第5話 山へ

山の登山口入り口まで

地元のおじちゃんのトラックの荷台に

乗せてもらい移動した。


おじちゃんには

武様は見えてなくて

マジックで薙刀を浮かしてるように見えているらしい。

面倒くさいから

「そうだよ。」って言った。

このおじちゃん、母ちゃんが一人もんになったから

母ちゃんのことを狙ってるらしくて

俺にも優しい。

でも

「このおのこはすけべじゃのう。」

武様の見立てがあったから

母ちゃんの事

好きなのはわかるけど

応援はしない。

そんな事思ってたら

もう登山口に着いてしまった。

「一!帰りは何時だ?迎えて来るぞ。」

武様が、耳元で

「カラスが泣いたら迎えに来て。と言うんじゃ。」と言った。

おじちゃんに

「カラスが泣いたら迎えに来て。」

おじちゃんは

「ナイスな返事だな!わかった!迎えに来るからな。」


???



本当に解ったのかなぁ?

まっいっか!

行こう!


おじちゃんに手を振り

いざケサマル山へ。


登山口は

獣道みたいになっていて

人が一人

入れるかな?くらいな隙間の入り口。

木々が生い茂っていて

しばらくその間を進むと

少し開けてくる草の道になる。

って言っても山道だから歩きづらい。

少し行くと山肌を歩く道に出る。

小川が脇を流れていて魚が泳いでいるのが見えた。

一瞬崖から落ちそうになったが

武様が落ちる前に

何か手を動かして

風が体を押し上げた。

「一、山道は集中するのじゃ!危険がいっぱいだからな。」


「何回も登ってる山だから大丈夫だよ。少し魚に気をとられてしまったんだよ。」


「山頂まで後少し。

頑張るかのう。」

少し膨れっ面の一を見て

フッと笑みを見せながら

武様が言った。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る