第2話

駅はいつも通りの喧騒。

僕がいないかのように

みんなスマホを見ている。

僕もみんながいないかのように

同じくスマホを見ている。

それはいつもの朝の風景

昨日と違いを見つけるのが

神様にも難しいほどに。

いつもの電車がホームへと

今日も飛び込む人はいない。

みんな我慢しているんだろうか?

毎日、毎日、こんな僕みたいに。

君も飛び込むのを堪えながら

ホームに立っているのだろうか?

「そうだといいな。」

不意に僕の口はそう動いた。

電車は僕をホームに残し走り去っていった。

僕の頭は高速で回り三番線から

五番線のホームへ体を走らせた。

この衝動はなんだろう?

わかりきった疑問に君の顔が浮かぶ。

五番線のホームで軽く息を整え

電車の到着を待ちながら

僕はこんな行動に出た

自分の事を少し誇らしく思えていた。

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