第16話 調子に乗りました

ベンチに戻ると村上コーチがトモキに


「気持ち良かったろ?」


と聞いて来た


「見かけによらずキック力があるな。ストライカーの素質だ。これからはそっちも視野に入れて練習しよう。」


本当にトモキはうれしそうだ


「面白いパスだったぞ空。」


そう言うと


「コーチ。シュート決めたの俺だからね。」


とユウキがむくれている


「分かってるって。ユウキの足有ってこその最高のパスだよ。お前が最高のパスに変えたんだ。2人とも最高だよ。」


ユウキも嬉しそうだ


「みんな次の相手は分かってるな?」


実は3試合目の相手はケースケ達と同じ県選抜で僕と同じスクールに通うリクとハルのチームだった

県大会の常連で僕達のチームは1度も勝った事が無い


でも今日の僕達ならきっと


なんていつも試合に出てない僕が思うのは変かな?

3試合目の前にユウキが


「俺達もやろうぜ。ワンツー。パス&ゴー忘れんなよ。」


そう言って僕の背中を叩いて来たので


「簡単に抜かれるなよ。」


と言って僕もユウキの背中を叩いた


もうすぐ試合が始まるのだがなんだかみんな緊張している様だ

僕は勇気を出して


「また円陣組まない?」


「またかよ。」


そう言いながらもケースケとダイスケは肩を組んでいる

みんな肩を組だしてセイギが思い切り息を吸い込んだ


「ぜってー勝つぞー。」


「オオオー。」


今思えば調子に乗っていたんだと思う


みんなとやるサッカーが楽しすぎて嬉しすぎて


僕は浮かれていたんだ

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