第25話 それは目が覚めたら始まった。
目を覚ますと知らない天井が…。
石の天井で硬いベッド。
石の壁に石の床。
ドアの前にある鉄格子。
俺の手首と足首には知らないブレスレット?。
いや、現実逃避をやめよう。
知らないブレスレットではなく、手錠と足錠と…。
つまり、捕獲された上に牢屋に入っていた。
ふむ、エルフと人間は仲が悪いのだろう。しかし、この扱いは流石に無いだろう。俺はエリーに脅されて魔力水作り、かなりに無理をしてリッチを倒す為に尽力したはず。
英雄までとはいかないが上客扱いは妥当ではないか?
周りを見渡してもトイレとベッドしかなく、俺は
「おーい!すいません。起きたので説明と水が欲しいのですが!」
何度が声をあげるが誰も返事がない。
仕方がないので水魔法を使い、喉を潤す事にした。
魔力を練った瞬間それは起きた。
激しい吐き気が襲い、両手首と両足首に激痛が起きる。
直ぐに魔力使うのを諦めると同時にトイレに行くと胃のなかの物を戻す。
この手錠等は魔力を阻害し魔法を使えなくするものなのだ。
そう結論した後に俺はベットに戻り、意識が無くなった。
エリーにお仕置きすることを誓いながら。
あれから目を覚ましたが現状は変わってない。
喉が渇き、空腹が俺を襲う。
何度か声をあげて水と食べ物を要求するが誰も返事はない。
周りをよく見ると他にも鉄格子があり、中には黒い塊がある。
あれは俺が闇の霧から作成した鉄の塊だろう。危険はないと思いたいが一緒にいたいとは思わない。
色々な事を考えているとドアの真ん中にある小さな窓が開くと、
「人間よ。我が一族の女性にかけた魅了の魔法をとけ!」
男性だと思われる声が聞こえた。
俺は
「魅了の魔法とはなんだ!それよりも水と食べ物をくれ!」
訳がわからないが俺は要求を伝えると。
「やはり、人間は信用出来ない。お前の罪を噛み締めろ!」
そう言うとドアの小窓が閉まる。
俺は訳がわからなくなった。
魅了の魔法なんてかけてないのに、
罪とはなんだ!
俺は死にかけてでもエルフを救おうとした!
何故!俺は拘束されている!
早く来てくれ、エリー。
この訳のわからない誤解を解いてくれ。
は!まさかこれはマリー御姉様の怒りなのか?
しかしあれは緊急事態の為の特別処置。
不本意だとしても罰になるとは思わないが…。
仕方がないが少し我慢しようか。
エリーがきっと来てくれるはず。
俺とエリーはそんなに長くはなかったが共に戦った仲間以上の関係だから。
そうさ、きっと直ぐに来てくれる。
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