第11話 王冠砕きと欠け冠
修羅場の空気というものを、リヴィンはいま初めて味わっていた。
〝王冠砕き〟フラクタと〝支配の魔女〟ラヴルニエストゥス。
いつ戦端を切ってもおかしくない二人が、間に立つリヴィンにどうして自分に味方しないのかと無言の圧をかけてくる。なぜこんなことに。いや、頭では理解している。リヴィンを助けるためにルニエが現れ、フラクタを救わねばリヴィンも退かないと見たルニエが彼女を助けた。つまり原因はリヴィン自身だ。
「あー、その、とにかくみんな無事で、よかった……よな」
ランドラブは予想を超えた強敵だった。
完全な敗走であり、その後のことなど考える余裕もなかった。
だが、リヴィンは考えるべきだったのだ。ようやく敵を振り切って落ち着いたところで、フラクタとルニエがにらみ合いを始める可能性について。対立する二人に対してどういう態度を取るべきかについて。
「…………」
「…………」
互いの動向に注視しながら、リヴィンに刺さるような視線を向けてくる二人。どちらに味方しても、もう片方との関係は完全に破綻する未来しか見えない。ならここで腹を決めるべきなのか。
「……頼むから待ってくれ。ここで二人がやり合ってどうなるんだ」
「わたしが理想とする世界にまた一歩近づきます」
「余の天輪を砕いた痴れ者に報いを与えられよう」
即答されて、かえってリヴィンが言葉に詰まる。その一瞬で、二人をすぐ和解させるのは不可能だと悟ってしまった。しかし、二人がやり合えばどっちが生き残ったとしてもまずいことになる。
「どうしてそうなるんだよ。ランドラブは諦めたわけじゃない。あいつ、魔女は逃がさない、おれの獲物だ、みたいなことも言ってただろ。なのに二人が殺し合ったらお互いタダじゃ済まない。一人が倒れ、一人が傷ついたら、喜ぶのはランドラブだ。まずあいつをなんとかしないと」
「一度は殺した相手です。再び殺して、次の機会をうかがう手もあります」
「余が同じ相手に二度も負けるとでも? ずいぶん見くびられたものよな」
「……ああもう、二人とも、冷静になれよ!」
相手の能力を奪い、複数の能力を組み合わせる能力者。
〝支配の魔女〟が複数の天輪持ちを従わせて成し遂げた戦術をランドラブは一人で体現している。単純な脅威としてもそうだが、複数能力の同時運用のタネが割れていない以上、放置しておけば際限なく強化されていく可能性すらある。すぐにでも仕留めるべきだ。
「ランドラブ……あいつ、フラクタから聞いてた話とは全然違った。複数の能力を使っていたし、少なくとも数分で使い物にならなくなる様子もなかった。あれはヤバい。放置すれば手が付けられなくなる可能性だってある。フラクタもルニエも、あの場で倒せる確証がなかったから退いたんだろ?」
ルニエがいるからか、トーキィはだんまりを決めこんでいる。リヴィンの説得に全てが懸かっている。
「お互い殺し合ったんだ、仲良くしろとは言わない。けど、ランドラブを倒すまでは共闘……それもできないなら、少なくとも不干渉を貫くべきだ。二人とも俺より賢いんだから、本当は分かってるはずだろ」
二人は黙ってリヴィンを見つめる。フラクタの無感情な視線とルニエの殺意のこもった視線が痛い。居たたまれない空気の中、先に口を開いたのはフラクタだった。
「不干渉という話なら、わたしは構いませんよ」
「よかった、ルニエは……」
「騙されるでない、愚か者めが。貴様は天輪の契約でその女から離れられず、ランドラブが欲しているのは余の〝支配〟であるのは明白。先んじて余とランドラブを喰い合わせ、あわよくば余が死なぬ秘密を解き明かそうという魂胆であろう。違うか、女狐よ」
「…………」
黙って微笑むフラクタ。
なんとか言えよ、と心中で突っこむ。沈黙は雄弁だ。
「ふん。だが〝王冠砕き〟よ、貴様がリヴィンの力を引き出せておらぬことも明白となった。こやつを連れてなぜあの獣風情に負けておるかと思えば、道具の扱い方も知らぬとは……宝の持ち腐れよな」
「……わたしを愚弄しますか、支配の魔女」
「愚弄せずしてどうせよと? 余の天輪を砕いておきながらあのような小物に手こずるでないわ」
再びにらみ合う二人の間に割って入る。
「ああもう、ルニエも煽らない!」
「…………ふん」
「あら、ずいぶん殊勝ですのね?」
「フラクタもだよ!」
にっこり笑うフラクタと苦虫を噛み潰したような顔をするルニエ。
(ダメだ、この二人、敵味方以前の問題として絶望的に相性が悪い)
「ごめんなさい。あんまりしおらしいので、ついからかいたくなってしまって……でも、わたしが不思議に思うのも仕方がないでしょう? 自分の天輪を砕いた相手を助けるなんて、どうしてそんな真似を?」
「別に貴様のためでは……っ」
言いかけたルニエが口をつぐむ。
リヴィンにもそれと分かる、ルニエらしくない失言。
フラクタを助けたのが彼女のためでなければ、それはリヴィンのためだ。
支配の魔女ラヴルニエストゥスは今もなおリヴィンに価値を見出している。明かさなくてもいい情報を自ら明かしてしまったルニエがすっと表情を消す。フラクタなら、この情報を利用して悪辣な策を立てないとも限らない。ルニエにとっては小さくとも確実な弱みを握られた形となる。
「不思議と言えば、あの測ったようなタイミングのよさ。なにか仕掛けがあると見ましたが?」
「ふん。貴様らの動向など余には筒抜けよ」
「ふふっ、そういうことにしておきましょうか」
二人の視線がリヴィンに向く。知ってたのではと問うようなフラクタのそれと、気付いても言うなと釘を刺すようなルニエのそれに、リヴィンは思考をやめる。この世には知らない方がいいこともあるのだ。
「それより、話し合うべきはランドラブをどうするかだろ」
あからさまな話題そらしだったが、幸いにも追求はされなかった。一度は振りきったとはいえ、留まっていれば追撃を受けてもおかしくない。悠長に話し合っている暇はないと全員が理解している。
「ランドラブは相手に触れて天輪の力と固有の能力を奪う〝収奪〟の能力を持っているという話だった。けど実際に遭遇したやつはそんなもんじゃなかった。複数の能力を並行して使い、威力や精度の減衰も見られない。能力が成長したのか、なんらかの仕掛けがあるのかは不明。ここまではいいよな?」
「ええ。奪って使える能力はあくまでひとつ、後から〝収奪〟した能力で上書きすれば前の能力は使えなくなる。ここまではよく知られた事実でした。そうでしょう、ルニエ?」
「そうだが、貴様が余をその名で呼ぶな、虫唾が走る……!」
「厄介ですね。従来の捕らえた天輪持ちをあえて殺さずストックする戦法であれば仕切り直しが有効でしたが、威力と精度の減衰もなしとなると再使用も可能と見た方がいいでしょう。判明しているだけでも〝収奪〟〝見えない刃〟〝広範囲を泥濘に変える〟〝泥をすすって回復〟を使い、さらに別の能力を隠し持っている可能性も考慮しなければなりません」
「ひとつ、気になったことがあるんだけど」
「なんですか、リヴィン」
「フラクタがランドラブと遭遇した場面を俺は見てないんだけど、あいつはどうやって現れたんだ? あれだけ強力な天輪が普通に接近してきたら気付きそうなもの……つまり、あいつは〝高速移動〟か〝瞬間移動〟みたいな能力を使って一気に距離を詰めてきたはずだろ。けど、逃げる俺たちを追うのに能力を使う様子はなかった。なぜだと思う?」
「理由はいくつか考えられよう。すぐ思いつくところでは、保有できる能力に上限もしくは制限がある、移動には便利でも追跡には向かない能力だった、あえて逃がした、あれ以上は戦闘を継続できなかった、あたりか。どれも決め手に欠ける、絞りこむための材料は他にないか?」
多くの天輪持ちを見てきただけあって、すらすらと仮説を挙げるルニエ。しかし知識が多いだけに絞り切れないらしい。ランドラブは他になにか言っていなかったか、見落としているものはないか。
「……あの死体」
フラクタがぽつりと言う。彼女がランドラブの能力は〝見えない刃〟だと誤認する原因となった死体のことだ。ランドラブと遭遇したとき、彼はその手に死体の頭部を握り締めていた。
「そうか……あの死体、引きずられてきたみたいに下半身がズタズタだったよな。使い潰して損をした、みたいなことも言ってた。あの男が〝高速移動〟の持ち主で、ランドラブはそれを奪ってあの場に現れたんだとしたら、つじつまが合う。ただ〝収奪〟するだけなら今までと同じなんだ」
「なら安心するがよい。〝高速移動〟に類する能力は希少でこそないが、そうそう使い潰せるほど転がってもおらん。にもかかわらず使い潰したのは、完全な形で能力を奪うにはそれなりの手順と条件を満たす必要があるのだろう。少なくとも戦闘中にあっさり奪われることはあるまい。最悪、自死すればよい」
自らの〝支配〟を奪われる可能性を念頭に置いての発言だろう。彼女はあっさりと自死を口にした。確かに、複数能力を使いこなす戦闘力に加えて広域支配まで加わったら手が付けられくなる。ランドラブ自身もそれを分かっているから魔女に執着し、貴重な〝高速移動〟を使い潰してまで急行してきたのだろう。絶対にルニエの能力を奪われてはならない。
「ん? でも順番がおかしいよな。ランドラブは支配の魔女がいると思ったから〝高速移動〟を使い潰して急行する判断をしたんだろ? なんであそこにルニエがいるって分かったんだ?」
「おそらく貴方が原因ね」
「俺?」
「支配下にある非保持者の知覚はある程度まで伝わるから、魔女の側近である貴方と一緒にいる女の天輪持ち……つまりわたしを支配の魔女と勘違いしたのでしょう。ふふっ、結果だけ見れば数の限られた〝高速移動〟を無駄に消費させた形。その上こうして本物の魔女まで引きずり出せた。貴方のよく分からない同情心も、無駄ではなかったかも知れませんね?」
リヴィンが欲を出し、非保持者に情けをかけたからこうなったのだとフラクタは指摘している。まんまと姿をさらす羽目になったルニエの顔色を伺わずにはいられなかったが、彼女は端然としていた。
「……ルニエが助けてくれなければ、二人とも殺されてたかも知れない。その言いようはないんじゃないか」
「そうでしょうか? 貴方がわたしを見捨てるのをためらわなければ、その女は貴方と二人だけで逃げたはずですよ? ええ、ありがとうございます、リヴィン。わたしは貴方に命を救われました」
「……無駄話はそれくらいでよかろう。貴様の生き死になど、どうでもよい」
「ふふっ。昔の男が他の女と睦まじくしているのが気に食いませんか? 存外、普通の感性をしているのですね。かの〝不滅の永遠〟ヴァレリアンを倒した支配の魔女ともあろう人が」
「くだらん。つまらん挑発しかできん貴様こそ、己の小物ぶりを自覚するがよい」
空気が物理的に冷え、フラクタが戦鎚を振り回して空気を乱す。
何度目かの一触即発の空気に、リヴィンの中でなにかが切れた。
「マジで……マジでやめろお前ら!」
いい加減に我慢の限界だった。これで殺されたとしても知ったことか。
「俺は死にたくねぇんだよ! お前らだってそうだろうが! クソ強い敵が目の前にいるのに、手を取れるかも知れない相手をキレさせてなんの得があるのか言ってみろ! どうしようもなくムカつく相手ってのもいるんだろうが、それを飲みこめないほどアホでもないだろフラクタも! ルニエも!」
今にも火蓋を切ろうとしていた二人の目が揃ってリヴィンに向く。
一瞬の間を置き、そして二人とも吹き出した。
「なっ・・・なにがおかしいんだよ」
「ふっ、ふふふっ……はあ、いいでしょう、ここはリヴィンに免じて休戦としませんか?」
「ふふん。余もそれで構わん。ランドラブを殺すまでは危害を加えぬと約束しよう」
「だったら、天輪の契約を結べないか? お互い口約束だけじゃ信用できないだろ?」
「冗談でしょう? 相手は支配の魔女ですよ? なにを仕込まれるか分かったものではありません」
思いつきにしてはいい案だと思ったのだが、フラクタが難色を示す。
「そんなことは……なあ、ルニエ?」
話を振られた魔女が、気まずそうに視線を切った。おい。
その瞬間、全てが繋がった。夢の中でルニエに天輪を触らせたこと、リヴィンが危険に陥った場面で都合よく助けに現れたこと。そしてフラクタの発言への不自然な反応。
「ほら見なさい。というか貴方、もしかして触らせたのですか……?」
「いや? そんなわけないだろ?」
「……呆れました。彼女の操り人形に戻っていない幸運を噛み締めるべきですね」
即座に嘘を見抜かれた上に同情するように言われてしまい、言葉もなかった。
「別に天輪の契約を結ばなくとも共闘は可能でしょう」
「そうさな。ついでに貴様がランドラブめと相討ちになってくれれば申し分ない」
「そうか? うーん、それなら仕方ない、か……」
相互不可侵の契約を結べば平和的な交渉も可能かと思ったが、そう上手くはいかないらしい。
「では、めでたく共闘が成立したところでルニエに質問したいのですけれど」
「……その呼び名に言いたいことはあるが、言ってみよ」
「複数能力の使用、と聞いてわたしが真っ先に思い浮かべたのは貴方です、支配の魔女ラヴルニエストゥス。広く知られた〝支配〟に加えて〝天輪を砕かれても死なない〟そして〝凍結〟を操る姿も目にしました。ああ、昔の男の危地に都合よく登場する能力も加えなければなりませんね」
「……余が複数の能力を操る方法を知っていて、隠していると疑っておるのだな」
「ええ。かりそめにも共闘と言うからには、仲間内で隠し立てはよくないと思いますわ」
「よく言う。腹の内では隙あらば余の天輪を砕かんと虎視眈々であろうに」
「お互いさまでしょう?」
「…………ふん」
「どうしても言いたくないのなら、天輪の契約によりリヴィンに一人で探らせてもいいのですよ」
「うん……ん? 俺、いま死刑宣告されなかった?」
「そなたは黙っておれ……フラクタよ、貴様がそうしたいなら好きにすればよかろう」
「ルニエまで!?」
「おや、意外でした。もう少し動揺してくれるものかと」
「動揺につけこんで際限なく値を上げるつもりの相手にか? 余を見くびるでないわ」
「ふふっ、バレましたか」
「隠すつもりもないくせに……リヴィン、やはりこの女、話にならんぞ」
「まあまあ……フラクタは俺とルニエの天輪を砕きかけるだけの実力もあるし、俺はこんな状態だし……ランドラブを倒すためには前衛も必要だろ? 次は大勢でこないとも限らない。戦力は多い方がいい」
「後ろから撃つ気が満々の相手を味方と呼べるか?」
「同感ですね。やはり別行動の方がいいのでは? わたしはリヴィンと、貴方は一人で」
「ちょっ、おい、二人とも……!」
早くも分裂しかける共闘態勢。
だが終わらせるわけにはいかない。ここで物別れに終われば、フラクタとルニエが話し合う機会は永遠に訪れないだろう。遅かれ早かれどちらかが死に、その時リヴィンも生きている保証はない。というか、この二人の争いに巻きこまれれば確実に死ぬ。決定的な瞬間は、いま訪れても不思議ではなかった。
(二人とも死なせたくない)
記憶を失ってから、そう長い時間を過ごしたわけではない。フラクタともルニエとも、信頼と呼ぶには歪な関係しか結べていない。それでも思う。この二人には死んで欲しくない。
天輪の力が支配するこの世界で持たざる者のために理想を掲げるフラクタ。
共に過ごした記憶を失い敵側についたリヴィンを、それでも救ってくれたルニエ。
(どちらかを選ぶんじゃなくて、三人で共に進みたいというのは欲張りだろうか?)
そうかもしれない。けど、だからといって、試みもせずに諦めたくはない。自分が死にたくないだけなら適当に調子を合わせていれば済むのに、機嫌を損ねるかも知れないという恐怖心に抗ってでも二人を仲裁しようとしているのは、それが理由だ。そういう自分がいるのに、いま気付いた。
「……やっぱり、天輪の契約を結ぼう」
リヴィンがつぶやくと、二人は揃ってため息をついた。否定される前に言葉を継ぐ。
「お互いの天輪に触れさせるのが嫌なら、俺の天輪を介せばいい。フラクタとはすでに契約を結んでるから追加で契約したところでどうってことないし、ルニエは契約を破棄させたいからここに居るんだろ? なら、フラクタが契約を破ったら俺を失うような条件も追加して、ルニエがそれを確認する形を取ればいい……俺、変なこと言ってないよな?」
フラクタとルニエが黙りこんでしまったので、急に不安になって尻すぼみになってしまった。情けなさに顔が熱くなるが、即座に否定されないのは考慮に値すると判断されている証でもある。酷く長く思える沈黙が続いた末に、ルニエが慎重に口を開く。
「ふむ、ではこうしよう。貴様とリヴィンの契約に〝ランドラブを討伐するまでラヴルニエストゥスへあらゆる形で危害を加えない〟と誓約を追加するのだ。これが破られた場合、リヴィンとの契約を破棄するものとせよ。代わりに〝ランドラブ討伐の達成前にラヴルニエストゥスがフラクタに危害を加えた場合、リヴィンに対する命令権を拡大する〟条件も付与するがいい。余はリヴィンの天輪に触れてそれを確認する」
「さすがルニエ、俺の言いたかったことを具体的な条件に落としこんでくれてありがとう。これならフラクタの天輪には触れず、互いの安全を保証できるんじゃないか? フラクタ、どうかな」
「……いいでしょう」
「言っておくが、解釈の余地がある文言を盛りこもうなどと色気を出したら許しはせんぞ」
「ちっ」
「ええ……? 舌打ち……?」
二人の仲を取り持つためなら追加の契約を盛りこむのも仕方がないか、などと考えていた自分が恐ろしい。ルニエが釘を刺さなかったらどんな契約を結ばせるつもりだったのか。
「では、いきますよ」
「ああ、やってくれ……んんっ、ぐう……」
内臓をつかまれるような不快感に耐えてフラクタとの追加契約を終え、ルニエが天輪に触れて確認する。もちろん、相互の監視下でだ。さらに追加で仕掛けをされてはいない、はず。
「ふむ、よかろう」
「ええ、目的の達成までは力を合わせましょう」
張り詰めた空気がふっと弛緩するのを肌で感じた。
警戒心の強い二人が緊張を解いたことからも、天輪の契約が持つ強制力の強さが実感できる。天輪の契約の裏をかいたり、契約を反故にしたりするのはそれだけ難しいのだろう。
(天輪……それに契約か。みんな当たり前のように受け入れてるけど……)
そもそも、天輪とはなんなのか。なぜ持てる者と持たざる者が分かたれるのか。
そうした疑問は、いつの間にか忍び寄ってきていた大勢の気配で断ち切られた。
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