第24話 私は…

あまりの変態発言をするロマーンにボディブローを打ち込むと気を失った彼をマリーお姉ちゃんに渡す。

「お姉ちゃん、後はお願いね。」

抱きながら支えていた彼をお姉ちゃんに渡すと、

「エリー、余り無茶はしないでね。」

そう言って受け取るお姉ちゃん。

「後は矢を放つだけよ。」

そう言って服を整えて弓を持ち、外に出る。


外に出ると未だに戦っている里長。

光魔法を放つが余り効果はなく、デスロードの魔法で押されている戦線。

私は建物屋根にあがると息を整え、

弓矢を構える。

彼は私に全てを託した。

私の油断によって川を流され、助けてくれた彼。

私の我が儘で魔力水を作ってくれた彼。

私の故郷の為にデスロードと戦ってかれた彼。

私の全てを守るためにデスロードを倒す為に命をかけてくれた彼。

私は彼の為に何ができるだろう?

これからの生き方について考えるとなんだが楽しくなってきた。

私は彼の為に生きていく事になるだろう。

それが私の生きる道。


高笑いし始めたデスロード。

その笑みを今、止めてあげるわ。

この里を、私の家を、私の家族の命を奪おうとする元凶の核に矢を放った。

矢は緑色の光の帯を描きながら一瞬でデスロードの魔石の核に刺さると、白い光で溢れる。

デスロードは悲鳴をあげると、身体が塵に変え始める。

矢を放った私ににらみ、

「キサマ、ナニヲシタ!」

崩れゆく身体から精一杯の呪いを込めたように放つが、身体の崩壊は止まらない。

矢から光が溢れ黒いオーラは消えてゆく。

全てが崩れ落ち後、

「うぉーーーー!」

戦いが終わったことを確認すると全てのエルフから歓喜の声があがる。

私も屋根から降り、里長と父さんのそばに行く。

父さんは

「よくやった。助かったぞ。」

そう言いながら私の頭を撫でるので、

「もう、私はもう小さい子どもじゃ無いからね。後、私、結婚します!私の全てを捧げる人がみっかったわ!」

そう言いながら、ニッコリ笑うと父さんは固まった。

父さんは固まりながらも、

「それは連れてきた人間の事か?まさか人間と結婚するのか?」

そう言いながらひきつった顔をしているが私はとびっきりの笑顔で、

「そうよ、私のダーリンよ!」


今宵、里の危険が無くなった。

里を狙うリッチのデスロードが居なくなり、里には平和が訪れるだろう。

しかし我が家の危険が迫っている。

娘は里からいなくなり、9日したら人間と戻ってきた。魔力水と共に人間をつれてきたのだ。

多分、人間は魔力水を持っている、もしくは魔力水を作れる人だろう。

それをネタに娘はその身を捧げたに違いない。

里を助けてくれた事には感謝をするが娘を不幸にすることは出来ない。

例え邪道だと言われても私は家族を守る。


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