衝動の名前

エタノールと濁ったミルク

第1話

軽い頭痛と喉の乾きと

僅かな気配に目を開けてみた。

隣にあったはずの身体が

「おはよう。」

そう言って笑った。

僕はそれを認識して

「うん、おはよ。」

そう返して手を伸ばす。

当たり前にから回る手に

また朝を迎えたと

ベッドから起き上がる。

君がいたのは三ヶ月前か?

一年前か?つい一昨日の事か?

本当はわかってるくせに

わざと感傷に浸るように呟く。

僕らは完璧だったと今も思う。

だから一緒にいられなくなった。

求め合い過ぎた。必要過ぎた。

出会ってからすぐに完結してしまった。

それを素直に喜べたなら

僕らは破滅に身を委ねながら

今も笑っていられただろう。

ケトルがやかましく鳴いている。

僕はコーヒーだけを飲み干して

空腹のまま、部屋を出る。

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