第135話 プール計画
ロルフ殿下から、凄い物貰ってしまった。
板型記録のクリスタルが2個。
エアリアルステッキとケーキと二つ合わせてもお釣りが来るけど、呪いを解除して王族を救ったと考えたら、まあ、良いのかな。
……ハグも許可したものね。
お礼の品を貰って、またお礼の品を返すのもどうかなと思う。
終わらないから。
とりあえず素敵なお品に感謝していますと、お礼のお手紙は出しましょう。
表向きは、毒だの呪いだのの事は伏せて、エアリアルステッキとケーキの返礼に関してでいいかな。
後は夏まで土魔法でプールを完成させる。
畑の一部を縮小して、プールを作る。
もう、城の結界外でも普通に植物も育つし。
あ、まだプールを作るのにお父様の許可を貰って無かったから、貰わないとね。
ギルバート殿下も誕生日プレゼントが水着とサンダルだったら、一緒にプールに入らざるを得ないと思うの。
私だったら誕生日に好きな女の子の水着姿が見れると、それだけでも超嬉しいけれど、王子様はどんな反応をするかな?
さて、王城の結婚式のパーティー、新郎新婦の本人達は夜8時には退出するらしい。
大事な新婚初夜が待っているから。
王都は夜を徹してお祭り状態だとは思うけど。
新郎新婦が退出したら、お父様とお母様も王都に泊まらずに帰って来られるらしい。
起きて待ってよう。
さぞ、華やかだろう結婚式の記録が見たいし。
ライリー城内の夕食も終わり、弟を寝かしつけ、クリスタルの御礼状を書き上げて一息ついた。
* *
夜の9時半くらいに両親が転移陣から帰還した気配を察知!
私は部屋から廊下に飛び出してお迎えにダッシュ!
「お帰りなさい! お父様、お母様! 結婚式はどうでしたか? 記録を見せて下さい!」
「おいおい、ティア。落ち着きなさい、淑女はそんなに走らない」
「ただいま、ティア。ちゃんと記録はして来ましたよ」
「記録と言えば、時間差でロルフ殿下から同じ機能の、形が違う物をいただきました!」
「それは良い物を頂いたな」
「御礼状は書くのですよ」
「もう書いたので、明日の朝には出します」
「そう。なら良いわ。でも、私達はこれから着替えて、入浴もあるの。
記録を見るのは明日にして、もう寝なさい」
「そうだ、子供はもう寝なさい」
ああ〜オタク的にはこれからが本番の時間なのに〜今は子供だった〜。
両親からピシャリと断われて、もう寝るしかなくなった。
「あ、結婚祝いに馬車の座面を出したら、それを知った貴族達から注文が沢山入ったぞ」
「わ──、ドワーフの鍛冶屋さんにお酒を追加しておかなければ」
働くドワーフのガソリン代わりに。
「それと、パーティーでライリーの役所の人間に会ったんだが、一夜にして建った歩道橋も奇跡の橋としてちゃんと使われてるし、更に愛の告白の場所にも使われたらしい」
「愛の告白の場所?」
「一夜にして出来上がってる奇跡にあやかって橋の上で告白した冒険者がいて、恋が実ったとか」
凄い速さで伝説が出来ている!
「あそこ事故が多いから橋を作ったのに、よく告白なんかする気になりましたね」
「何故橋が出来たのか知らない者も多いのだろう」
そっか──、とりあえず最初の告白冒険者さんが振られなくて良かった。
そして両親からおやすみなさいのキスを貰ったので、お返しに私からもキスをして、寝る事にする。
ふふふ。
結婚式の映像はお預けになったけれど、キスで機嫌がなおる私。
リナルドが私の肩の上で小さくあくびをした。
リナルドのふわふわな小さな頭を撫で撫でしつつ、自室に戻って寝た。
* *
翌朝
朝食の時間に結婚式パーティーの記録を食堂の壁に映して貰った。
食べながらのTVみたいで、少しお行儀が悪いけど、この後、両親はパーティーで貰った色々な商品の注文について書類やら手紙やら書くので忙しいらしいから、特別に許された。
「わ──っ!! 本当に華やかで綺麗ですね。シエンナ様も大神殿もパーティー会場も」
私は映し出された映像に見惚れ、思わず感嘆の声が漏れる。
大神殿前、花吹雪の中、純白のドレスを着て歩くシエンナ様と白い正装の公爵令息。素敵。
「まあ、シルヴィアが一番美しいが」
「あなたったら、もう……」
突然惚気出す両親! でも、この2人のラブラブぶりは、慣れたものです。
「確かにお母様が一番美しいですね」
映像越しにも美しく華やかなドレスの貴族女性は多いのだけど、女神風の衣装を来たお母様に見惚れている人が多いものね。
私の言葉に「そうだろう」と、頷くお父様。
「所でティア、最近の商品の売り上げは、菜の花畑用の水車製作と、温泉地復興資金に当てて良いんだな?」
「はい、よろしくお願いします」
スパリゾートは大事だよ。
そこにも露天風呂があるし、人前で全裸になれない人の為にも、水着普及に役立つでしょう。
前世でも海外じゃ水着で露天風呂に入ってる人が多いものね。
「それで、お父様、城の裏側のお庭の畑を縮小しますから、土魔法でプールを作らせて下さい」
「プール?」
「泳げるくらいの深さと大きさがある、大きなお風呂のようなものです。
健康にも体型維持にも役に立ちますし、夏には涼が取れます」
「そうなのか、健康に体型維持か。それは大事だな。視線隠しの壁などもちゃんと作るなら、許可しよう」
わりとあっさり許された!
水着を着るから壁はいらないとは言いにくいな。
まあ、仕方ない、開放感が減るけど壁付近に植物でも飾って見栄え良くしよう。
「はい! ありがとうございます!」
ゲーム作り用にクリスタル改造の為、錬金術師と連絡も取らないとだし、やる事いっぱいだけど、この世界に娯楽を増やすのだ!
頑張るぞ!
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