第12話 両親の留守中

 ペンタス・ライカローズ。この世界にも前世と同じ花が見られた。

 ピンク色の可愛い花。

 可憐な八重咲きの愛らしい星型の小花を多数つけて、

 夏から晩秋まで咲いてくれるっぽい。


 庭園の花を分けて貰い、祭壇に飾った。

 他領のお茶会旅行に行った両親の無事の帰還を祈る。


 二人ともライリーのお城からいないとなるとマジで寂しい。


 でも若くて元気なうちに青春を謳歌して欲しかった。

 綺麗な服を着て、美味しい物を食べ、景色の良い所でデートをさせてあげたかった。


 出来れば紅葉デートを後方から眺めていたかったけど、海デートで

 見物したし、ここは我慢。


 子供いない時の二人っきりの方がイチャイチャしやすいよね。

 その為に変な知識持ってる不審な4歳児だと思われる事を覚悟で金策に励んだ。


「お嬢様、アズマニチリン商会からお手紙です」

「ありがとう」


 アリーシャから手紙を受け取り中を検める。


「やったわ」

「吉報ですか?」

「一部の乾物が手に入りそう」


 お味噌汁の具!


 私は両親がいない間、小豆でホットアイマスクを作って、白髪混じりのグレーの髪の家令の目を労ったりしている。


 お茶の時間にどら焼きっぽいおやつも作って食べた。

 美味しい。

 メイドや騎士達にも振る舞ってみた。美味しいと好評。


「夜はミートパイとポテトサラダと唐揚げとコーンスープよ」


 城の常駐騎士達も使用人達もすっごく喜んだ。

 体が資本の騎士達にはガッツリ肉料理が大人気。

 

 私もお肉系大好き。

 でもバランスが大事なのよね、健康と体型維持には。

 悩ましい。

 未だ太る兆しなど無いけどせっかくの容姿SSRは崩せないと思う。


 自室の天蓋付きベッドの上でこっそりエア自転車こぎをやる。

 エクササイズ! 人に見られたら絶対怒られる。

 かぼちゃパンツ丸出しになってはしたない。

 ジャージか短パンが欲しい。


 いや、そもそもそもかぼちゃパンツは7歳くらいになったら卒業したい。

 サイドが紐のパンツなら作るの難しくない。

 ゴムってどこかに材料有るかなあ。


 お母様にガーター付きのセクシー下着を着せる野望は抱いている。

 いや、世の中の女性達も綺麗な下着を着たいはず。

 やりたい事が多すぎる。

 

 冬は暖炉の前でぬくぬくして、お父様に本を読んで貰って寝落ちするという野望もある。

 

 マットも欲しい。

 野望は尽きない。

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