俺の命かかってたんだぞ!

俺たちは3時間ほどかかって街着くことが出来た。

だが本当に疲れた。本当だったら1時間程で着く道のりだったのだが、本当に俺は間違ってしまったみたいだ。

あれは俺が起きて街に向かい始めたところだった。

俺たちはイノシシ型モンスターと出くわし俺が追い回されていた。

「おい、ヨミ早く魔法打ってくれ!俺がなにかに目覚める前に!」

モンスターが興奮状態で50センチほど後ろ俺に向かっており、もう鼻息がかかっている。

「ゼロは焦りすぎだ。ククク、我の名はヨミ夜を統べるものである。お前を狩るものだ。」

「そんなのいいから、はやくしろ!やばいから本当に!」

コイツ、何考えてんだ。

「早くしないと街に行った時に、覚えた魔法で仕返しするからな。」

ヨミが目を大きく開ける。

「ごめんなさい。分かりました。」

早くしろよ。

「我が名はヨミ、我の願いに答え、敵を燃やせ。ファイヤーボール!」

『ポッ。』

炎の玉がよろよろモンスターに向かう。

『プシュー。』

モンスターは一瞬魔法に気を取られたようだが、脅威では無いことが分かるとまた俺を追い回し始めた。

「おい、お前って魔法使いじゃないのかよ!なんだよ『プシュー。』ってふざけんなよ!」

「なに?バカにしてんの?」

「お前の魔法雑魚すぎるんだよ。エルフって風魔法得意じゃないのかよ。」

確か俺がエルフにはそういう風に作った気がする。

「そうね。得意だけどカッコよくないから。わかるでしょ、ゼロもそういうの細かいだから。」

俺のこと神ってやっぱり信じてないな。

「お前と一緒にすんな。早くしてくれずっと追いかけ回されて、疲れてきてた。」

もう10センチ程しかない。一瞬でも止まると刺される。

「分かった。ウィンドカッター!」

周囲の風が収束していき、放たれた。

『ぎゃん!』

イノシシ型のモンスターは真っ二つに割れて霧散していった。

「お前すごいんだな。そういえばなんでさっきは詠唱がなかったんだ?ファイヤーボールの時はあったのに。」

「それは炎系の魔法が苦手で詠唱がないと安定しないし、かっこいいから。」

「俺の命かかってたんだぞ!」

悪びれのないようすでヨミは言う。

「そんなことより、感謝してよ助けて上げたんだから。」

こいつこの期に及んで感謝を求めるのか。

「お前分かってんだろうな。街に行ったら、」

「ごめんなさい、もうしません。」

こんなことが何回かあって3時間かかった。

俺は早くもヨミとどうにか離れるとこが出来ないか、真剣に考えていたのであった。

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