第10話 よーくかんがえて、命は大事だよ。
魔王爆誕の危機。
今の俺は戦闘力60の雑魚だ。
今、目の前にいるエルフのエリーは戦闘力100オーバーたろう。(推測)
そんなエリーを越えるエルダーリッチがいる。
エリーは
「大丈夫?なんだか顔色が悪いわよ。」
しかし俺は
「初めて話した相手から世界滅亡の危機を知らされたが、何も出来ないのにどうすればいいのかわからない。」
ただもう一つ気になったのだが、
「真理の本を持って逃げることは出来ないのか?」
エリーは考えながら、
「そのように勘違いするようにしてきたのだけど、真理の本って実は木なの。」
俺はまさにあれかと思う。
「世界樹の事なのかそれは。」
エリーは頷く。
俺は考える。
ここで何もしなかった場合、
魔王爆誕。
その後は破滅を逃れるために世界が魔王討伐に舵をきり、目まぐるしいバトルワールド。
俺が関与するとして、
出来ることは魔力水を提供。
権力者に目を付けられる。
拉致監禁&奴隷生活?
ワンチャン、高待遇?
得られるのは世界平和?
はぁーとため息をつくと待っていたエリーは
「考え事は終わったかな?何を考えていたかはわからないけど。」
俺は今の考えをまとめると、
「取り敢えず、なにもしないから両手を縛っているロープを切っていいかな?」
俺は未だに両手を縛られていた。
エリーは頷くと近くに寄りナイフでロープを切り、元に戻っていく。
俺は
「何かエルダーリッチを倒す手立てがあるの?」
エリーは
「取り敢えず、エルフの首都に助けを呼んでいるけど助けに来るのは20日後。エルダーリッチが攻めてくるのは10日後。10日間防衛出来ればいいんだけど。」
俺は
「何で10日後に攻めてくるのは事が解っているの?」
「真理の本を渡すように脅されているけど本の本体が木だとは思っていないから10日の猶予をもらったの。待ってば降参すると思われているからね。」
つまり、エルダーリッチからしたら降参待ちの状態では。
話を聞く限りだと圧倒的に負けている?感じかな?
ダメじゃねぇ?これ?
よし!
俺は逃げることにした。
ただ普通に逃げて魔王爆誕はさけたいので
「話しはわかった。ならここにある秘蔵の魔力水をあげよう。魔力ポーションと同じでMPが回復するみずなんだ。」
そう言って俺は石から作ったビンの魔力水(100回復)を5本渡す。
今は夕方だから明日になったら下流に向かって急ぎ移動することを決意する。
エリーは魔力水を受け取るニッコリ笑い、握手を求める。
俺も手を握り、
「俺にはこれぐらいしか出来ないが頑張ってくれ。」
しかしいつまで待っても手を離してくれない?
ニッコリ笑っているエリーは
「魔力水とは特殊な錬金術で出来る魔力ポーションの一つなの。」
勿論おれはそんなことは知らない。
エリーは「貴方、錬金術師なのでしょ?命の恩人でもあるから本当はこんな事をしたくは無いけど、家族を助けるためなら私は鬼でも悪魔でもなるわ。」
しかし俺は「違います!」
エリーは微笑みながら
「協力してくれない?してくれないなら私はどうにかなってしまうわ!」
勿論おれは「だから違うってば!」
エリーは手にちからを込めて
「魔力水は約2ヶ月たつと普通の水になる、特殊な水よ?」
勿論、俺はそんなことは知らない。(二回目)
俺は「だから知らな…、ピギャー」
悲鳴をあげる俺の手と声。
エリーの瞳には決意があった。
俺は「協力と言うか、それは脅迫と言うのでは?」
未だに離してくれない俺の手。
「この戦いが終わったら何でも言うことは聞くわ本当、それこれ朝か夜までお世話もするわよ。」
まったく何もせずに逃げれば良かったと心から思うのであった。
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