エピソード:32 光川きらりの場合 その4
午前中はゆっくりと休んでから森の中で半日ほど魔物を狩ってたけど、敵が弱いせいなのか、レベルは1しか上がらなかった。
「ユーシスさん。もっと強い敵って、もっと遠い所行かないといない?」
「そうですね。ここはなんと言っても北の大国の首都近辺ですし、そんな強力な魔物が出没したとなったら、すぐに軍隊が訓練がてら出張ってきて討伐してしまいますから」
「まぁ、常備軍がいるなら、それもそうか」
私は北の方に遠く見える山脈の方を見てみた。遠くて良く分からないけど、100キロから200キロとかは離れてるのだろうか。遠見の加護スキルを上げつつ、2から3でちょうど良いくらいだった。
白い山脈を俯瞰する様な視点から、針葉樹林に覆われた麓や山肌とかで動いてる様な姿が無いかズームしていってみるけど、むずかしい。ぐぐるアースみたいなのから、地表にいる生き物探せって感じだからね。
森の中にいるようなのを探すのはあきらめて、山の上の方から何か目立つ大きいのがいないのかなーと。何か雪の表面が動いてると思ってずっとズームしていくと雪兎や白狐みたいなのだったり。魔物でも無さそうなので小動物系は放置してさらに根気よく探していって、山と森の境目辺りに集落ぽいのがあって、そこの住人(人間ぽい)と、魔物ぽい生き物(白い毛むくじゃらの何か)が戦ってるのを見つけた。
いい加減夕方も近づいてきたので、私は雪男?らしき何かを太陽光線で撃ち抜いていった。距離の問題をほぼ無視してしまうこれはほんとに
5匹倒して、私のレベルは2上がった。それなりに強い相手だったのだろう。住民達は空から降り注いだ光で魔物達が打ち倒されて呆然としてたけど、やがて天を仰いで感謝を捧げ始めた。イルキオ宛ての感謝かな。
効率としては、この森でゴブリン探すよりはマシとはいえ、時間も根気も必要なので微妙だった。狩りは切り上げて街へと戻り、道具屋で魔石を金貨10枚分くらい買い込んでから宿へ戻って、明日の作戦を立てた。
遠見と飛行の合わせ技を考えてみる。
飛行は1分で1MPを消費する。レベル1で秒速1メートルで飛行。レベル10でも秒速10メートル、10秒で100メートル、100秒で1キロ、1000秒で10キロ、10000秒で100キロか。ええと、1000秒なら16.6分くらい?その10倍てことは166分?ほとんど3時間くらいか。そもそも高度一万メートルって普通に呼吸できるの?うーむ。斜めに飛んでいくと高度は抑えられるだろうけど、そこは置いておこう。
メダルの反応は、数が多い相手ほど強く感じられる。といってもおぼろげにあっちの方とかって感じだ。倉橋のは強めに感じられるといっても100キロの彼方から正確に見つけられるかというと微妙だった。
北大陸に限っても、まだ50人以上の生き残りがいた。帝都周辺でも20人以上はいそうだった。ただ、私が生き残れていた様に、近づいてけば気付かれて逃げられたりもする。所持枚数が30枚にもなった事で、私が相手の位置をはっきりと特定するよりは、相手の方が私を先に察知してしまうだろうから、これまで通り狩れるかどうかは不明だった。
翌朝。また日の出とともに帝都を出て森の方へとずんずん離れていく。帝都から5キロ以上は離れて、人の姿が豆粒以下の大きさしか見えないくらいになってから、私は周辺の魔物を狩って留守番役達の安全を確保した後、光と飛行のレベルを10に。それから試しに、遠見の能力に、収束を掛け合わせられるか試してみた。
だんだんと高度を上げながら、収束のレベルを上げていくと、ぼやけた地面の染みにしか見えなかった帝都の姿がくっきりと浮かび上がってきた。収束のレベルを1上げる毎に10%はピントがあっていく感じで、レベル10、高度はよくわからないけど10分くらい上昇した辺りでちょうどピントがあった。
そこから遠見の加護の力でメダルの反応を感じる箇所にさらにズームしていく。朝が早いせいかまだ宿の部屋で寝てるのは、心の中のメモ帳に場所を記載して、次のメダルの反応へと探索対象を変更。街路を歩いてるようなのなら、ためらわずに光撃。
30分くらいかけて3人撃ち抜いて、他3人くらいの居場所を探り当てた辺りで残りの魔石が乏しくなってきたので降下。急いで帝都へ戻り、撃ち抜いた辺りを歩き回って、2枚は回収できたけど、もう1枚は他の誰かに拾われてしまっていた。
その場所から一番近いメダルの反応も追ってみたのだけど、ずっと逃げ回られて捕まえられず仕舞い。その追いかけっこの途中に感じた別のメダルの反応も追おうとしてみたけど、こっちにも逃げられ続けて捕まえられなかった。ううむ、やはり相当私の存在は強く伝わってしまってるようだった。
追加で手に入れた2枚は、報復と記録。
報復の神ガミラのスキルは、相手から受けたダメージを、ダメージを与えてきた相手にも与える。怖っ!スキル:反射みたいな加護スキルだけど、発動には相手が見えているか認識出来ている必要があったようで、私はどちらも引っかかってなかったのでセーフだった模様。危な~!とはいえ、これ、相打ち上等じゃないと使えない。例えばこれ使って倉橋と対峙して致命傷を相手にも与えられたとしてもHPの差とかで凌がれかねないし、共倒れなんて他の誰かを喜ばせるだけだしね。
もう片方の記録は使えそうだった。例えば、何の変哲もない道路に手を触れれば、そこをいつ誰が通ったのかとかが分かる。記録のメダルの持ち主を倒した場所に手を触れた時、彼の足跡を辿れた。
私は、今日追いかけっこをした相手の足跡に触れて、その始点となった宿屋を見つけておいた。ふっふっふ、明日には横取りされたメダルを取り返してやるぜ!
そんなこんなをしてたら夕方近くなってきたのでコロシアムへ。地味に、都市内を徒歩で移動する時間がばかにならない。とはいえ、全速力で走り回り続けられないし、そんな事してたら目立つし、まして上空を飛び回ってたら(周囲に霧をまとってたらもっと)目立ってしまうだろうし、悩ましい。
コロシアムでいつもの庶民VIP席に行き、倉橋の分のお金300枚と、私の分150枚を賭けた。相手はこのコロシアムの格闘王と呼ばれてる男?らしい。巨人族とのハーフ?で、名前はゴジュラス。オッズはかなり倉橋ががんばったせいか、3対1て感じ。倉橋が勝てば3倍ね。
一日の
ゴジュラスは尻尾は生えてないし放射能を吐きそうにもなかったけど、身長は4メートル近く。倉橋の体積からすると5倍くらいありそうな筋肉の塊だった。二人を比べれば、明らかにゴジュラスの方が強そうに見えた。ただ、知見の神の加護スキル:比見で見れば、ほぼ互角くらい。マジか。
ゴジュラスは、ごてごてした重そうな防具とか、特に上半身や頭部のは外してしまった。残したのは脛当てとか膝当てとかくらい。後はごついとげとげパンチみたいなナックルガードっていうのあれは?
対する倉橋は前回とほぼ変わらず。メリケンサックみたいのは両拳に握ってるみたいだけど、あれでいくら殴ってもダメージにならなそうな相手だけどどうするんだか。
司会がまた前口上をぶちあげてから、試合開始。なんでも格闘だけなら負け無し。武器ありでも、これまで50戦以上して二敗しかしてないんだそうな。それもほぼ最強の相手に惜敗しただけとか。
観客も、ゴジュラスを応援する声のが多かった。ゴジュラスが振り下ろす拳、というかそのトゲトゲを、倉橋は見切って、一度かわすごとにそのトゲを一本ずつ打ち折っていた。
相手からすれば単なるローキックは、倉橋からすると体ごとかわさないといけない攻撃で、前転でかわして足下へと飛び込み、相手のくるぶしを蹴りつけたり膝横の骨に全力で殴りつけたりしていた。
普通の相手なら骨を砕かれたりしてた一撃なんだろうけど、相手が筋肉達磨なせいか、痛ぇなこいつってくらいなダメージでしかないらしい。ただ、足の間に陣取る様な相手はやりづらいらしく、ちょっとバックステップして両拳を地面に打ち付けたりして倉橋を遠ざけていた。
そんな攻防がしばし続いた後、トゲトゲがだいぶ減ったナックルガードをゴジュラスが投げ捨てた。
「おおっ、ゴジュラスが本気を出すぞ!」
と観客達が騒いだ。ゴジュラスが大声で吠えると、さらに筋肉が盛り上がり、迫力が一段か二段くらいは増した。たぶん、身体強化スキルを使ったのだろう。
そこからの攻防はほとんど目に留まらない速度になった。想像してみてほしい。ダンプカー並の巨体がプロ格闘家の速度と技術で攻撃してくるのだ。いや想像できないか。それくらいデカい相手が攻めてきてるのに、倉橋は怯まなかった。
風圧だけで吹き飛ばされそうなパンチやキックを紙一重でかわしつつ、手首や足首や膝裏とかの関節部に攻撃を加え続けてるみたいだった。
司会ものりのりで実況を続け、観客達も大興奮で足を踏みならし、声を枯らして賭けた方を応援し続けた。
ゴジュラスが様子見してたのが序盤の一分半。身体強化を使ってさらに三分半くらいが経過しても、ゴジュラスが攻め続け、倉橋がかわしつつ逆襲する攻防が続いていたけど、さすがにこのままではまずいと思ったらしい。
大きな手を広げて、倉橋の体の両側から掴みかかろうとしてきた。一度捕まってしまえば、後はそのまま押しつぶされるなり好きなようにされて終わってしまうだろう。
観客達の応援と悲鳴とが交錯した一瞬で、初めて倉橋は跳躍した。高さ4メートル近くの位置にあるゴジュラスの顎を膝で打ち抜き、ぐらりと相手の体勢が揺らいだところで相手の頭部を両手でつかんで大きく体を逆立ち状態へと振り上げ、そのまま相手の後頭部へとつま先を蹴り入れた。
そのまま一回転半してきれいに着地した時には、前後から頭部を蹴り揺らされたゴジュラスが両膝をついていた。
そのまま前に崩れていくかと思ったけど、片手を地面について上半身を支えたゴジュラスは、もう片手を裏拳として倉橋に放ってきた。
倉橋は体を屈めて前方にダッシュ。膝立ちになった相手の股間をためらいなく蹴り上げた。悲鳴があちこちから上がった。あれ、壊れたんじゃねぇか?と気遣う声がいくつも聞こえた。
えーと、格闘技、元の世界だと、確か急所攻撃って反則だけど、この世界だとそもそも武器使ってる時点でそんな反則とか無さそうだよね。急所保護してる防具付けてたとしても、かなり痛そう。実際、ゴジュラスは股間、タマタマを庇うように両手で覆いながら地面を転がり回っていた。
倉橋はちらりと審判の様子を伺ったけど、まだ試合続行という事で、ゴジュラスの頭部の方に回って、横面を強烈に蹴った。ぶふぉおっ!とかいう効果音付きでゴジュラスの巨体が宙を(低く)舞った後、少しわざとらしく大の字に転がり、がくっと気を失ったポーズを取ったところで審判が倉橋の勝利をコールした。
倉橋は、見せ物につきあわされたといった感じであまり喜んではいなかったみたいだけど、それでも気絶してなかった相手に手を貸して起き上がるのを手伝おうとして、相手は普通にあぐらをかいて起き上がり、倉橋の健闘を称えてるみたいだった。
おめぇ、強ぇな。
お前こそ、本気の本気は出してなかったろ?
みたいな、また頭の悪そうな会話してそうだった。
まぁ、私はまた倉橋にメッセージだけ打って払戻金はカードで受け取り、倉橋に明日昼間に会って現金でいくら渡すかだけやりとりして、宿に帰った。
翌日。少し曇りがちだったけど、十分な晴れ具合というか太陽光が降り注いでいた。これが冬になるとかなりつらくなるだろうから、寒くなってくる前に、私はある程度急いでおかないといけなかった。北大陸は冬が長く厳しいらしいから、中央か他の大陸への移動も済ませておく必要があった。
私の宿とコロシアムの間にある噴水広場で待ち合わせ。急激に曇ってくるようであれば適当な理由つけて仕切り直しするつもりだったけど、それも不要だった。
倉橋も10枚のメダル持ちだったから、近づいてくる反応はすぐに分かった。およそ百メートルくらいの距離で、倉橋と目があった。花束なんぞ持ってきてくれていた。何か気を使ってくれようとしたらしい。不要なのに。
それでも私は笑顔を浮かべ、デート相手を見つけた時のように手を振ってあげた。と同時に、光撃。
半々くらいの確率だと思ってたけど、かわされた。少しだけ驚きつつ、こちらに向かってダッシュしてきた相手に連続光撃。にこにこした顔のまま、手を振るのは止めていた。ジェイミが雑踏の隙間から飛び出して足に噛みつこうとしたのも加速してかわされた。
アザランテがその尾で足を払おうとしても少し飛んでかわされた。距離は瞬く間に半分からさらに半分以下に減った。格闘の神の踏み込みならもう一瞬で私の頭部はもう破裂してるだろう。
私はライトの魔法を放つ。相手に通じないのは分かってるけど、周囲へのめくらましの為だ。続いて振動で周囲の地面を揺らす。倉橋はつま先で揺れた地面の先端だけ捉えて前に飛んできて私を至近距離に捉えた。
混沌の神の加護もレベル10で発動済みだったけど、鈍重と逡巡を倉橋に重ね掛けしながら、飛行で上空に飛び上がり、混濁をさらに重ねた。
高さ5メートル。格闘の神の加護レベル10なら普通に届いたかも知れないけれど、混濁が仕事をしているようだった。頭を振りながらも跳び蹴りを垂直に放ってきたけど、私にはまだ1.5メートルほど届かない距離だった。
私は自身を霧で覆いながら、倉橋を何条もの光で撃ち抜いた。倉橋の体が落下していき、私もゆっくりと降下して周囲を霧で覆っていった。やがて倉橋の死体が消えて、メダルと財布、それから花束が残されていた。私はメダルだけをもらって財布と花束は彼への手向けとしてその場に残して去った。
広場からだいぶ離れた人気のない場所で霧は解除したけど、これは日中の町中で使う物じゃないなと改めて痛感した。
私はまた混沌の神の加護レベルを10に戻して宿に戻りながら、倉橋の持っていたメダルの検証を始めた。彼を倒した事で、レベルはまた一つ上がっていた。
格闘の神ゼベルデの加護は格闘。レベル1につき、格闘に必要とされる力強さや器用さや素早さといった能力が10%ずつ上昇する。9枚のメダルでレベル10まで上がっていたなら、100%、それでも二倍か。それだけであんな巨人とも戦って勝っていたのなら、それは倉橋の実力のお陰だったのだろう。肉体能力が全部2倍ってのはそれなりなチートスキルだったとしても。
そして私の目当てはおそらく倉橋が使ってなかったであろうメダルの方だった。
鋭敏の神の加護。鋭敏。特定の対象への反応を鋭くする。もしかしたらさっきはこれを使って光の攻撃をかわしていたのかも。だとすればそれなりに使える可能性はある。メダルの反応探すのにも使えそうだしね。
歌唱。アイドル活動には向いてるかもねって感じ。スキル:魅了に近い使い方は出来るみたいだけど、とりあえずは不要かな。
調理:そのまんま。レベルが上がるとより美味しい料理を作れるようになるらしい。これ持たされてたの、料理部の誰かだったのだろうか?不憫だ。
裁縫:・・・不憫すぎる。で、でも、中央大陸を騒がせてる主役は絵描きだっていうし!でも、加護スキルは調理のと同じくそのまんまで、これでどう戦えと?というものだった。いや、巨大ぬいぐるみとか作って戦わせるとか将来的に出来るのかも知れなくても、とりあえずは他の
悲哀:相手を悲しませる事が出来る、って・・・。レベルを10まで上げると相手を鬱状態にまで出来るらしいけど、迂遠過ぎる。
孤独:・・・・・・・。倉橋、どんな巡り合わせの相手を狩ってたんだ!?初期スキルは、精神強化。孤独な状態でも精神的に揺らがない。精神的に作用してくる魔法やスキルの抵抗値をレベルx%分上昇させる、って使えなくもなさそうだったのはまだ救いがあるけどさ!だけど、レベル10でも10%の抵抗値って渋過ぎるだろ!MP使わないでいい常時発動型だったとしても!
格闘家が格闘の神に見込まれてとかって素養や恩寵が無かったら、こんなメダルばかり獲得して挫けてたぞきっと・・・。
散歩:いや、怒るよ、さすがに。主神が確率の神だったっけ?ひどくない?無くないこれはさすがに?怒っていいよ倉橋!殺したのは私だけど!散歩の効果は、精神異常状態を解消する、という弱くないものだとしても!散歩もあるなら、昼寝とかもあったりするのか?イヤだよそんなの!これも、もしもの時以外は肥やし決定。レベル10で、閃きという使えそうなものがあったとしても。。一度くらいは試しに使ってみてもいいかもだけど!
こんなんばっか集まっていってたら、そりゃ真面目にメダル集めしようとしなくなるよな・・・。
透視:障害物越しに目的の対象物を見る事が出来る・・・。これも、高校生男子なら用途は覗き目的一択だっただろうけど、私には、めっちゃ使えそう。レベルを上げる毎に、視野から除く対象物の種類を増やせる。天井とかね!はー、良かった。何か使える物はあったよ!ただし、倉橋がこれを使ってたかどうかは不明。知りたくもない。
縁結び:いいねー、今はそんな時じゃないとしても!特定の同類項を持つ相手を選び、レベル1で相手の現在位置、レベル10で現在の様子を伺う事が出来る。超長距離ストーカー用スキル?私はいったい何になろうとしているの?
いやでも、透視や遠見なんかと組み合わせるとめちゃ使えそうではあった。
<きらり。その縁結びの神の加護は非常に重要だ>
――どうして?これから殺す相手に縁結ばないといけないから?イヤよ、そんなの
<違う。これから敵対する少なからぬ者が私以外の六大神の加護を受けた者になる。その時、この神の加護のスキルは、君がリードを築き逆転を許さない地盤となり得る>
――遠見とかも含めれば、そうかもね
<先ずは、この都市と国に散在する敵を狩り尽くす。そして七大神の加護を与えられた者は、互いのおおよその位置と方角を、他のメダル保持者とは違う形で感じ取れるようになっている。互いが互いの強敵となるのが分かっているからだ>
――つまり、私も、他の大神のメダルを集めるべきって事?
<なるべく早く、誰よりも多くな>
――でも、遠見の千里眼みたいなスキル使ってもむずかしくない?攻撃、届かないんじゃない?
<届かせる術がある。心配しないでよい>
――じゃあ、明日からは帝都内のメダル狩りね
というか、その為の準備は今日から始めておいて問題無い筈だった。資金の余裕もたっぷりとある訳だし。
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