第5話 転生してました。
してましたというのも5歳になったぐらいに「あれ?僕転生してるんじゃね?」って気付いたからなんだけど。別に頭に強い衝撃を受けたり、1週間ぐらい生死の境をさまよったから思い出したとかなんて事はなく、「あれ? 日本人の時の記憶があるな。そういえば僕
ラノベだと生まれた時から自覚があって1歳〜3歳と常識を逸した活躍をするんだけど…赤ちゃんの脳みそとか小さい頃の脳みそじゃあ、そんな転生前の意識や記憶を維持するの無理じゃね?と思う。という事は意識は体に宿るのではなくて、クラウド的な別サーバーに宿っているのか?などと哲学的な事を考える暇もなく今日も元気に生きています。
とりあえず今までの事と現在まで分かっている事を紹介するね。説明回ですね、わかります。
僕には両親がいない。生まれてすぐに森に捨てられていたらしい。それを村の人が拾ってきて育てられたみたい。ちなみに僕の名前はセイだ。誰かが適当につけてくれたみたい。村には僕みたいな親のいない子供はたくさんいる。子供は村全体で面倒を見るといった雰囲気でほのぼのしている…まぁ生きていく環境としては全然ほのぼのはしていないんですけどね。逆にそんな厳しい環境の中でも子供を村の大人で育ててくれるっていうのはすごいと思う。拾われなかったら即死だったから感謝しています。
小さいうちは衣食住は保証されている。毎日が自由だ。遊んだり食べたり寝たり好き勝手していられる。僕も子供同士で毎日朝から晩まで思いっきり遊びまくっっているよ。
そして6歳ぐらいになると仕事を手伝うようになる。畑作業や、ごはんの支度や水汲みなど子供でもやれる範囲で手伝う。僕も6歳になってからは畑仕事を手伝っている。雑草を抜いたり、水をまいたり。子供なのでまだ簡単なお手伝い程度の仕事だ。
あと、朗報があります。この世界には魔法があります! 火、水、土、風、光かな。身近な人ではこれぐらいの魔法しか見た事がないから、他にもあるかもしれないけど現状聞いたりして確認出来たのはこの5つ。
火はマッチの明かりぐらい。水は検診の検尿カップの4分の1ぐらいの水量がちょろちょろでるぐらい。土は小石を生成するぐらいで、風はそよ風、光はぼんやり光るくらい。
今の所僕がみた魔法は攻撃に利用できるほどの危険な代物ではない。村人はみんな生活魔法ぐらいしか使えないみたいだった。
村といっても…どうなんだろう。名前などはなくて人の営みの集合体といった感じかな。王様だとか貴族なんかがいるのかわ全くわからない。行商人もこないからこの世界がどんな文化水準なのかも全くわからない。今の所僕の周りだけの狭い視野しかないから、大きくなったらこの村を出て他の世界を巡ってみたいと思う。
最後に重要な事が1つある。この世界には“リフラン”と呼ばれる魔物がいる。細かい生態は不明で人間を襲ってくる魔物だ。異世界転生ものの定番の魔物とは少し違う。倒しても肉や素材なんかは手に入らない。キューブと呼ばれる四角い透明な物を落として消えるのみだ。ラノベでは電池のような扱いが多いのだがこのキューブは今の所使い道など分かっていない謎物質みたいだ。
このリフランは食べることのできない、素材にもならない、ただの人間殺戮生物なのだが、話を聞くと倒すと強くなれるらしい。レベル制のような無限に強くなれるわけではなく、一階位、二階位と段階を踏んで強くなるようだ。村人はほとんど0階位でたま〜に一階位の人がいるぐらいだ。上限は何位まであるのかわからない。
前に村に侵入してきたリフランは猿の姿をした魔物だった。この世界の動物も地球と似たようなものだ。もちろん地球とは若干姿、形、呼び名が違うのだが僕はめんどくさいので地球と同じ呼び名にしている。
それではなぜその猿がリフランだとわかったかというと、目の色が白だからだ。リフランの一階位は全て目の色が白色らしい。二階位、三階位と強くなるにつれて目の色が違うらしい。
とりあえず今現在の分かっているのは大まかに言ってこれぐらいかな。
先ほど最後にと言ったな。あれは嘘だ! じゃあ、本当の最後に僕のプロフィールを紹介して今日は終わりたいと思います。さっきも言ったけど僕の名前はセイ。この村では苗字のある人はいない。今は7歳で身長は平均的な120cmぐらいかな。体重はちょっと痩せ気味だと思う。まぁ1日2食ちゃんと食べてるとはいえど田舎。栄養状態はそんなに良くないと思う。
外観の特徴は僕を含めて白髪だ。普通なら空気を読んで、異世界物定番の日本人は黒髪で生まれて珍しいというエピソードがあるのだけどそんな事もなく、個性は埋没してます。まわりの子供と比べても特に劣っているところや飛び抜けているところもないと思います。
だけど僕には他の子にはないある秘密があるんだ。
それは…
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