第30話
オークションに出すためのポーションと報酬の『エリクサー』を狩人ギルドのアルメラさんに渡して、あたしは森へ行った。
マタギさんの狩り小屋だ。思った通り誰も居なかった。でもキラービーの巣とメモはなかったので持って帰ってくれたらしい。
仕方ないのであたしは以前、グレイウルフに襲われ掛かった場所に行った。もちろん、グレイウルフは居ないが森ねずみが居たので狩る。
更に探して森の中に入って行くと今度は豚オークの集団が居た。どうやらグレイウルフを狩って居るようだった。ん?逆なのか?豚オーク3匹が立ってブモブモ言いながら戦って居て、2匹が血を流して倒れて居る。
グレイウルフは1匹だけ倒れていた。豚オークを襲って居るグレイウルフは4匹だがその内2匹は体が大きい個体だった。きっとどちらかがリーダーで豚オークに勝てると算段しているのだと思う。
影の世界に入ると近くに影従魔ルキウスが居た。陰ながらあたしを護ってくれているのだ。戦って居る豚オークとグレイウルフ全部の影から引き込む。異変を感知したのか体の大きな個体1匹ともう1匹が跳んで逃げる。豚オークは全て為す術もなく影の世界に取り込んだ。
体の影からも影の世界へ引き込める筈だが今は能力が足りないのか、地面に落ちた影からしか引き込めない。自重で落ちてるって感じ?
突然仲間と豚オークが消えた事に戸惑いは隠せないようだが判断は早く、あっと言う間に2匹はその場から消えた。
豚オーク5匹とグレイウルフ3匹を獲た。影従魔ルキウスにすればまだまだと言った感情が伝わってくる。
あたしは現実世界に戻り、再び森の深くに進んだ。
滝の音がする。そちらにゆっくりと近付いて行くと木の根元にくくり罠があるのを見つけた。これってマタギさんの罠かも知れない。罠を壊さないように避けて進み滝が見える位置から滝の様子を伺う。滝壺あたりに何かが動いているのが見えた。大きさと毛色からすると熊だろうか?
するとその熊らしき動物がこちらを振り向いた!顔がある!マタギさんだった!
あたしはゆっくりと森を出て川辺りを歩き、マタギさんに手を振った。マタギさんは何だかバツの悪そうな表情をしていたが滝壺から出で河原に上って来た。見ると河原に何匹か川魚らしいものが転がっていた。どうやら滝壺で川魚を採っていたらしい。
「マタギさん!すみません!お邪魔でしたか?」
あたしの声にマタギさんは首を横に振る。
「いや、大丈夫だ。」
川魚が転がっている近くには石で作ったらしい竈が設えてあった。焚き木と思われる木も転がっている。マタギさんはトランクス1枚で魚取りしていたらしく、直ぐに脱ぎ捨てていた服を濡れているのに着てしまった。恥ずかしかったのだろうかと思っていると火打ち石で火を付けようとしているのであたしが魔法を使って付けてあげる。
直ぐに火は付きパチパチと音を立てながら燃え上がった。近場の流木を追加して加勢を強めて焰を高くする。こうすればマタギさんの濡れた服も直ぐに乾くだろう。最も陽射しが中天に登っているので乾きも早そうだ。
自分の服を乾かせながらマタギさんは採った川魚を木の櫛に刺して竈に立てかける。火勢が強くて焦げそうだぞ!あたしは慌てて太い木の枝を抜いて火力を調整した。それを見ていたマタギさんが櫛に刺さった川魚に服の内側から取りだした袋の中から白い粉を掛けた。
塩だと思う。火の中に塩が落ちてパチパチ音をまた立てた。あたしが熱くて少し飛び退るとマタギさんが笑った気がした。
美味しそうな匂いが立ち込めて来ると焼けた魚をマタギさんが1本渡してくれた。
「ほれ」
言葉は少ないがマタギさんの好意だ。
「ありがとうございます」
あたしは礼を言って仮面を頭の後ろに回し、魚に齧りつく。少し熱いがほくほくして美味しい。
「とっても、美味しいです!」
「そうか」
マタギさんは焼けた自分の分の魚を食べる。一口が大きい。あたしの何倍もあるみたいだ。あたしは骨まで食べられないけどマタギさんは構わずバリバリ食べて行くので頭と中骨と尻尾くらいしか残らないのに、あたしのは内臓は落とすし、鰭や骨が沢山残ってしまったがお腹いっぱいになる。
何も言わずにマタギさんが取り上げて、見てる間に残り滓を食べきってしまった。
あたしが声をあげるまでもなかった。
残りの魚をマタギさんが川辺に生えていた草のようなものに鰓から刺して纏めていく。竈の火を消そうと焼け残りの棒で掻き回してるのであたしが魔法で水をちょろちょろっと出して消すのを手伝う。
「ありがとう」
礼を言うのはこちらだ。お昼をご馳走になってしまった。ぼんやりと川面を見ているとマタギさんが話しだした。
「ここは死んだ女房を最後に連れてきた場所なんだ。娘もまだ小さかった。」
滝壺で魚がぽちゃんと跳ねる。
「俺が狩りの為に家を開けている時に野党が押し入ったんだ。俺が帰った時、女房は犯されて殺され、娘も虫の息だった。」
陽射しは熱くていい天気だったがマタギさんの話は重くて暗い話だった。どこかで鳥の鳴き声がしてる。
「あちこち駆けずり回って何とか娘の命は助かったけど足の不自由なのは治らなかった。」
マタギさんは川辺から流れに近づき川面を見つめる。
「女房は大人しくて優しい女性だった。俺以上に言葉少なくて、放って置けないようなどこか不思議な雰囲気があった。丁度ミリオネアみたいに。」
再びマタギさんは無言になった。再び滝壺で魚がぽちゃりと跳ねる。
「この川沿いに北に行くと崖が無くなって谷がある。その先には猪オークの集落があって豚オークやコボルトを使役してる。危険だから川から向こう側には行かないようにした方が良い。」
マタギさんが注意してくれた。
「キラービーの蜂蜜ありがとう。娘が喜んでた。今度、娘とも会ってくれ。」
やっぱりマタギさんは優しいな。ほっこりしたけどお願いを忘れないようにしないと。
「マタギさんにお願いがあります。狩人ギルドに行くとダンダン伯爵家騎士団長マクシミリアンに捕まるかも知れないので出来るだけ行かないで下さい。多分、捕まれば根掘り葉掘りあたしのことを聞かれると思います。その時は聞かれた事を話して下さい。」
マクシミリアンの名前を言った途端にマタギさんの毛がボワッと音を立てて逆立った。圧が掛かり空気が流れると川面を沢山の魚が跳ねながら逃げていく。
「マクシミリアン!何故あいつがミリオネアの事を聞きたがる?」
「・・・それは分かりません。ギルド長のアルメラさんも追い掛けられたそうです。」
マタギさんとマクシミリアンとの間に何かあったのだろうか、かなりの嫌悪感と怒気をマタギさんは発していた。あたしの声を聞いて怒気が収まる。
怒りを撒き散らして恥ずかしくなったのか黙って魚を担いで狩り小屋の方向に戻って行った。あたしはそれを見送ると川沿いに進んだ。マタギさんの言った事を確認しに行くのだ。
川を渡る場所を探して見たが浅瀬が無かった。無理して渡ろうとしても深い場所と流れの激しい場所が重なっていて無理そうだった。猪オーク達はどうやって渡るのだろう。これだけ激しい流れだと魔法でどうにか出来なそうだし、魔物達に魔法は使えない。魔物達は獣人達と同じく特殊肉体特化なところがある。
川向うに水の流れて来る沢と谷を見ながら考えて居ると後ろの森から何かがやって来る音がした。スキル『影』で自分の影に潜り、影の世界に行くと丁度森から音を立てた原因が姿を見せた。
猪オークと配下の豚オーク2匹だった。豚オーク2匹は太くて長い棒に猪をぶら下げていた。猪オークは人族のように革の鎧を身に着け、腰には両手剣を下げていた。猪オークが川岸にあった大きめの岩の陰の窪みに指を押し当てると激しい流れの川底から飛び石がせり出して来た。
こんな仕掛けがあるなんて。あたしは仕掛けを稼働させた岩の近くに行くと指を押し当てた場所には楔のような印がされていた。文字には見えない。川向うを見れば同じ様な岩があるから反対側でも同様な仕掛けを稼働させられるのだろう。
あたしは川を渡ろうとしている猪オーク達を影の世界に引き込んだ。豚オーク達は何も出来ずに影の世界に落ちたが、猪オークは咄嗟に逃げようとしたのだろう、半身を川の中に付けていた。腰から下を影の世界に落としながら猪オークは腕の力だけで這い上がろうとしていた。あたしは影の世界から猪オークの足を掴んで引っ張る。だが、猪オークは落ちまいと頭を川の中に突っ込みながら抵抗した。
川の中に落ちる影の中に猪オークを落とせたら楽だったが川の水のせいでスキル『影』の力が働かなかった。どうやらスキルは水の影響で働き難くなるようだ。暫く頑張っていた猪オークだが頭が水の中にあったせいで息が出来ず、力を失って影の世界に落ちてきた。
あたしは現実世界に戻り飛び石の仕掛けを確認した。これならあたしも川向うに行けそうだが、猪オークを手に入れたので少し時間は早いが館に戻る事にした。無理をすれば偵察くらい出来るが仕掛けは時間が来ると元に戻るようで逃げて来たら仕掛けを稼働させないと行けないので危険だ。そう考えた。
ハンターギルドの横の倉庫にやって来た。中にマクシミリアンが居ないと確認して入るとリネットさんが手持ち無沙汰にしていた。
「こんにちは、リネットさん」
あたしが声を掛けるとはっとしてこちらを振り返った。ガルドさんは居なかった。
「あら、ミリオネアさんじゃない。持ち込み?」
「あの、ガルドさんは?」
「彼は辞めたわ。片腕じゃギルドの仕事は出来ないから。あぁ、代わりの人はまだ見つかって無いのよ。」
「じゃあ、解体はお願い出来ないですね。」
リネットさんはあたしを責める事なく淡々と言う。ガルドさんとどれ位の付き合いなのか分からないが余りに冷淡に見えた。
「ええ、当分の間は買い取り出来ないわ。どうしても必要ならギルマスに言って頂戴」
「・・・じゃあそうします。」
あたしは行きたくは無かったがハンターギルドに行こうとドアに向かうとドアが開いた。
入ってきたのは今話していたギルマスことハンターギルド長ブルマントさんだった。裸にベストでいつも通り、いやベストの色が違う。
「おっ、ミリオネアじゃねえか。買い取りか?」
ブルマントさんはあたしに気付いて声を掛けた。
「その積りで来ましけど」
あたしの視線が倉庫の奥に向いたので言いたいことが分かったらしい。
「悪かったな。ガルドは辞めたんだ。」
「あの・・・あたしのせいですよね」
「いや、ガルドの怪我はギアンの逆恨みだ。たまたまミリオネアが来た時期と重なっただけだ。」
その時リネットさんが叫ぶように言う。
「ガルドはハンターギルドの職員としての義務を全うしたの!ギアンには何も言ってないわ!」
その言葉でギアンというハンター崩れがただの逆恨みじゃない事が分かる。仮面をしているがあたしの顔が曇った。
「リネットの言う通りだ。職員には守秘義務がある。ガルドには退職金も出るし、障害の見舞金も出した。街の道具屋を手伝うそうだからミリオネアも偶には顔を出してやってくれ。結構ミリオネアが気に入っていたらしいぞ」
ブルマントの言葉に更にあたしは身に詰まされた。あたしを護ってガルドさんは仕事に戻れない程の怪我をしたんだ。
「さて、買い取りだったな。俺が解体をやろう。ミリオネア魔物は何処だ?その腰の魔法袋の中か?」
あたしの気持ちを慮ったのかブルマントさんは話を変えて来た。あたしも気持ちを変えて言う。
「ええっと、何処に出せば良いですか?」
あたしはハンター証を出して少し怖い顔をしているリネットさんに渡す。ブルマントさんが言う棚の上に魔物をドサドサ出す。
「え?」
ブルマントさんの間の抜けた声であたしはまたやってしまった事に気付いた。折角、ブルマントさんが魔法袋の事を言ったのにいつも通り影から出してしまったのだ。
「ミリオネアお前・・・な、いや。聞くまい、そういう約束だ。」
棚に出したのは森ねずみ1匹、豚オーク7匹、グレイウルフ3匹、猪オーク1匹だ。
「グレイウルフに猪オーク・・・凄いわね。グレイウルフと猪オークはランクCだから2万エソよ。全部で139000エソになるからギルド取り分と税をランクDのミリオネアは2割7分を引いて・・・あぁ出たわ。101470エソねいつも通り金貨10枚は預かりにして、残りの1470エソ分の硬貨は孤児院に渡して置くわ。」
出された魔物を解体しようとブルマントさんが壁の道具を取りながら言った。
「凄いもんだな。奥様が内密にする訳が分かったぜ。ミリオネア、グレイウルフとか猪オークをもっと狩ってくれば直ぐにもお前さん、ランクCだ。」
ブルマントさんがリネットさんに言う。
「リネット、ギルドに行って解体の応援を寄越してくれ。暇なハンターに頼んでも良いぞ!」
「わ、分かりました、ギルマス。」
ブルマントさんもリネットさんも仕事に向かい、あたしもギルド倉庫から出ていった。街の道具屋さんに行ってガルドさんに会おうかとも思ったが何を話せば良いのかと尻込みしてしまう。あたしの事を話さないでありがとうというのも違うし、他に何を話せば。
結局あたしは影の世界から館の執務室に戻り、クリーンの魔法で埃を払い、着替える。それから車椅子を持って行こうとしたら仮眠室で眠っていたお母様が目を覚ました。
「お母様、大丈夫ですか?」
「少し寝すぎて疲れたわ。むしろ仕事したい。」
お母様は大分元気になったようだ。良かった。
あたしは車椅子を持って影の世界に行き、少し館から離れた場所に出た。陽は大分傾いて来た。あたしが車椅子を引きながら近付いた時に凄い勢いで馬車が近付いて来た。
ガラガラ ヒヒィーン!
馬の嘶きと共に御者が馬車を止める。見たことのある馬車だ。嫌な予感しかしない。思った通り、御者が馬車の扉を開けるとエリザが飛び出して来て、睥睨した。あたしに何か言おうとして館の惨状に気付く。
「な、何なのこれは!」
あたしは後ろを振り返り、エリザを見た。
「答えなさい、そこのミリ!!」
いやぁ、ミリだけどさ。一応子爵令嬢なんだよ。言い方あるでしょうに。
「これはこれは、エリザ・ダンダン伯爵令嬢様」
あたしは片手でカーテシーをする。片手は車椅子を持ってる。
「見ての通りの惨状にございます。一昨日に火事があり、焼け落ちました。」
「そうでしたの、ご愁傷さま!じゃ、学園に行くわよ、ミリ乗りなさい!」
普通こんなだったら事情を聞くでしょうに。どこまで自分中心なのかしら。
「申し訳ありませんがわたしは行けませんのでどうぞご寛容下さい。」
「良いから行くわよ!」
何処までも自分の事だけならこっちにも考えがある。
「火事のせいで学園で使う物全て焼けてしまいましたの。しかもお母様は火事のせいで御身体が不自由になってしまっているので、わたしが面倒を診ないといけない状態です。お母様の体は不自由になってしまったのでこの魔導具も必要なのです。」
あ、あれ?何故かポロポロ涙が出て来た。
「お誘いは嬉しく思いますが、申し訳ありませんが平にご容赦願います。」
頭を下げるとエリザも何も言えなくなったのか、あたしが泣いているのを見て気が済んだのか鼻を鳴らして振り返った。
「なら、仕方ないわね!」
すると馬車の陰から騎馬に乗ったくすんだ銀色の鎧を身に纏った騎士が出て来た。そして表面を上げて顔を見せる。
ダンダン伯爵家騎士団長マクシミリアンだ。何故彼が此処にいるのか?
「それはそれは、心苦しかろう。お見舞い申し上げる。」
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
白々しいことを言い始めたマクシミリアンにあたしは頭を上げて名前を聞く。あたしとマクシミリアンは初対面だ。あたしは持ってる車椅子を手が白くなるほど握りしめた。感情を表しては悟られる。絶対にミリオネアと知られてはいけない。
「ふん、わたしはダンダン伯爵家が騎士団長マクシミリアン•ズコーである。」
馬上のまま名乗るというとても無礼な事を平気でしてのけるマクシミリアン。
「ズコー様ですか?わたしは御存知申し上げませんが、その騎士団長様が何を仰るのです?何故に馬上から口を聞けるのです?」
あたしは子爵家令嬢で貴族だ。騎士団長よりも身分は上になる。たかが騎士、貴族よりも下なのが当たり前だ。
「ぐっ、・・・今はダンダン伯爵家令嬢エリザ様の護衛中ゆえ・・・お、お許し願いたい。」
本当はスキル『影』を使って影の世界に全員を飲み込み、全てを亡き者にしたい。怒りで目の前が真っ暗になる程だが今は我慢して、礼節を問うくらいに抑えるしかない。ここで騎士団長マクシミリアンに報復しても騎士団長の頭が変わるだけで何も成らないのだ。
「では、エリザ様の護衛を完遂成されますよう」
エリザはとっくに馬車の中だ。マクシミリアンが余計な事を言っただけで、直ぐに馬車が出で王都に向かった。
あの時マクシミリアンがお母様のお見舞いをしたいとか言い出されたら本当に殺してやろうかと思ってしまった。影の世界から影従魔ルキウスが自分が行って来ようかと打診されるが止める。
馬車の影が見えなくなるまで見張る。戻って帰って来やしないか、ハラハラして見ているが米粒になって消えるのを確認して、館に入った。すると、影従魔ルキウスがマクシミリアンの騎馬だけが戻って来るという。
あたしは2階に上がる踊り場で窓の外を食い入るように見つめた。もし、この館に来るようならそのまま影の世界に招待してやろう。西陽になりかかった朱い空の下マクシミリアンの騎馬は館より外れてダンダン伯爵領に走っていった。
ほっとしたような残念なような、自分でも良く分らない。
執務室に入ると執事長が片付いた書類を手に出ようとしていた。まさかお母様と話をした?
「どうされました?」
固まったあたしに執事長は声を掛ける、おかしな様子が無いので努めて冷静に聞く。
「その書類は?」
「はい、入室の許可を頂けたので取りに参りました。」
「そうですか、お母様は?」
「はい、奥様は仮眠室でお休みでございます。」
では、失礼しますと、執事長は執務室を出ていった。あたしは車椅子を持って仮眠室に行くとお母様がベッドサイドで、座っていた。
「へへへ、ごめんねミリちゃん。あんまり暇なんで少し仕事しちゃった。執事長にドアをノックされて、思わず入室を許可しちゃったけどバレなかったよ」
お母様が元気そうなのを見てホッとする。こんなふうに執事長に入られるなら話を打ち明けた方が良いかも知れない。多分、お父様が帰ってきたらきっと話に加わると思うのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます