第29話 バーシュ帰郷

  転生物あるある言いたいシリーズ その5


 ラノベのキャラについて言いたい事がある〜〜。


 おネエキャラが出やすい! 筋肉ムキムキマッチョな。これは長期連載ラノベに出やすい傾向があると思う。キャラが立っているから作者も書き分けしやすいんですよね。分かります。


 あとキャラが立っているといえば、ロリのじゃとか、語尾になになにっすとか、「んっ」とかの片言キャラ。やっぱりビジュアルで勝負できないラノベでは、ある一定の方向性が確立されたキャラは出やすいんだと思います。わかります。


 これは余談なんですけど、僕が小学生の時に同級生でおネエがいました。テレビでよく見るあんなしゃべり方のおネエが…。もちろんクラスでハブられるでもなく、普通に男子に溶け込んでいましたよ。


 だけど…このご時世こんな事を書くと怒られるかもしれませんけど…だけど僕は言いたい!




 めっちゃ顔が…ゴリラ顔だったんです〜〜〜〜ゴリゴリの。だから当時はおネエ言葉にものすんごい違和感を感じていたのは…僕だけなのかな? 


 いや仲は良かった方だったんだけど…ゴリラ顔だったんです〜〜〜〜ゴリゴリの。


 ただゴリゴリ言いたいだけやん。


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 1ヶ月後、僕はひととおり基礎を教えてもらって出来るようになったのでバーシュさんは帰っていった。


 僕に対して何の感慨もなく、あっさり帰っていった…。


 何かあれ〜〜〜(三四郎 小宮風)


 バーシュさんキャラ立ってたから、てっきりこれから僕に深く関わってくるかと思いきや…僕の体の上を通り過ぎていくだけだった…好き勝手教えるだけ教えて~~(語弊)。


 一応バーシュさんの前では“命素”を使わないようにはしていた。別に見つかってもいいけど自称天才のバーシュさんの長い鼻をポッキリ折ってしまい、再起不能にしてしまうかもしれないので。


 一緒にイノシシを狩りに出かけたり、魔物退治に出かけたりした時もバーシュさんに教わった程度の体術や剣技などでしか力量を見せてはいない。


 来た時よりも多少は仲良くなれたとは思うけれど。


 そんな僕に対して何の感慨もなく、あっさり帰っていったバーシュさん…事務的! 流れ作業か!


 だけど、ありがとうバーシュさん。あなたの事は忘れない。これからはあなたの果たせなかった思いを僕が受け継いで歩んでいきます。また墓前に報告に来ますね、バーシュさん。





 …死んでないけどね。


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 「1ヶ月半近くセイの面倒を見てくれてありがとう。」

 「いえ、他ならぬアスナルさんの頼みですから。」


 ガイゼル様の領地に帰る前にバーシュが僕のところへ挨拶に寄ってくれた。あのオーガ事件の後、セイの事はガイゼル様には報告をせずにじっくり考える事にしたのだ。


 しかし、例えありのままを報告したとしても、信じてもらえるかどうか疑わしかったという事もあるのだが…とにかく自分もセイの事をゆっくりと考える時間が欲しかったのだ。


 セイのあの力は我々とは違う次元の力のような気がする。我々とは違うことわりによるものだ。まるで違う世界の…いや確証はないのだが。


 まぁ彼が神だからと短絡的に決めつけてしまえば楽なのだけれども。


 「彼は…セイはどうだった? 1ヶ月半教えてみて。」

 「はぁ、まぁ取り立てて特筆するところは…8歳にしてはいい筋してるかなぐらいですね。逆にアスナルさんがなんでセイの事を気にかけてやってるのかが不思議なくらいですけどね。」


 ふむ、バーシュと一緒の間はどうやら大人しくしていたようだな。まぁ確かに彼は必要に迫られて力を見せるような事がなければ、どこにでもいる子供と変わらないのだからな。


 「いや何、1年前のオーガとの戦いで彼を危険な目に合わせてしまった事へのお礼というか、この先どんな事があっても対処できる必要最低限の事を教えてあげたかったというだけさ。君には無理言ってすまなかったな、感謝している。」

 「まぁ1ヶ月半という短い間でしたけど基本的な武器の使い方、戦い方なんかは指南しておきましたから。もう少し大きくなったら、また俺が本格的に鍛えてやっても良いですけどね。まぁ…性格は少しというか大分ひねくれている所もありましたけど。」


 そう言ってセイとの出会いから、からかわれた事や、バター作りを延々とやらされた事など滞在中のおもしろ話などを聞かせてもらってバーシュは領地へと帰って行った。



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 とある山の頂上付近。最近降り続いた雨によって土が洗い流されて岩がむき出しになっている。


 ピシャアアアアアアアン!!!


 放電する際に発生する雷鳴が聞こえるも電光は発生せず。花崗岩かこうがんの岩が多い中、1つだけどす黒い岩が赤褐色の明滅を放っていた。



 ピシピシシシシガララララ



 岩が割れ音を立てて崩れ落ちると、中から子供のような背の低い人の形をした何かが這い出てきた。それが大きく背伸びをするような姿勢から大声を発した。


 「ぷはーーーっ、やっと出れたのじゃ。外に出たのも久しぶりじゃのー。」


 その何かは、土砂降りの中裸足のままゴツゴツとした石の上をスイスイと頂上に向けて歩いていく。


 「あーお腹が空いたのう。くんくん…ふむ。どうやら我の食糧めしは大量に繁殖しておるようだな。我が空腹に我慢で出来なくなって困る事はないようじゃの。くくく、じゃあさっそく久しぶりに腹を満たすとするかのう。」


 そう言って、その何かは断崖絶壁からひらりと飛び降り暗闇に消えていった。


 


 

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