第32話 エルフB エルフC

里の中の悪意、

人間への恨みが止まらない。

ただライの様子が変だ。

里長は、

「ライ、お前は何をした?昨日と同じように言ってみろ。」

冷たい声が聞こえると、

ビクッ!

ライは青い顔を話し始める。

「あいつはマリーを辱しめた、だがら昼食は出さなかった。あいつは魅了魔法を使ったんだろ?なら苦しまないと!」

ローマンは朝と昼のご飯を食べたない?

10日間も?何でそんな事を…。

私は

「ロマーンは、彼は貴方の妹の命の恩人よ?何を言っているの?感謝をすれど悪意をぶつける相手ではないわよ!」

だって彼はルルを助けた恩人なのに…。

そんな中でロロ叔父さんは目を閉じている。

里長は

「ロロ、お前は何をした?」

ロロ叔父はゆっくりと目を開けると、「人間は悪だ。リリーを失ったのは人間のせいだ。あいつらなんぞに食料を与えるものか!」

私の中で何かが壊れ始める。

「ピシリ、ピシリ。」

私は、わたしは、ワタシは、

「バキーー!」

目の前にあった机を叩く。

机は真っ二つになるが

「どういう事?ロマーンは朝と昼と夜のご飯を出してない?」

まさか、まさか?

里長は

「そういう事になる。個別に聞いた話を統合するとそうなる。」

ワタシは

「ねぇ?父さん!魔法を封じた言っていたけど?どうやって?まさか魔封じ錠なんて使ってないよ?」

父を睨むと何も言わない。

里長を顔を見ると里長は静かに頷く。

魔封じ錠。罪人に魔法を使わせない様にする拘束の魔道具。

魔力を使うと吐き気と激痛が伴う。

「ねぇ?ロマーンは恩人よ?囚人ではないのよ?

ねぇ!何でそんな事をするの?

彼を戦いに引き込んだのは私よ!

何でそんな事をするのよ!」

私がロマーンの巻き込んだ。

私が彼を戦いに引き込んだ。

ワタシのせいで彼を地獄に招き入れた。

ワタシガ…。

「パリーン」

その時、ワタシの中の何かが壊れると

「フフフフ、ははは、ハッハハハハ!」ガイルが心配そうに肩に手を置きながら、

「大丈夫か?エリー、どうしたんだ。」

私は置かれた手を払いながら

「ワタシに触るな!この外道!」

払われた手を驚くガイル。

あぁ、こんな感じなんだ。

彼が激怒した感じは…。

あぁ、ロマーンが纏った怒りはこれなんだ。

でも…。

全部ワタシのせいだ。

全部、全て、どれも、

私の罪だ。

壊れたココロが無くなりそうになると、

そっと強く抱き締めたられて。

「エリー、貴方はロマーンに謝罪しないといけない。彼に裁いて貰わないと、大丈夫、私も一緒に罪を償うから。

今から私達は彼の物になるの。

だから…。壊れてはいけない。」

マリーお姉ちゃんがそう強く囁く。


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