第6話 僕の必殺技
転生物あるある言いたいシリーズ その1
目立ちたくない、
いや、別に目立ちたくて暴走するなら全然OKなんだけど、散々欲望の趣くままにやっておいて「どうしてこうなった」的な「はぁ〜ひっそり暮らしたいんですけどね〜」的なパターンを読むとイラッとしません?
分かります、分かりますよ。秘めたる力でマッチポンプ的な危機を爽快に乗り切るパターン。もちろん僕も大好物です。例えそれがものすんごいご都合主義的な展開だとしても胸ワクですもん。
でもやっぱり最後のセリフでイラッとするけどね。
そこまでマウントを取るなら、そういう上辺だけの言葉は止めてくださいね。どうせヒエラルキー上部の主人公達は底辺である庶民の事なんて踏み台にしか思ってないですもんね。いや、最終的には貴族や王様を踏み台にするわけだから庶民なんてなおさら、路上のゴミぐらいにしか思ってないか…
などと転生物のお決まりに愚痴ってばかりではない、僕の身の上話も聞いてください。イラッとはさせませんから。
実は5歳頃になんとなく転生した事を思い出した時に僕は悩んだ。
転生といえば幼少期から何度も何度も魔力を枯渇して魔力量を膨大に増やしていくという作業が定番なのに、僕は毎日遊ぶ事で頭がいっぱいだった。遊び終わった後は夕ご飯を食べてすぐに寝る。起きたら朝だったという生活のサイクルで忙しい! 魔力を枯渇している場合ではない! 子供か!
子供だよ!と思わず自分にツッコミを入れてしまったぐらいだ。
いくら前世の記憶があるとはいえ、子供の体に精神が引っ張られているからしょうがない。という事で多少抗えるようになった6歳ぐらいから魔力を感じる訓練を開始した。異世界物定番の体の魔力を感じて魔力を体中に循環させるというトレーニングだ。
「ぐぬぬぬぬぬ〜〜〜〜〜〜」
すぐ出来た。
魔力というのは体の大きさで内包している量が変わるという事で子供の僕には微々たる魔力量しかなかった。ラノベではやればやっただけどんどん無尽蔵に増えて行くようだけど、この世界ではそんな事なかった。それはどんな大人も一緒だと聞いた。
だから、一般人は生活魔法が使える程度の魔法量を得られれば十分なのである程度の年齢になってから少ししか魔法の訓練をしないそうだ。
という事でまだ小さい僕が今頑張ってもそんなに変わらないという事で、魔力を操作できるようになったので訓練を止めた。その代わりに僕はもう一つの訓練を開始する。
それは“命素”の訓練だ。
僕が
なのであの時と同じように目を閉じて神経を集中すると…この世界でも、うっすらと“命素”を感じ取れた。初めはこれが魔法の素の魔力だと思っていたのだが、魔力は体内から搾り出す物らしい。体外に放出こそ出来るが、空気中などには存在していないらしい。
?????
じゃあ僕が感じているこのどこにでも空気のようにある“命素”とはいったい…まだみんなが気付いていないだけの物質なのか、僕だけにしか感知できない物質なのかはわからないが、とにかくその事は横に置いておいて“命素”を操作する訓練をずっと続けてきた。
そして7歳になった現在、僕は“命素”をある程度操作できるようになった。空気中から薄い“命素”を集めて体内で圧縮して濃い“命素”に変換し、それを体に纏ったり、打ち出したりできる。“命素”は透明なので僕以外の誰にも見る事は出来ないようだ。
僕には以前のように真っ黒ではなく、うっすらと影が付いているように見える。意識すれば透明にも出来るので、視界の邪魔にはならない。
魔物の存在するこの世界を無難に生き抜くために“命素”で身を守ったり、攻撃する手段を模索していた僕はすでに厨二病を患っていた。なぜなら“命素”のかっこいい技を編み出したからだ。
それが「
しかし必殺技にふさわしく、実際の手のように器用に動かすためにはものすごい集中しないといけないし、出してるだけで消耗が激しすぎるので今はまだ1日2〜3分が限界だ。
インブジブルハンドはまだ1つしか作れないのだが…ゆくゆくは4本ぐらい同時に動かせたらめちゃカッコイイなと思うので今も鋭意練習中です。
関係ないけど第3の手って何か下ネタぽくて嫌だな。
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