第0.2話 蒼人の学校生活
六歳になり、僕は学校に入った。
僕が入った学校は、[道立堂道第二小中一貫校]だ。
小学校と中学校が一貫しており、一つの大きな施設で九年間、この広い世界で生活してゆくための知識を学んでゆく。
まずは小学の六年間だが、正直この頃の六年間の出来事はほとんど覚えていない。
生活に必要な知識は覚えている、でも僕は自分に必要な事以外はほとんど覚えられない、教わっても時間がたてば忘れてしまう。
学生は小学で、この世界で生活するために必要な基礎知識を六年かけて隅々まで学ぶ。
しかし、僕はこの学校に通う多くの学生達とは違っていた。
僕は必要な知識も覚えられない[馬鹿]だったのか?
小学で学生が六年間かけて学ぶあらゆる知識を、僕だけはたった二年で知り尽くしてしまったのだ。
三年生の時点で全ての科目で満点を取り、六年生の課題も合格点を越えた。
周りの人達は僕の知識力に「すごい力だ」「天才だ」と評し、皆が僕一人の存在に一目置いた。
そして僕自身も自分の持つ知識力に愕然としていた。
最初は、この力は自分の努力によって贈られた物だ、自分の力だと自信をつけていた。
しかし時が流れるにつれて、過剰なほどに洗練された自分の力に、だんだんと恐怖を感じてきた。
この力は、普通じゃない。
僕の体には何か強大な、恐ろしい力が眠っているのでは無いか。
いつか、自分でも抑えられない恐ろしい力が、世界に溢れ出してしまうのではないか。
それはきっと、良くない事だ。
そう思った僕は家に帰り父さんに自分の力を打ち明け、自分の力の秘密を問いただした。
最初に父さんに自分の力を打ち明けた時、父さんは深くため息をついて、「‥‥やはりか」と呟いた。
そして父さんは、僕の力の秘密を明かした。
「今のお前には理解出来ないだろう」と釘を打ってから父さんが僕に明かしたのは、僕の体に流れる[想為一族の血]の秘密だった。
その全容はあまりにも壮大で、一人の平凡な人間が持つにはあまりにも大きい力を持った秘密の血を宿していたのだ。
母さんもこの秘密の血の力を宿し、力の使い方に悩み苦しんでいたそうだ。
僕は想為一族の血の秘密を聞かされ、父さんが言ったとおり理解、というか納得出来なかった。
「なにそれ‥‥何で僕に流れる血が、母さんから受け継がれたこの血がそんな力を宿しているの?
何で僕や母さんがそんなわけのわからない力を持たされなきゃいけないの!?」
「‥‥‥‥‥」
父さんはうつ向いて、何も答えなかった。
僕は父さんからそれ以上情報を聞き出す事が出来ず、僕はこの血が宿す力を有無を言わさず持たされる理不尽さを、長い時間をかけて受け止めるしかなかった。
この血に宿る秘密は今は話せないが、想為一族の力の正体を知った僕は今後一生この血に宿る力に縛られ続ける事になる。
そんな事があって、小学の学生が六年かけて覚える知識をたったの二年で覚えた僕は、残りの四年間はただ与えられた課題を解いてゆくだけの日々を過ごしていた。
ただただ退屈だった。
目の前に置かれた覚えきった課題を教わったとおりに解いてゆくだけの日々。
たまに行われた恒例行事もほとんどがテンプレの物ばかりで、その上小学時代はどの行事も余裕で一位を取る事が出来、張り合いのある学生は僕の周りにはいなかった。
この頃から噂に聞いていた[異世界]と呼ばれる所にも行けず、本当に退屈な小学の四年間だった。
この頃に僕の周りで起こった出来事も覚えておく必要がある事はなく、僕はほとんど覚えていない。
‥‥ただ一つだけ、頃から明確に覚えている出来事がある。
それは、僕の仲間の内の二人、幼馴染との出会いだった。
▽▽▽
僕が二人と出会ったのは小学五年生の頃。
その日僕は一日の授業を終えて、帰りのHRを済ませていた。
「気をつけ、礼、さようなら」
「ふう、今日も一日終わったか‥‥」
終わりのあいさつを済ませ、学生達が帰路についてゆく。
そんな中僕は椅子に座り、考え事をしていた。
「はあ‥‥」
(この数年の間、特に面白いことがなかった…目の前に置かれる似たような課題を解いてくだだけの毎日だ‥‥)
僕は長い時間覚えきった課題をこなすだけの毎日が退屈でうんざりしていた。
(学校は知識を学ぶ場所であって楽しい事をする場所じゃないのはわかってるけど、こうも楽しい出来事がないと課題にも力が入らない‥‥)
僕は机にふせてぼーっと自分の現状を嘆いていた。
(はあ、何か僕の毎日を彩ってくれる出来事が起こらないかなあ‥‥)
「想為、ぼーっとしてないで早く家にかえりな。君はこの学年で一番優秀な子なんだから。」
「あ、はい、すいません。」
(考えててもしょうがない、家に帰って[あれ]の修行でもするか‥‥)
先生に注意され、僕は家に帰るために席を立った。
その時、タイミングを見計らったように、一人の学生が教室に入ってきた。
僕が鞄に荷物をつめて鞄を背負った時、一人の学生が僕の前に立った。
「!? え‥‥君は‥‥」
「よお、お前が噂の
「えっ‥‥はい、そうですけど‥‥」
「やっぱりな、お前の活躍はこの目で見てる。どんな課題も余裕でこなす数年に一度の天才だって、ちまたでお前の噂が知れわたってるぜ」
僕がたった二年でこの世界の知識を身につけた事は、この学校のみならず町の周りに知れわたっている。
てっきり周りからは妬まれて、距離を置かれてると思ってたけど、僕はそれなりに人気が出ているらしい。
それよりも、僕に話しかけてきた学生の顔に、僕は見覚えがあった。
「君はたしか、体育で成績一位の‥‥」
「
座学はそれほどだが体を動かす教科ではかなり高い評価をもらってるぜ」
この学生、颯杜君は体育の科目で高評価を出し続けてる優秀な学生の一人。
僕は常に成績がトップだから他の学生の事はあまり気にしてなかったけど、颯杜君はこの学校でそこそこ人気者らしい。
「へえ‥‥それで、闘嵐君が僕に何の用かな‥‥?」
「なあに、難しい話しじゃないさ。
お前、俺の友達になってくれねえか?」
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