第30話 犯人はお前だっ!(違う)

「うう、とにかく無罪だって証拠を作れればいいんだよね…」

「まあそうなりますね」

「つかどういう事件なのか詳しく聞いてないんだけど」

「あ、そうだった」

「おい」


なにこの王女…だいじょぶかな…


「今日の朝、わたくしの側近が死体となって発見されまして」


おぉだいぶ重そうな話来たんだが


「昨日の夜10時くらいにわたくしと話をしたのが最後で、その後彼を見た人はだれもいなかったんです。そして、死体の硬直?的に殺されたのは10時半くらいだと言われました」

「言われたって、誰に言われたのー?」


[ニアはバカそうに見えて意外と考えてるんだな]

たしかに。


「王室の魔法医です」

「まほうい?」

「魔法医っていうのは魔法で治療する医者のことだ」

「喋らせろさん、よくご存じで。」

「だから名前。レマだって」

「そして一番最初に疑われたのはわたくしです」

「ひとの!話を!聞け!」

「レマうるさーい、だまって。ベルの話聞こえないじゃん」


うわ、王女様をベル呼びとかこいつやべえ(いろんな意味で)

しょうがねえ、話聞いとくか。一応王女様だし


「まあ最後に会ったのがわたくしで、その直後に死んだのだから疑われて当然ですよね」

「それはそうだな」

「それだけなら妥当じゃん!? なのにあいつは『昨日の夜10時くらいにベルマーシャ様が大声で、嫌だ!そんなの認めない!って叫んでいるのを聞きました』とか言いやがって! 何!? わたくしに何の恨みがあるんですか!?」

「はい犯人確定演出ありがとうございます。とりあえず落ち着いて、そしたら出頭しようか。一緒に言いに行ってあげるよ」

「やめて!? 違うから! あとなんでそんな優しく憐れむような感じになってんの!?」

「え? だって今のはお前が犯人だろ」

「犯人だと分かったら急に乱暴な話し方になった! この人やだ!」

「犯人だと分かったらって、自分で認めてるけどだいじょぶそ?」

「あ。ちがうの! 犯人じゃないから!」


[わー王女といちゃいちゃしてるー浮気だー]


わーあなんだろう、急に神の視線が冷たくなった気がするー

あとニアとも違うから。浮気じゃないから。


[ニアだなんて一言もいってないぞー?]


うっわ、こんどはにやにやしてる気がする。


もうこの人たちといると疲れる…やだ…

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