第27話 黒き魔鋼

俺は

「ククク、ハハハ、ハァッハハハ!」

最高だー!

俺は自由だ!

まずは治療だな。

流している血を止めるが魔力が足りない

魔力吸収を使うが足りない。

いや、待てよ。

なんで俺は吸収なんて甘い事を言っているんだ?

全てを奪えばいい。

周りなんて気にするなんてくらい糞だ!

「魔力略奪!」

周りにある魔力を根こそぎ奪うと

ある鉄から黒い魔力が入ってくる。

これはアンデッドの魔力を俺が鉄に変えた塊、となりの牢屋に入っていた奴だ!

黒い魔力は怨嗟を撒き散らし、破壊衝動を引き起こすが…。

この魔力は俺から怒りを恨みを奪うだと?

俺は黒き魔力に食らいつく。

この怒りも恨みも俺の物だ!

どこからか出てきた者が奪うなどあってはならない。

俺は怒りをもって黒魔力を抉る。

全ては俺の意志!

ただこいつは使えそうなので這いつくばって黒魔鋼に近づき、黒魔鋼て触れる。

無くなった手と足の変わりにこいつを使う。

血を流している所は治療したが手足の先はない。だからこいつを使い手足を作り、魔力操作で自在に操る。

鉄の義足と鉄の義手だ。

魔力を奪い思い描いた形に変えると鉄の塊はまだあるので残り物を俺の鎧にする。

黒魔力は何か言っていたが完全無視。

痛みもあるが全てを無視。

吐き気も無視。

全てを飲み込んだ。

そうすると黒き鎧を纏った状態になるがここで「ぐぅぅぅー」俺の腹がなる。

水は飲んだ、体は直した、魔力は食った。

次は飯だな。

体に魔力を纏い俺は外に出る。

周りの全てを吹き飛ばしたがここは地下らしく、上に光と地面がある。

ジャンプをして地面に着地すると

光と植物の楽園らしく、青々とした世界が広がる。

あぁ、憎たらしい。

俺はこんなに苦しんでいるのにこいつらは幸せに暮らしているんだ!

やはり殲滅しないと、

だが今は飯だ。

周りを見渡すと何か果物らしい物がなる木があるので近付くと、

そこには見たことがある幼女エルフがいた。

何処かで見たことがあるが…。

取り敢えずやるか?

エルフは悪だし、いいかな?

そんな事を考えていると俺の腹がなる。

「ぐぅぅぅー」

その音に気がつくとこちらを振り向く幼女。

俺の顔を見てから

「あ!助けてくれたおじちゃん!あの時は助けてくれてありがとう。」

そう言ってお辞儀する。

「お腹がすいてるの?ならこれをあげる。」

そう言って赤い実をくれた。

おじちゃん扱いは俺のハートにクリティカルヒットするが

俺はそのまま木の実に噛りつくと久しぶりの食べ物を満喫する。

幼女は俺がスケルトンから助けた子なのか?

この幼女エルフはきっとよゐこなんだろう。

幼い子供はやはり純真だ。

エルフは大人になると黒く染まるんだ。

きっと。

キョトンとした顔で俺を見る幼女。

しかしこの子も偽りの正義を掲げ、その為にはどんな非道な事も行い、きっと悪意を無自覚に振り撒く。

だから…。

おーやーすーみ。

闇魔法「スリープ」

そうして意識が無くなった幼女を支えて、優しく床に寝かせると、

闇魔法「ペインロスト」

痛覚を遮断し、

「黒魔鋼よ、鋭き剣に!」

身体に纏った魔鋼を剣に変えて、

Let's !殲滅!

意識も無く、痛みも無い、優しき幼女を優しく殲滅。


剣を掲げると俺に向かって矢が飛んでくる。

飛んでくる矢を剣ではたき落とすと、

1人の男エルフが立っていた!


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