第15話 それでも守りたい者が…。
エリー軍曹とシルフ軍曹の乙女心講座が完了して数時間。
最後に恒例の食後のデザートにさせらせた俺は、
魔力回復に努めている。
大きな声で
「精霊サマー、これから魔力回復するから近くにいないでくださ~い。」
注意喚起である。
だって精霊見えないもん!
俺に防げる訳がない!
こうして魔力回復を行っているのだか俺は進化した!
何と魔力回復球の状態だと近くにいるスライムは殲滅出来るようになった!
つまり、エリーが近くにスライムを持ってくるだけで吸収し、倒せるのだ!
スライムが集まる所に行ければこれは放置狩りが出来るのだが、いかんせん既にスライムではほとんどレベルが上がらない。
進化したが有効とはいかないみだ。
しかしこれで本当にエルダーリッチを倒せるのか?
俺のレベルが足りないから補助に回っているのだが…。
何か手はないのだろうか?
エルダーリッチ襲来まであと2日
魔力回復水(100回復)70本
明日はエルフの里に移動する。
エリーには悪いがやはり俺は逃げることになっている。
エリーも了解済みだ。
里の近くに拠点を作り、そこで戦いが終わるのを待つ。
戦いが終わればエリーが拠点まで迎えにきて貰うことになっているんだ。
また、魔力水を運ぶ木の枠を作り、魔物の革でリュックを作ったのでかなり多くなった魔力水も運べる仕様だ。
その日の夜にも魔力水を作ったがエリーは時折震えていた。
俺は
「エリー、みんなが大事なのはわかる。だけど何もかもを捨てて逃げる事は出来ないのか?魔王が生まれて勇者が倒してくれるんじゃないのか?みんなで逃げてから力を蓄えて反転攻撃すれば良いんじゃないのか?」
そんな疑問を投げ掛けるがエリーは
「あそこはみんなが育った里なの。お母様が命をかけて守ってくれた場所、お母様が帰ってこれるようにしないと。」
それでも「なら、なおさら命を大事にしないと。エリーの命を大事にしないと、家族が全員生きていないと。」
そう言ったがエリーは
「私の事を心配してくれるのね?ありがとう。でも大丈夫よ。だってこんなに魔力水があるんだもの。これがあればきっと…。」
そう言って微笑むエリーだが震えは止まっていない。
俺は寝床に帰ることを伝えると夜通し魔力水を作る。
明日は移動だが次の日から寝ていればいいんだ。
今は出来るだけエリーの為に魔力水を作る。
それしか俺には出来ないから…。
俺にはまだ、エリーを守る事が出来ない。
自分の不甲斐なさが身に染みる。
魔力回復水(100回復)80本
次の朝も魔力水を作り、移動を始める。
魔物のいるのでお互い無言だ。
エリーも生きて会えるかは不明なので不安を隠して移動している。
隠れているかは察してやる。
移動していると見晴らしのいい丘についた。
そこから見えるのは暗闇に覆われたエルフの里。
所どころから火の手が上がっているが誰も消火はしていない。
何故なら万を越える数のスケルトン。
空を縦横無尽に飛ぶレイス。
まだ太陽があるのになぜ暗闇に覆われている。
わからない事だらけだか一つだけわかっている。
フライング気味に里襲来は起きていた。
エルダーリッチ襲来1日前マイナス1日
エルダーリッチ襲来 ナゥ!
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