第30話 サイド エリー。
10日ぶりに見た彼に文句を言うつもりだった。
私のお見舞いをせずにマリーお姉ちゃんと楽しく過ごしていると聞いていたから…。
やっと回復したので彼を探して一緒に里を歩くつもりだった。
それは突然だった。
「ドカーン!」
里の外れ、牢屋がある方向で爆発が起きた。
今は誰もいない筈のエリアなのに。
私は急いで向かうとお父さんたちと数人合流し現場を確認しに行った。
お父さんは何故か厳しい顔をしていたのが気になったが今は現場に向かう。
爆発がしたところから少しはなれた場所に誰かがいるんだけど
何が嫌な予感がする。
里の危険はなくなった筈なのに、
現場に到着すると里の人が1人の男の人を囲んでいたがそれは
あいつだった!
全くなんでこんなところにいるの?
お見舞いに来てくれてもいいのに!
私は少し睨んでしまったが…。
ロマーン?だよね?
何だかんだと痩せて…、いや、こけている?
ロマーン足元にはルルが倒れて?寝ている?
何故かロマーンは牢屋に居たことになっているのを周りの人から聞いてしまい、
私は
「ロマーン?なんでそこにはいるの?それで牢屋にいたってなによ!マリー御姉様とイチャイチャしてたんじゃない!?」
後、何故か弓を構えるライ。
私はライの前に出てロマーンを庇いながら
「ライ!一体どうなっている?何が起きているの?ルルは生きているの?」
駄目、彼を助けないと。
ライは何か勘違いしてるんだ。
彼は命をかけて私たちを助けてくれたんだよ。
そうしたらロマーンは今まで聞いたことのないほどの大きな声で
「よくも騙してくれたな、エリー!
まんまと騙されたよ!」
?
??
???
何?誰を?誰が?何が?
「ロマーン、何を言ってるの?
騙したってなに?」
私は凄くビックリした顔をしているとだろう。
「報酬を出さずに牢屋に入れて殺害しようなんてよくそんな非道な事をしてくれたな!」
待って?誰が?誰を殺害しようとしたの?
「待って!待って!何を言ってるの?」
今まで生きてきて、こんなに訳がわからない事は初めてだった。
「エルフは糞だ!約束は守らないは、無抵抗人間を殺そうとするわ!」
どういうことなの?
殺されそうになったのは?ロマーン?
「エルフは殲滅してやる!この世から全てを殲滅してやる!」
ロマーンが初めて殺意を放つ所をみた。
彼はこう見えて命を奪う事を嫌っている。
そんな彼だから私は信用したんだ。
「俺を見ろ!これを見ろ!」
何か確認する事があるかと思ったが、
「フラッシュMAX!」
何故か目眩ましを浴びてしまった。
彼がロマーンが遠くに行くような気がするので私はちからの限りに声を出した。
「待ってお願いまって、私の話を聞いて!私を信じて!貴方は私が守るから!何が起きても守るから!お願い!」
目が慣れると彼の姿はなかった。
彼を追いかけるのは勿論だけど、
私は父にみんなに事のあらましを聞かないと。
何故か彼は怒っているのか?
なんであんなに痩せていたのか?
一体何が起きたのか?
私はロマーンの横にいる筈なのに…。
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