地図も大きな空洞を抜けると使うことができなくなる。
その理由はそこから先は瘴気が濃く、対策をしてきていない冒険者では立ち入ることが難しいからだ。
また、入っていった冒険者も誰一人として帰ってきていないため、情報は一切無い。
そのためここからは手探りで進んでいくしかない。
「
瘴気が濃い道を進んていく前に全員が首に下げている十字架を触る。
すると十字架が発光し、その光が各々の身体を包みこんだ。
いくら対
そのため長時間濃い瘴気の中でも活動できるるようにと作られたのが今身体を包んでいる光だ。
その光に触れた瘴気はすぐさま浄化され、その光が消えるまではどれほど瘴気が濃い場所でも活動できる優れもの。
だがそれは聖王国の聖女にしか作ることができないため、他国は一切所持していないものだ。
「行くぞ」
ザクレイの合図に合わせ、全員が奥へ進んでいった。
瘴気が濃くなる奥に進むにつれ、モンスターがどんどんと強くなっていった。
先程までは
この調子でどんどん難易度が上がっていくと
、最奥ではなにが待っているのかが予想がつかない一行であった。
瘴気が濃い場所に入ってから1時間が過ぎ、これ以上奥があるのならば一度帰って体制を整えなければならないと考えていたとき、ついにその時が来た。
一行はようやく瘴気の発生源へと続く道を発見した。
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