第32話

お父様の杞憂が当たっているとは本当にどうしたものか。


ミリはマイタン領の難題を解決出来ないかと考えてみた。オーロソン王国に依頼することは出来ないが川の水が溢れたりする自然災害であれば誰の文句も付けられない筈だ。


お父様に聞いてみれば川の氾濫など起こりようが無いという。確かに川とマイタン領の運河は近いが氾濫して上手いこと流れる事はあり得ない。運河を工事するときは魔法属性『土』の者の力を使っているから運河が川に近い場所はあっても強度は高いらしい。だから急激に水量が増えれば溢水が起きなくは無いらしい。


川と運河の水をくっつけるのは無理らしい。ならばどうしたら、知恵を借りるならアン様に聞けば良いかもと思った途端に眼の前にアン様の幻影が現れた。

「ふん、マイタンの地か。あそこは沼沢地じゃな。」

「沼沢地?」

「うむ、沼や湿地帯があり、固い地面のない場所のことじゃ。」

「今はそんなことなくて、逆に水が少なくて困っているの。隣の地のオーロソン王国にお願いして水を分けても貰えない状態で困っているの。良い知恵は無いかしら」


アン様は少し考えているようで不意に手を叩いた。

「ではこうしよう。井戸水を掘って湧水池を造るのじゃ」

「井戸水を掘るの?」

「そうじゃ、マイタンの地なら掘るだけで直ぐに水が湧いて出るじゃろう。あそこの水源は南東にあるバルチ山に降った雨が滲み出しておるのじゃ。」

「そうなんだ」

「かつて沼沢地だったのはそのせいじゃよ。今は干拓や埋め立てなどで水は地下を流れ海に注いでおるのじゃろう。何ならバルチ山を見て見るか?ついでにバルチ山に雨も降らせれば十分ではないか?」

「ええっ!そんな王都より遠い所なんて行けないよ。場所も知らないし。」

「おお、そうじゃ。お主は影従魔『ポチ』しか知らんのじゃろ。」


影従魔『ポチ』はアン様が呼んでいた頃の『ルキウス』の事だ。他に影従魔が居るのだろうか?

「おるぞ、『ポチ』が地の王者なら『トリ』は空の王者じゃ」


うん、知ってたけどアン様の名付けの安易さは酷い。

『トリ』の話は後で影従魔『ルキウス』に聞くとして、お父様に考えを伝えてみる。


「井戸を掘って湧水池を造るか・・・なるほど、あの地の昔の事を考えれば可能性はあるな。よし、すぐにでもマイタン子爵家に手紙を出してみよう。マイマイ殿ならば上手く活用してくれるだろう。エンドロール伯爵家にも出そう。」


お父様は機嫌を良くして執務室机で手紙を書き始めた。あっという間に書き上げると手紙を飛ばす。こういった事にはこまめだ。

「それでだ。わたしは仕方ないので他の侯爵家を頼る事にした。」


お父様は王都での事の続きを話を始めた。

パンドーラ侯爵家は山を越えた東側に領地を持ち他国との交易を支えている為に豊かな領地であるが余り親交が無いので頼みにくかったが面談は叶った。色よい返事も援助の話も上手く躱され、結局は頼りにならなかった。

ロンドベール侯爵家は王都の北西に領地を持ち、海に浮かぶ諸島を持つので仕事で忙しいらしく面談すら出来なかった。

ジュゼッペ侯爵家に頼み込む事はしたくなかったので論外である。

手詰まりである。そんなときお父様の所にあたしから館が火事になったと手紙が来たのだと言う。


パンドーラ侯爵家はクロエ•オードパルファム伯爵家の寄親だし、同級生マクスウェル•パンドーラの家だ。

マクスウェルのスキルは『指揮』で魔法属性『水』で侯爵家の跡を継ぐのに相応しい令息だ。

髪はピンクブロンドでグレイの瞳を持つ線の細い体型だがだぞ口調で少し偉そうだ。

でも、クロエとは幼少の時から親交がある、所謂幼馴染らしい。あたしがクロエと仲が良いのでマクスウェルとは良く話すがとても表裏のない清々しい男性だ。他の女性からの受けも良く、格好を付けて話すと嬌声が上がるほどである。


お父様ではパンドーラ侯爵から色よい返事は貰えなかったかも知れないがクロエとマクスウェルを介してお願いをしてもらえればまた違うかも知れない。学園に行けるようになったら聞いてみようと思った。


クルチャ•ランベックとナランチャ•クロールは何とロンドベール侯爵家の寄り子達だ。


クルチャ•ランベック辺境伯令息は明るい茶髪でグレイの瞳を持つが左右で濃さがちょっと違う。ミリより背が高く、だよ口調で優しく間違いを正してくれる。スキルは『予見』魔法属性『土』で何か遠くを見ているような表情は結構なファンが多いらしい。


ナランチャ•クロール男爵令息のお父様はロンドベール侯爵家の家宰を勤めている。銀髪短髪で黒い瞳。落ち着いた雰囲気でいつも微笑でいる。スキルは『呼吸』魔法属性『火』だ。


ただ、このふたりは普通に話をするが何処か世界が違うのだ。見ているのは私達生徒ではなくてどうにもミッチェル•アンドネス公爵令嬢とアビー•セクタフ騎士爵令嬢だ。惚れているというより憧れている雰囲気がある。


ミッチェル•アンドネス公爵令嬢は金髪碧眼のスタイル抜群のとんでも無い美人で髪型が縦ロールしているのだ。お嬢様要素満点だ。スキル『舞踏』魔法属性『風』なので正に公爵お嬢様そのものだ。

そのミッチェルを守るようにいつも控えているのがアビー•セクタフ騎士爵令嬢だ。女騎士といった風情でミッチェル様を守る為に騎士になると公言までして、男などには目もくれない。凛として静なので女子からも嬌声を受けたりする。


あぁ、つい力が入ってしまった。かく言うあたしもミッチェルさんとアビーさんのファンだったりする。

なのにミッチェルさんは何故かあたしを気になさる。そう、あたし如きに「ミッチェルと呼んでちょうだい。」などと仰るのだ。

何故に?みんなそう思って居るに違いない。あたしからしてそう思う。


それ故にクロエが近くに居ない時はミッチェルさんとアビーさんが居たりして話をする。

だから、意外とあたしが口添えするとロンドベール侯爵家に話を通す事が出来るんじゃ無いかなぁなどと思ったりするのだ。

もちろん、ミッチェルさんがあたしなんかに仲良くしてくれるには理由がある筈だ。スキルについて凄く聞いてくる事がそれだ。リリスお姉ちゃんが凄く注意してくれたからミッチェルさんと言えどもあたしはスキル『影』は「影に隠れるだけ」の力しか無いと言ってきた。

それでも「何か新しい能力が見つかったら教えてね」などと仰るのだ。


今では怪しいと思う。かつて、アントウーヌの森の魔女であるアン様は王家にその力を求められた。500年も前の話だったにしてもそれを言い伝えた可能性はある。

アンドネス公爵家がアン様の事を何か伝えていて『影』スキルに注目していたならあたしを取り込もうとするのでは無いだろうか。

リリスお姉ちゃんに相談が必要だ。だからこの線はお父様には内緒にしよう。


「すまない」

そうお父様は言った。この負債を抱えている状況を謝られてあたしは困惑する。

「お父様、あたしは大変だけど今は結構嬉しんです。」

お父様は頭を上げると怪訝な顔をする。

「お家に閉じこもるしか能が無いあたしが外に出て、沢山の人と知り合えた事が嬉しんです。あっ、そうだ。お父様が帰って来たらお父様に聞いてとお母様に言われた事があるんです。」

「なんだ?わたしに」


だから館の図書室で見た影の事、頭に響いた『ロザリア』という名前の事を聞いたのだ。

お父様はお母様のように凄く驚かれた。そして呟いた。

「シェリーはわたしに訊けと言ったのだな。ならわたしから教えよう。」


お父様の顔は覚悟を決めた様子だった。

「ロザリアとはロベルトが生まれる1年前にわたしたちの間に出来た女の子だった。だからミリ、お前のお姉さんの名前なんだ。でも、ロザリアは赤ちゃんの内に亡くなってしまった。ロザリアの事はロベルトも知らないんだ。」


何となくあたしは分かっていた気がする。あの影はお母様が行ったブラク村へ行くように指を指していた。きっとお母様に危機が訪れる事を教えてくれたのでは無いかと思う。

ロザリアお姉ちゃんなんだね。

「でも何故秘密にしていたの?」

「うむ・・・」

お父様は理由をなかなか教えてくれない。病気や事故なら教えてくれても言い難い事は無いだろう。なら他の理由なのか。長い間を開けてお父様は重い口を開いた。

「シェリーは初めての子供ということで、す、少し混乱していたのだ。重く塞ぎ込むようになって『ロザリア』に冷たく当たってしまった。ほとんど世話をやくこと無かった。乳母を雇って育てようとしたがシェリーが暴れる程に嫌がった為にわたしは判断を誤って『ロザリア』を失ってしまったのだ。『ロザリア』が死んだのはわたしに責任がある。」


「だからお母様は話したくなかったのですね。」

あたしは影の世界に行った時に見たあの影にそんな否定的な感情は感じなかった。むしろお母様を守ろうとする意思を感じていた。

「お父様、あたしは『ロザリア』お姉様は恨んで居ないと思います。お母様の事をむしろ深く愛して居ると感じました。」

お父様の顔が少し晴れる。

「そうか、そうだと気が楽になれる。ミリがそう言うのだから違いない。あの図書室は昔『ロザリア』の育児室だったのだ。」


それからあたしは鍵をお父様に渡して執務室のクローゼットに連れて行った。クローゼットの壁にある『転移扉』を見て不審そうにあたしを見た。

「これは『転移扉』と言ってスキル『影』によって移動出来る扉です。」

「な、なにぃー!」

お父様が腰を抜かしてしまった。驚き過ぎです、お父様。

「何処にでも行けるのか?これで?」

「いいえ、幾つかの固定した場所だけです、お父様」

あたしは『転移扉』が異世界の文字で描かれていて、その文字ひとつひとつを説明する。

『開』『錬金術室』『オロベイヌ島』『パルファム』『ランベック』


その上でお父様に触れてアン様に訊く。

「パルファムとランベックが転移先にあるのはなぜ?」

お父様とあたしの前に約20cmのアン様の幻影が現れる。

今度はあたしが支えたのでお父様は腰を抜かす事は無かった。でも、眼の前に現れた幻影を見て聞いた。

「こ、これは何だ?」

アン様が答える。

「初めまして、ミリのお父上。儂はミリの前世、アンじゃ。」

アン様それじゃ全然お父様には分かりませんよ。

「お父様、アン様はアントウーヌの森の魔女さまで500年前にスキル『影』を持っていた方です。アン様があたしの前世というのは後にして、この方がこの『転移扉』の行き先を描いた方なんです。」

お父様は聞いた事を飲み込め無かったようだが取り敢えず、置いておいて転移先の事の意味を考え始めた。独り言のようにお父様が呟く。

「すると何か?『オロベイヌ島』『パルファム』『ランベック』に行った事があると言う事か?」


「うむ、儂の弟子達のいた場所じゃ。『オロベイヌ島』はロンドベールの西の孤島じゃ。温暖で海の幸が抱負じゃったなぁ、今も健在じゃろうか、ロイの若造は。」

いえいえ、500年も昔の方は既にお亡くなりになっていると思いますよ。


「もしかしてロイとはロイド•ロンドベール殿のことでしょうか」お父様がおずおずと聞いた。

「おお、そうじゃ。良く知っておるのう」

「ロイド•ロンドベール殿は今のロンドベール侯爵家の礎を作られた傑物です。」


「じゃあ、『ランベック』『パルファム』も同じですか、アン様」

あたしの問にアン様が答える。


「勿論じゃな。『ランベック』は『ランベックの塔』という訓練用の施設の地下に出る筈じゃ。『パルファム』は山添の別宅の倉庫に出るのじゃ」

これはどちらもこっそり行って確認したい場所だ。


「う〜む、わたしも行って見たいな。」

「お父様、お母様を起して行って見ませんか?『パルファム』なら別荘という事もあるしとても風光明媚な場所らしいですよ」

あたしの提案にお父様は意外に乗り気になってくれた。お父様が休んでいるお母様を起こして、少し気晴らしに行こうと誘った。あたしの転移扉の鍵を持っていれば恐らく影の世界でも影に取り込まれる事は無いと思うけど怖いのであたしの右手でお父様と左手でお母様と手を繋ぎ、転移先を『パルファム』として『開』を触ると転移扉が影に変化した。あたしがふたりを引っ張るように影に飛び込み、『パルファム』の転移扉に出た。そこは暗く何も見えないがあたしは構わずふたりを連れて直ぐに影の世界へ入り、倉庫の外に出た。

出た場所は倉庫の側面で目の前はなだらかな下り坂で小道が遠くに見える港町に通じて居た。

『パルファム』が東の端にある為か、陽射しは天頂を過ぎ傾き掛かって居た。丁度昼頃だろう。

「おお、ここは眺めが良いな。そこの坂道を下れば港町のようだからそこで食事でもしようか」


お父様の提案にお母様は笑顔で頷き、あたしは久しぶりに笑った。あたしが繋いだ手を離さないのでふたりを連れるように歩き、直ぐに港町に着いた。

「おお、ここには色々な物が売っているな。」

「あなた、あそこにある店の前に吊るしているものはなあに?」

お母様が繋いだ手を離して指差した先には茶色い葉っぱのような物が紐に沢山吊るされて居た。

「あれは『干物』だな。」

「『干物』ですか?」

「ああ、そうだ。ああやって魚の内蔵を取り出して開いて塩水に付けて天日に干すと旨くなるらしい。わたしも話に聞いただけだがな」

「あなた、わたしも食べてみたいです。」


お父様とお母様はとても楽しそうに話をしているのであたしも凄く嬉しくなった。

「お父様、お母様。あそこは食堂のようですので入って見ましょうよ」

「ああ、そうだな。ええとお金があったかな?」

「あなた、わたしも持ってませんよ。」

「大丈夫です、あたしが持ってます。」

あたしはハンターの仕事をするようになってから金貨1枚程度は何時でも持っているようにしているのだ。勿論、まるパンやサンドイッチなどの食料品を買って影の世界に保管して置くためだ。


店に入るとあたし達の服装がこの地のものと大分違うので物珍しく見られる。物珍しそうだが声を掛けてきたのは店員だった。

「いらっしゃい!適当に座って決まったら言っておくれ」

あたし達は空いていた壁側の4人席に座って周りを見渡した。テーブルの上には棒を差した筒と調味料らしき物が2種類置いてある。壁中に木の板でメニューらしきものが書かれているが、どんな料理なのか分からない。そこでお父様が声を掛ける。

「すまないが、初めて入ったので勝手が分からん。どれを選べは良いのか教えて貰えるか?」


お父様が声を掛けた店を歩き回っていた店員が振り向きざまニッカリ笑った。

「初めてなら日替わり定食が良いね!お客さん王都あたりの偉い人だろ!『パルファム』が初めてなら仕方ないね!箸入れに入っている箸の使い方は周りを見て覚えな!赤い筒は『しょうゆ』で白い筒は『塩』だから味が足りなかったら使って良いよ!」

店員のちょっと体格の良いおばさんが大きな声で捲し立てたげととっても優しい口調だった。


お父様はお母様とあたしを見るので頷いて同意した。

「ありがとう、それじゃ『日替わり定食』を3つ貰おうか。」

周りを見るとおじさんやおばさんや子供達が器用に箸と呼ばれた棒を2本使って食べ物を掴んで口に運んでいる。椀に盛られたスープや大きな椀に入った白い穀物らしいものを美味そうに口を当てて搔き込んでいた。

お父様もお母様もあたしも「ああやって食べるんだな」と分かった。お母様が『しょうゆ』と呼ばれた赤い筒の横から出ている筒に付いていた赤黒いしずくを指に付けて嘗めて、顔を顰めた。

「しょっぱいわ」

お父様も興味を惹かれたらしく同じ様に嘗める。

「うん、この味は知っているな。我が家でも使う場合がある筈だ」

どうやらこの調味料はそれなりに普及して居るようだ。

そんなふうにしていたら『日替わり定食』が持って来られた。

大きなトレイの上には四角い陶器の器があり、外で干されていた干物が乗っていた。小さな器には黄色い切れ端の何か。それから陶器の椀に白い穀物、木の椀に貝を使ったと思われる茶色いスープがあった。

あたしとお母様はお父様を見る。お父様が口を付けるのを待っていた。お父様が木の椀に入ったスープを啜るって言った。

「うまい!」

お母様とあたしはお父様の真似をして木の椀のスープを啜ると少ししょっぱいが貝の旨味を感じた。美味しい。

陶器の椀に入った白い穀物を箸を使って少し口に運ぶと口の中で解けてゆく。もちもちする白い穀物が味の濃いスープを和らげてくれて、美味しい。

頭を上げるとお父様が『干物』を箸で器用にほぐして身を食べる。お父様は箸を使うのが初めてでは無いらしくお母様やあたしより上手に使っていた。

「旨いな、この干物」

お母様もあたしもお父様の見様見真似で箸を使うが上手く身をほぐせないので、お父様が2人の『干物』の身をほぐしてくれた。お母様とあたしは箸でそれを口に運ぶとお互いに笑顔で見合ってしまった。魚を食べる事もあるがこんなに旨味が詰まったものを食べるのは初めてだ。大きな『干物』では無かったがこれは買って置きたい。

気がつくと白い穀物は無くなり、スープも食べ終わって居た。

「旨かったな」

お父様が言うと

「美味しかったです」

とお母様が答えた。あたしも2人の笑顔に負けない笑顔で言った。

「とっても美味しかったです。」

凄く幸せな時間だった。

ミズーリ子爵家の負債の事もダンダン伯爵家からの謂れのない迫害も全部忘れていられる幸せだった。


店の中にいた注文の仕方を教えてくれた大柄なおばさんに食事代を払ってお釣りを受け取る。『日替わり定食』は1人銀貨1枚、3人で3枚で済んでとても安かった。


折角なので3人で港町の中をゆっくりと歩き、あちこちの店を見て回り、欲しいと思った海の幸を買い求め、記念に小さな貝殻のピアスを買って、お父様とお母様に贈った。


夕焼けが始まる前にお父様とお母様と手を繋ぎ、影の世界へ行き、高台の別荘の倉庫の『転移扉』から『拠点』を経由してミズーリ子爵領の館に帰って来た。

お父様もお母様も夢心地のようだったが明日からまた、大変な日々が始まる。

気を引き締めて、夜を迎えた。


3人で夕食を取りながら今日の出来事を楽しく話しているとお父様の元にマイタン子爵領主マイマイ様から手紙が届いた。

お父様が少し緊張して手紙の内容を読むとお父様の提案でマイマイ子爵領の水問題が解決出来る目処が立った事に対する感謝の文言だった。しかも礼としてマイタン子爵領特産の品種改良された穀物『米』を送ってくれると言う。今日の昼に食べた白い穀物は『米』だったらしい。あたしたちも美味しく頂いたので館のみんなにも食べて貰えると嬉しいな。


これは教えてくれたアン様のお陰だ。

























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