第31話
明朝、『拠点』の魔女の家で起きたあたしは朝食を用意しようとして気づいた。ここで食べてしまったら館でメイドが作ったものが食べられなくなる。う〜ん、こっちのほうが美味しいからなぁ。そうか、館のメイドにレシピを伝えて美味しい食事を作って貰えば良いのか。
お母様も起きて来た。お母様と転移扉を抜けて館の執務室のクローゼットに出る。
お母様は病人の変装をして仮面を付ける。あたしはクリーンの魔法で埃を払う。車椅子を出してお母様に座って貰って、少し打ち合わせて置く。
これから執事長やメイドと顔合わせをして上手く誤魔化せる確認するのだ。もちろんお母様は小声で少ししか話さない予定である。指の力が余りに入らないので文字を書くのも時間が掛るという設定である。急に元気になったら不審に思われて仕舞う。対外的にもお母様を抱えて大変だと思われたいのだ。
あたしが階下の食堂に行って食事を執務室に持ってくるように言って執事長とメイドと戻って来る。
執事長は凄く火事の事を気にしているがきつく言ってあるので普段通りにしようとしている。メイドは心配はしているが興味津々なのを隠せてない。
ちろちろとお母様を見ているがバレバレだ。あたしがお母様を介護するように食事の手伝いをする。
時間を掛けてお母様が食事を出来るまで回復した事をアピール出来た。これで様子を伺いに必要もなく執務室に来るメイドも居なくなるだろう。きっと数日もすれば領民もお母様の容態を知っているに違いない。
人の口にドアは付けられないのだ。
あたしの食事が済んだ後にあたしは食事担当のメイドにアン様の料理のレシピを幾つか渡した。香辛料は高いのであまり使われないが少しは美味しい料理になるに違いない。
執事長が持ってきた書類を持ってあたしは執務室に入る。
お母様は病人の演技をしながら書類と格闘していた。入って来たのがあたしだけと分かった途端普通になった。
うん、なかなか演技力があるなお母様。
お母様の仕事を手伝う。ある程度進んだ所であたしは服を着替えて革鎧を身に着けた。大分、この革鎧にも慣れて来た。でも、武器はナイフしか無いが使った事無いな。
お母様に断りを入れてスキル『影』で影の世界へ移動して一気に館の外に出て、森まで影従魔ルキウスに乗って移動する。昨日の川辺に出た所で現実世界に戻る。
天気は良く清々しい。少しスキル『影』の力を使いこなす練習をしようと思う。キラービーの巣を落とした力『影操作』を練習するのだ。
現実世界に居て自分の足元に落ちる影を『影操作』で動かす。大きく引き伸ばして遠くのものを掴む練習をする。河原にある石を掴み、投げる。
離れた場所にある石を掴むのは影を伸ばす為に少し時間は掛かるがスキルの使い方として違いは無い。ただ、やっぱり川を越えて対岸に影を伸ばす事が出来ない。川の流れに邪魔されるというか、影が千切れるというか、影が出来ないのだ。
影が持ち上げる事が出来る石に重さは関係無い事が分かった。自力ではとても持ち上げられない巨岩でも持ち上げられる。影の世界では岩のある場所まで跳んで、自分で持ち上げる事が出来る。
現実世界で様子を見ていてくれる人がいないので現実世界で岩がどんなふうに見えているのかは分らない。現実世界では非力なあたしは影の世界では超人と同じなのだ。軽く跳んでは居るが全力を出せばかなりの距離を移動出来るのでは無いかと思う。リリスお姉ちゃんに会いたいと『影探索』をした時の移動はとんでも無かったと思う。
夢中で『影操作』を練習していたら影従魔ルキウスが猪オークが現れたと教えてくれた。豚オークを4匹連れて川の対岸に現れた。魔導具の岩を操作してこちらに渡ってきた。あたしは岩の影に隠れている。あたしが現実世界で色々していたせいか、猪オークが鼻をヒクヒクさせて匂いを嗅いでいる。馨しかろうよ。少し汗ばんでいたし。
周りを見ても誰も居ないので安心したのか、豚オークを後ろに従えて森に向かって歩き出したので猪オークを影の世界に招待した。いきなり猪オークが消えたので豚オークがブフォブフォ騒ぎ出す。1匹づつ影の世界に引き込んで行くと最後の1匹が飛び石の仕掛で逃げようとしたのか、川の中に飛び込んだ。もちろん仕掛は戻って飛び石は無かったから豚オークは流れの早い川に足を取られて流れて行ってしまった。直ぐに姿が見えなくなったから溺れたのだろう。勿体ないなあ。
影の世界からなら反撃を受けないが魔物を逃がすことがある事が分かったので今度は森の木の陰に隠れて、『影操作』で狩って見よう。暫く『影操作』で遊んで居るとさっきと同じ数の猪オークと豚オークのパーティが現れた。川を渡って森に向かって来るところで影を広げて逃げられない大きさにして影の世界に落とした。今度は全部を狩れた。やっぱり大きな落とし穴が急に出来れば反応出来ないようだ。
次のパーティが早く来ないかなと待っていると影従魔ルキウスが時間だと教えてくれた。そろそろお昼になるので一同館に戻らないといけない。
今日はお母様を手伝って書類仕事をしている事になっているのだ。全力で影従魔ルキウスに戻って貰う。ほんとにあっという間で転移したのじゃないだろうかと思える速さだった。
現実世界に戻って、クリーンの魔法で埃を払うと赤系のワンピースに着替えて執務室に出る。お母様は真面目に書類を処理していたようでほとんど終わっていた。
「お母様、只今戻りました。」
「あら、随分と早いわね。」
「もうそろそろ、お昼ですから」
「じゃあ、わたしも終わりね。」
流石に病み上がりなので少し疲れて居るようだった。顔に巻いていた包帯は解けて居る。
ドアが叩かれ、入室の許可を訪う執事長の声がした。慌ててお母様は仮面を被る被る。あたしが返事をして、ドアを開ける。執事長とメイドがトレイに食事を載せて待っていた。
中に入れてあげると、ソファの前のテーブルにトレイを置いて出て行った。
お母様の分は相変わらず中身が少ないドロドロのスープだ。これだけでは足りなそうなので影の世界から丸いパンを出す。そろそろまるパンのストックが無い。『拠点』の『れいぞうこ』にも食材を追加して置きたいな。お母様がちょくちょく行って食べているようだし。別に良いのよ〜あたしが食べようと思っていたクッキーを食べてもぅ。
食事を済ませたお母様は『拠点』のベッドヘ行った。一応、まだお母様の部屋が設えて無いので仮眠室で休んで居る事になってる。食事の済んだトレイを持ってあたしは階下の食堂へ行った。そして執事長にお母様は休んでいるので入室しないように注意して置く。鍵を掛けたいけど我慢してしない。メイドが執務室の掃除をしていない事を気にするのでお母様の部屋が用意出来たら移って貰うのでそれからにしてねとお願いする。今入られるとお母様が居ないことで大騒ぎになるからね。
あたしは学園に戻るのが遅れる事を手紙で連絡しようとして困った。学園長に飛ばせない。知らないモン。だから、クロエに飛ばす事にした。
クロエ•オードパルファム
スキル『覚醒』魔法属性『火』
オードパルファム伯爵令嬢
黒髪短髪黒目の活発そうな女の子。あたしよりも胸が小さいだけで同じような体型。わっち、なんよ口調。
きっとクロエなら何とかしてくれると手紙を飛ばした後に、リリスお姉ちゃんにも連絡しないといけない事に気が付いたので同じような文面で書いた。
アマリリス•ボアン
スキル『妖精』派生スキル『呼び掛け』『誘引』を持つ。魔法属性は土。目の色は茶色で長い栗毛が自慢。あたしよりちょっと背が高い。ボアン子爵の長女で13歳。大好き!!
これで一応、大丈夫だろうと考えた所で、エリザの事を思い出した。きっと言う必要も無いのにミズーリ子爵家の家が火事になった事を言い触らしているだろう。面倒な事だ。
でも、これで多分明日には着くであろうお父様を待つだけだ。お父様が帰ってきたらみんな話さないといけないな思って居たら影従魔ルキウスが馬車が近付いて来る事を教えてくれた。
まさかエリザがまた来た?
そんな訳は無い筈と執務室から慌てて玄関先に出ると馬車がやってくるのが見えた。あの馬車はまさか、お父様?
馬車が焼け落ちた館の前に止まると、中からお父様が転がり出て来た。
「おう、おおおぅ〜、なんてこった!!何と言う事だ!」
お父様はあたしに気付かずさっきからずっと焼け落ちた館ばかり見て、泣いていた。
あたしは近付いて声を掛ける。
「お、お父様?」
お父様はあたしの声に気付いて目を真ん丸に見開き、更に大声で泣き始めた。
「み、ミリ〜、よがっだぁ〜、生きていてくれでぇよがっ!よがっだぁ〜!」
どうやらお父様は火事の詳細を伝えなかったばっかりにあたしが死んだと思ったらしい。あたしに縋りつこうとするので後ろへ下がる。ちょっと怖い!
「お母様が大怪我をなされてますので早く来てください!」
そう言うとお父様はへっと素っ頓狂な声を上げた。そして立ち上がり叫んだ。
「シェリーはどこだ!何処に居る!!」
「執務室の仮眠室でお休みです!」
「執務室だな?!」
それだけを聞くとお父様は走って館に入って行ってしまった。あたしが外に出たのと馬車がやってきたのでメイドの一人が出てきたから、御者台で倒れている御者と座り込んで動けなくなっている馬の世話を任せて、あたしはお父様の後を追った。
2階の執務室まで行くとドアは開けっ放しで休んでいるお母様のベッドサイドで泣いていた。
「うおおあおぉ〜シェリー大丈夫んかぁ〜、スビ、ずばぁ」
鼻水を啜り上げ、息を途切れさせながらお父様の慟哭は止まらない。余りに耳元で煩かったのか、お母様が目を覚ます。
「んん~んふ、あ、クリスぅ、どうしたのぉ?」
お母様も何故か話し方がおかしい。とても甘えた話し方だ。何時ものしっかりしたお母様じゃない。
「シェリー大怪我、すびっ、したんだろ。大丈夫かぁい?ズズッ」
お母様の名前はシェリーヌなのでお父様は愛称のシェリーで呼ぶのだ。お母様は何時もならあなたとか言うのにクリストファーの愛称であるクリスと呼んでいる。
お父様はお母様の顔に今にもくっつきそうなくらい近付て優しくて抱いている。
「うん、大丈夫よ、クリス。ミリちゃんがねえ、すっごいお薬でシェリーの事を治してくれたんだよ。」
「おお、それは良かった!」
「シェリーはねえ、怖わぁい、怖い騎士様に足をぶっすりされて、無くなっちゃたの。」
その時の事を思い出したのかお母様は涙を流し、ブルブルと震えだした。震えは激しくてお母様を抱いているお父様まで揺れるほどだった。
「痛いの、痛いの、とっても痛いの。無くなった足の先から血がどくどく流れて、足が痺れてとっても痛いの」
しくしくお母様が泣く。
お父様が優しくてお母様の頭を撫でて言った。
「もう大丈夫だ、僕がそばに居るからね。それにミリちゃんにお薬で治してもらったんだろ、もう怖い事なんて無いからね」
一生懸命にお父様はお母様にゆっくりと話し掛けるとお母様の震えも収まって来る。
「クリスぅ〜何処にも行っちゃやーよ」
お母様もお父様に抱きつく。
お父様がお母様を優しく撫でて居るとお母様はすやすや眠り始めた。そして優しく抱きついている手を解いて掛けてある毛布の中に入れた。
立ち上がってあたしを見ているお父様は怒っていた。
「いったいどうしてこうなった。」
「俺のシェリーに手を出した奴は摺り殺してやる。」
お父様は見たことが無い顔をしていた。
仮眠室を出て、ソファであたしがアントウーヌの森の魔女の所へ出掛けている間にあった、お母様から聞いた話をする。
戻って来たあたしが見た火事の様子とお母様の様子、そして幻の秘薬ポーション『エリクサー』で治癒をした事を話す。
見た目は周りを誤魔化すために大袈裟だがお母様の体は快癒していて、むしろ若返ったくらいになっている事を話すとあからさまにほっとしていた。
お母様が子供のような言動をしているのは幻の秘薬ポーション『エリクサー』の驚異的な力に依るのかも知れないがお父様が戻って来た事で心から安心したからかも知れない。
お母様はマルチ•エンドロール侯爵の直系の孫である。エンドロール侯爵家がまだ健在であった頃お母様はお父様クリストファー•パーミット男爵と出会ったのだ。
お父様はその頃新進気鋭の紋章師だった。エンドロール侯爵の子供達が分家した時、どのような紋章とするかデザインを任されていたのだ。お父様はエライザ王国勃興の頃からの紋章を全て網羅していた。そして近隣の王国の名を冠する国の紋章をも知っていた。
それはお父様のスキルが『緻密』だったからである。お父様は紋章のちょっとした違いとそれの意味合いを知っていた。『緻密』は紋章師として最適なスキルだったのだ。
侯爵家にあって下にも置かれない扱いをされる男爵にまだ成人前のお母様は興味を抱いた。そして話を聞き、その紋章を描く精緻な腕に惚れた。
侯爵家の孫なら子爵位である。男爵では釣りあわないとされたが可愛い孫の為に侯爵家は紋章師としての仕事を与えた。伯爵家の新しい紋章を次々と手掛ける事で実績を認められお父様は子爵位の紋章師となり、お母様と結ばれたのである。
しかし、数年もしない内に侯爵家がお取り潰しとなってしまった。お父様はお母様の側にいるために紋章師の地位を捨ててミズーリ領のミズーリ子爵となったのだ。ミズーリの場所をお父様とお母様に与えたのはエンドロール侯爵最後の願いであったという。お母様はお祖父様であるマルチ様からエンドロール侯爵に伝わる伝承を受け継いでいたかららしい。
お父様はお母様とミズーリ子爵領を経営していく為に最高位の紋章師の仕事を辞めた。傾注したかいあってミズーリ子爵領は豊かになったが寄親であるダンダン伯爵家に睨まれる事になった。
いや、はじめから敵視していたのかも知れない。
お父様がミズーリ子爵家の負債を何とかすべく王都でしたことは本家であるエンドロール伯爵家に行くことであった。そして、その理由を教えてくれた。
お母様の曽祖父であるマルチ•エンドロールが自死した後に侯爵家は王家に依ってバラバラにされた。
長男タルマは侯爵家を継ぐことを許されず伯爵に降爵となり、元侯爵家の領都と幾つかの街を含めた領地を管理した。
次男ベンドは伯爵位の法衣貴族となり王都で官僚を勤めた。
三男シリスは爵位返上をしてハンターになった。
長男タルマの長男ヘルマはエンドロール伯爵家の寄り子として子爵領を治めている。
長男タルマの長女シェリーヌ、つまりお母様はミズーリ領を治める子爵となったが、王家はエンドロール伯爵家が力を持つことを恐れたのかダンダン伯爵家に組み入れられた。
長男タルマの次女メローネは他家に嫁に行った。
エライザ王国にはかつて侯爵家が4つあった。
エンドロール侯爵家。
パンドーラ侯爵
ロンドベール侯爵
ジュゼッペ侯爵
そして王家の分家とも言えるアンドネス公爵
エンドロール侯爵家は王都を囲むような広大な領地を持ち、家柄も古く、宰相を勤める程の一番の力を持っていた。
パンドーラ侯爵家は山を越えた東側に領地を持ち他国との交易を支えている為に外相を勤めていた。
ロンドベール侯爵家は王都の北西に領地を持ち、海に浮かぶ諸島を持っていた。
ジュゼッペ侯爵家の領地が一番小さくて南側の山沿いの領地を治めて主に鉱山などを開発していた。
そのエンドロール侯爵家が謀反の疑いで王家から断罪を受けた時、マルチ•エンドロールは何の釈明もしなかったそうだ。
理由はお父様も聞いて居ないそうだが、人には話せない事だったのかも知れない。
お父様が本家であるエンドロール伯爵家に顔を出すと伯父様は顔を曇らせたそうだ。なぜならエンドロール伯爵家でも紛争問題が持ち上がり、手を焼いていたからだ。
「お前のところもそうか」
そう、言われたそうだ。
エンドロール伯爵家の寄り子のマイタン子爵家が水源問題でもっと利水をさせてくれと言ってきたのだそうだ。ダンダン伯爵家を流れる川がミズーリ子爵家を抜けてエンドロール伯爵を流れ、北の大海に出るのだ。川の名前はセドンと呼ばれ、エンドロール領では緩やかに流れ、他の山から流れる川が合流している。
マイタン子爵領はセドン川から離れているために運河を轢いて利水しているが今年は水量が少ないので融通を求めているという。お父様はその話を聞いてダンダン伯爵領から流れる水量が減っていることにやっと気づいた。ミズーリ子爵領は上流に当たるため影響は少なかったがエンドロール伯爵領では大きな問題となっていたのだ。
水源の水量が減れば川下で取水が滞るのは当然で在り、直接の利水が出来ない領地で困るのは必然だった。他の山から流れる川が通る領地では大きな問題とはならないがマイタン子爵領は稲作という水を多く使う穀物を育てていたために尚更であった。仕方無しにエンドロール伯爵領の利水を制限して回して居るがかなり厳しいらしい。
ダンダン伯爵領では鉱山が主であり、取水量を増やす理由など無い筈であり、あからさまな嫌がらせとしか言いようが無い。しかし、エンドロール伯爵家とダンダン伯爵家で家格が同じ為お願いしか出来ない。となると寄親を頼りたいところだがエンドロール伯爵家に寄親は無い。
ダンダン伯爵家にはジュゼッペ侯爵家が控えている。とても諌めて貰うのは難しい。たとえ受けて貰えたにしてもどれだけの報酬を要求されるか分らない。
ジュゼッペ侯爵家は昔から何かに付けエンドロール侯爵家を目の敵にしてきたのだ。マルチ•エンドロール侯爵の謀反の話も巷の噂話ではジュゼッペ侯爵家が裏で糸を引いていたのではとされていた。
つまりエンドロール伯爵家もミズーリ子爵家と同じようにダンダン伯爵家に追い詰められていたのだ。タルマ•エンドロール伯爵にはひとつだけ手があった。
マイタン子爵領はオーロソン王国と接している領地の為、そちらから融通して貰う事であった。川幅も小さく、水量もさほどでは無いがある程度上流からの取水を許可して貰えれば運河を引けるのだ。
だが、そのオーロソン王国こそ、マルチエンドロールが内通していたと疑われた国であった。そのために今はエライザ王国とギクシャクしているから王家に利水を依頼して貰う事など出来ない状況である。
手詰まりである。内密に他国と交渉などしたらそれこそ如何なる理由があろうとお取り潰しを免れないだろう。
お父様が最初にエンドロール伯爵家に行ったのはダンダン伯爵家の手が身内に及んでいるのでは無いかと恐れたからだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます