後日談/設定集

「ヨシュア様、ご報告が………」

「入れ……」

ある廃墟の一室。そこで一人のローブの男が玉座のようなものに座っていた。

男の周りには、数名の子供がおり、それぞれ天使のような服装をしている。

報告に来たのは、一人の修道服の女性だった。

「"カメレオン"がやらかしたようです。失敗して今は"GCM"に捕まったとの報告が……」

女性がそう言うと、天使の格好の子供の一人が割り込む。

「ハッ!アイツ等自分があんだけ偉そうに言っといて結局このザマかよ!笑いもんだなァ!」

ゲラゲラと下品な笑い方をする。

「ミカエル、やめなさい。」

男が低い声でその子供に注意する。

その声は、周囲を一斉に沈めた。ゲラゲラと笑っていたミカエルという少年も、さっきまでの様子が嘘みたいに静かになった。

「で、君はどうするのかね?あのプランは君の考えたモノだが……」

男は静かに問い詰める。

「はい…わかってます……」

問い詰められた女性は、自分の手を鋭い刃物に変形させる。

「お、おいヨシュア様……まさかここでやんのかよ?」

ミカエルは小刻みに震えながらヨシュアという男に質問する。

「そんなに怖いなら見なければいい。やれ。」

ヨシュアがそう言うと、女性は自分の首をその変形させた腕でぶった斬った。

首は勢いよく宙を舞う。

断面から勢いよく湧き出る血液は、さながら花火を彷彿とさせる。

その場にいた子どもたちが一斉に目を逸らし、手で顔を覆った。

ただ一人、ヨシュアだけはそれをジッと見ていた。

そして、不敵な笑みを浮かべる。

「さて、私は私を裏切った"罪人"の後始末をせねばならない。お前らはここで解散だ。私のかわいい"大天使達"………」

一方その頃

「面会だ。」

「ああ…」

(つっても、誰が面会なんかくるんだよ……)

オレは看守の声に疑問に思いつつ、牢屋を出た。

「はぁ〜しっかし変わり者もいたもんだな〜サーカス団を襲った身寄りのない人間に会いたいなんて奴がいるとはよぉ〜」

看守の嫌味が聞こえる。コイツは嫌いだ。正直、

"能力さえ使えれば"とっくに殺して逃げている。でも、この"手枷"がそれを許さない。

なんでも、能力を封じる特殊設計なんだとか……

「おいおいおい……やっさしい看守サマが話しかけてるんだぜ?なんか返答したらどうだ……よ!」

ドガッ!と唐突に蹴られた。ここじゃ日常茶飯事だ。

「なんでオレみたいなエリートが!お前みたいな社会のゴミの面倒を見なきゃいけねぇんだ!クソ!」

コイツの嫌いなところはこういうところだ。自分の身の丈を知らない。

(オレは身の丈を知った上で真似事をしてたんだけどな。)

そう思っていると、

「おい……なんだよその目は!あ"あ"!!」

看守が尋常じゃないキレ方をした。

「女で社会のゴミのくせによ……どっちが上だか教えてやるよ!」

そう言って看守がズボンを脱ごうとする。

察した。

(これだから性獣は………)

そう思っていると……

「グハッ!」

唐突に看守が殴られたようにフラついた。

「……?一体何が……グアッ!」

次は腹を蹴られたみたいに、どんどんどんどんボコボコになっていく。

「何が………ぐはぁ……」

終いには、看守はその場で倒れ込んでしまった。

「まったく……僕には露出の趣味も野郎の裸を見る趣味もないのに……」

唐突に声が聞こえる。すると、看守は"無"に素っ裸にされ、"無がその服を着たのだ"。

そして、無だった場所から、有が現れた。

「はぁ〜やっぱりダボダボじゃ〜ん……あ、ヤッホ〜"亀田かめだ 玲音レオン"ちゃん♪」

そこにいたのは、オレの因縁の相手…色瀬裕二いろせゆうじだった!

「てめぇ!どうしてここに!?」

「どうしてって……君たちに僕のサーカス団の団員になってもらうためだよ。」

オレの問いに対し、よくわからない返しをする。

「勿論、拒否権はない。ここの看守長さんと正式に契約したから!ま、契約書は稲穂いなほが持ってるんだけどね☆」

そんな軽い調子で言うコイツに、オレは苛立ちを抑えきれなかった。

「なんでテメェはそんな余計なことをする!第一テメェがいなけりゃオレだって!」

「ノンノンノン!短期は損気だよ〜?そもそも、君たち出所したら居場所あるの?調べたところだと君の両親は今回の件で君と縁を切ったそうじゃないか。他の子もだけどネ。」

淡々と、それでいておちゃらけた様子でそう言ってくる。しかも、どれも事実だ。

「まあ、居場所がないのは不便だろう?だから居場所と刑期の減少をプレゼントしようってわけ。君たちは職にもつけるし、すぐに出所できて居場所もできる。僕らは儲かる。WINWINだろう?」

奴はそう言うと、オレに手を伸ばしてくる。

「どうだい?僕についてこないかい?永遠の安心と人気を約束するよ?」

オレはその言葉に惹かれてしまいます。手を取る。

「契約成立だね☆」

こうして、オレの新たな一歩が幕開けとなった。

……………………………………………………………

注意:ここから先は設定となります。

興味がないよという方はこちらで本編は終わりとなりますのでご注意ください。

名前:色瀬裕二いろせゆうじ

性別:男性

身長:165.4cm

体重:45.3kg

年齢:26歳

説明:"ストップ症"という病を患い、肉体が15歳の少年の姿から一切変わらなくなった。モンスターサーカス団というサーカス団の団長を務めており、性格はおちゃらけている。

GIFT:Chameleon

カメレオンの姿に変形する能力なのだが、能力を極めることで、素の状態でも能力が使用できるようになった。また、皮膚を保護色にできるのだが、保護色のレベルが高すぎて透明化レベルとなっている。

馬場稲穂ばばいなほ

性別:女性

身長:172.8cm

体重:秘密

年齢:26歳

説明:裕二の中学時代からの友人。裕二とは喧嘩するほど仲がよく、他の団員がよく喧嘩してるサマを目撃している。モンスターサーカス団の調教師として働いており、その調教の腕は超一流と噂されている。

GIFT:GOAT to HELL

ヤギに変身するGIFTなのだが、自身の調教の腕と、サーカス団員だから何か一つはできたほうがいいだろうと思って習得した芸である火を吹く芸が入り混じり、ヤギという動物なのもあってか、黒魔術師的なものが使えるようになった。

亀田玲音かめだれおん

性別:女性

身長: 165.0cm

体重:46.3kg

年齢: 17歳

説明:マジシャンの家系に生まれ、マジシャンとして育て上げられたが、どのマジックもうまくいかず、いろいろ拗らせた。結果、今回の事件へと繋がった。

また、今回の事件で、ある団体と組んでいた。

GIFT:カメレオン

カメレオンになる能力。必死に努力をして、練度を高めたからか、獣人になるまでには至った。また、保護色も、よ〜く見ないとわからないくらいまでに至ったが、全て裕二に劣るため、さらに拗らせた。

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カメレオンのサーカス団(GIFT短編) クレイG @KUREIG

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