始・学園編 14 紅蓮に染まる ××夕子


一連のコトを 無事に やり過ごし


一応 助けてくれた B主将に 御礼(御礼参りw)を

言うと Bくんとは そこで別れて 山本さんと あたしは そのまま駅前通りを進んだ


そして 少し歩いた先にある 一軒の お洒落な雰囲気を漂わせた 喫茶店に入ることに


カランコロン カラン


「いらっしゃいませ」


!!


山本さん と あたしが 店内に入って そう声を掛けてきたのは この前の1年 月城さん… その人だった


あたし「なんで… あなたが… 此処に…」?

月城「…はあ アルバイトですが 何か?」


あたし「………」

前に 何処かで… こんなやり取りをしたような…

少し錯覚に囚われるも…… …

山本「カッシー 知ってる子?」

あたし「… う うん 前にチョット…… ウチの学校

の1年の子なんだ けど……」

山本「へぇ〜 アルバイトしてるなんて 偉いね

それに お人形さんみたいで 凄く可愛いらしい

感じだし……」 ウズウズ


山本さん 駄目だよ 初対面の子 抱きしめようと

しちゃ めっ!


それと

お人形さんが 褒め言葉かは さて置き 見た目と

中身のギャップが 実際は半端ないことを あたしは

知って いる…… ホント可愛くても 抱きしめたり

しないでね… 後が 怖そうだし ……


脳ミソ探偵(まさか!こんな イケナイお店で アルバイトしてるなんて イケナイ娘だ _φ(・ω・`)メモ

メモ)


喫茶店はイケナイお店ではない 後メモるな


「此処での立ち話も何ですし 他のお客様の目も

あることですので お席の方へ ご案内します 」


それ程 人は入っていないのだけど このまま

ココでの 立ち話は 迷惑だろう そう言われるが

まま あたし達は 席まで案内されると


「ご注文の方は 如何なさいましょう? 既にお決まりでしたら 今すぐでも構いませんし お決まりになられてから お呼びになって頂く形でも構いません

ので」


あたし「どうする? 山本さん」

山本「え〜っと じゃあ 店員さん スマイル1つ お願い 出来ますか ?」ニコ

月城「………」

月城「…ウチでは そう言った メニューは取り扱っては いないのですけど……」

山本「スマイルを 1つ で」ニコニコ


山本さん もう やめて! 殺される〜 マジで…


月城「……」

月城「…これで 宜しいでしょうか」ニッコリ天使

山本「うん 可愛いらしい 100点!」は〜と


頰を少し顔を赤らめて 月城さんが 天使スマイルを

するも あたしには その後ろに悪魔のようなモノが見え隠れして 見えてるんです けど……


脳ミソ( 茜ちゃんは 基本的に 攻め方が 上手い

良い子なんだ でも 時々 やり過ぎちゃって 過ちを犯しちゃう 悪い小悪魔でもあるんだ )


うん 脳ミソ 普通のこと言ったね

ツッコム 余地なし…


山本「少し意地悪しちゃった感じで なんか ゴメンなさい ペコ 私はとりあえず アイスカフェラテを

1つ お願い 出来ますか? 店員さん 」

月城「いえ… ご注文 承りました」

山本「カッシー注文 決まってる?」


あ あたしの ターン! う〜ん まず さっきの出来事で 喉渇いたし 飲みモノは必須! 小腹が空いているなら パンケーキなんかもありだ ! でも夕飯 前の この時間帯に 食べ過ぎてしまっては いけない!

なら ウン もう大体の方向性は定まったね… そして ココが 喫茶店である それが事実 ならば 頼むべき

モノは ただ 1つ !


あたし「え〜 アイスコーヒー ミルク増し増しで」

月城「え… ッ ミルクの方を 多めに ご用意したら 宜しいのですよね…? ご注文承りました 少々お待ちください」と言った後 で 彼女は 厨房の方へと

去っていった


クスッ「…ッ 増し増し て何かラーメンとかの

トッピング みたいだね」クスクスッ

「あれ ? あたし チョット やっちゃった系?」

「うう クッ ん 別に 良いと思うよ 悪いことした 訳じゃナイし 全然 大丈夫… プッ … ミルク増し…ふふふッ 」


どうやら 山本さんを ツボらせて しまったらしい


あたし「何か ツボらせて ゴメン」シュン

山本「クッ… だ 大丈夫だから タンマ」クスクス フフフッ

あたし「………」

月城「失礼します ご注文の アイスカェラテの方と

アイスコーヒーミルク増し増し お持ち致しまた」

山本「プーーッ ! ック ゴメン ゴメン……」フフフフ


口元を隠すように 笑いを堪えようとしている山本さんは… もう… 駄目だ… このパターンは 抑え込もうすればするほど まさに地獄でしかない…

しかし それは一般の社交場で 女子が大口を開けて笑う はしたなさを 軽んじていない結果でもあり

周囲への迷惑も考慮し 配慮を 心掛けていて

そんな 彼女の行動や仕草には

あたしは いつも 関心させられる

あたしから見た 彼女は そんな

素敵な女の子だ ♪


月城 & 山本

「…それでは ごゆっくり どうぞ」

「あ ありがと… あ そう言えば 名前 言ってなかったし 聞いても なかったね 私は 2年2組で 山本 茜って 言います それで もし 良かったらだけど あなたの名前も 教えてもらっても いい かな?」

「私は 1年4組の月城雫です 以後お見知り置きを」

「… 月城雫ちゃん ね わかった 雫ちゃんて 呼んで

も 大丈夫かな… ?」

「… ご自由に どうぞ 山本先輩」

「うん ありがとう そうするね」ニッコ パ


あたし と 山本さんは それから

しばらく お茶しながら 話し込み


(PM5:11)


「もう そろそろ こんな時間かぁ! カッシー時間

とか 大丈夫 ?」

「あたしは 全然別に 今日は もう家には 連絡も入れてるし それより 山本さんの方は?」

「私も 別に… 基本的に ウチの両親は 帰りが遅い

し 兄弟(姉妹)も居ない から その点では 自由の

効く 身体ではあるね」

「なら… よかった」

「でも さすがに 学校帰りの 制服のままで あんまり 遅くなり過ぎるのも アレ だよね」難儀 シュン

「だねッ」

「あ そう 言えば 雫ちゃんて 何時まで バイトする

んだろ?」

「う〜ん 遅くても 高校生じゃ 10時(pm)には

家に帰ってないと いけないから…?」どうだろ?

「う〜 … 」ササッ


チリーン チリーン


レトロな 店員さんを 呼ぶ為の チリンチリンを

山本さんは 叩いた


女性 店員A「はい お呼びでしょうか?」

山本「………」

山本さん「…すみません チェンジで… お願いします ペコリ 小さい子を お願いします」真剣な眼差し

あたし「…… 」

女性「… ? あ 月城さんですね 少々 お待ちを…」

スタスタ


トットット

月城「はい お待たせ致しました 何か お呼びでしょうか?」

山本「も〜 雫ちゃん 硬いんだから 〜 グヘヘ」涎


山本さん ヨダレ 出てる! 出てるから〜


月城「…それで ご要件の方は? ご注文でよろしいですか?」

山本「ううん 違うよ」

月城「…では 失礼します」トッ

山本「わーッ!待って 冗談 冗談だから」

月城「……で 用件の方は?」ジト

山本「怒った 顔も 可愛い ( ・́∀・̀)グヘヘ」

月城「… では」トッ

山本「わーッ わーっ 言うから用件 言うから」焦

あたし「……」↑↑ 撤回しようかな w

月城「…… で?」

山本「えっと ね アルバイトって 何時くらいまで

してるの かなって?」

月城「今日は それほど 遅くはないですね」

山本「うん で 何時?」

月城「…… ふぅでは


カランコロン カラン


月城「… いらっ チラ し ゃ … い…

あたし「……?」

山本「うん? どうかした?」後ろを振り返ると


そこには 紅く染まった長い髪の持ち主で

見知った 顔立ちの人の姿があった


山本「あ ×× 夕子 さん !」


山本さんが唯一アダ名で呼ぶことのないクラスメイト

の××夕子さんが私服の装いで入店して来た


あたし達 いや 月城さんを 見ているのか?


こちらに笑顔で 軽く手を振っていた


月城「… お嬢さま …」そう 微かに呟いた

山本「……へ?」

山本「月城さん ? ××さんが お嬢様? って」?

月城「…… この喫茶店は …ガガッ…× …ザッ 財閥の

夕子お… 先輩のお父様が 運用 経営されている

店舗の 1つ で…」

山本「へぇ… ×凪さんて そんな!お嬢様だったんだね 全然 知らなかった カッシー知ってた?」

あたし「… ブルン ブルン 軽く首を振って応えた

月城「 …ガ…朝 …ザ 朝凪 財閥は世間で表立ってはいないので その認識は薄いでしょうし 知らなくても当然かと思います」


などと言ってる間に 朝凪 夕子さんが コチラに歩み

寄って来た


朝凪「ごきげよう 雫… それと 明石さん… 山本さん」

あたし「…ご ごきげんよう… 」 ぺこ

月城「……」

山本「こんにちは 朝凪さん」

月城「……」

月城 ハッ「あ…ッ いえ お… 夕子先輩 お身体の方は よろしいのですか ?」

朝凪「ええ 本日も学校の方は 休んでしまったけど

今は この通り」ニコニコッ

と 笑顔で元気アピールのポーズを取ってみせた

月城「それは何よりですね… ところで本日はどのようなご要件で コチラ に?」

朝凪「貴女の様子を見に来たのと… チラ

少し ピアノの方を弾かせて頂こうかと思って…」

月城「チラッ そうですか… では」

そう言って 右手の平を彼女の前に差し出すと

朝凪「ありがとう 雫…」

と その手に 左の手を添えた

月城「それでは 失礼します」とコチラに会釈し

朝凪「少し 騒がしくなって申し訳ないのだけど

もし良ろしければ お二人共 このまま聴いていって

くださいね」

山本「え!朝凪さん 今から ピアノ弾くの?

凄いねッ ピアノ弾けるなんて 流石 お…… だね」


山本さんは お嬢様 と夕子さんが 呼ばれるコトに

抵抗があるかもしれないと懸念したのか? 言葉を

少し濁した


そして

月城さんにエスコートされながら夕子さんは

店の奥に設置されている グランドピアノの方へ

と向かい 席まで着くと 椅子に腰を下ろし

フゥ 深呼吸 を すると

朝凪「…では 少し 失礼します…」


お客さんの数は あたし達を 含めて 疎らに数人


店内の音楽などは 今は流れておらず


少し 静けさ が 空気に 混じり


ジャン ジャン ♪


…… …


… …… …


この曲は ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作 交響曲の第3番 変ホ長調 作『英雄』イタリア語で 別名 シンフォニア『エロイカ』


1804年…


当時ウィーンのフランス公使… ベルナドット将軍(後のスウェーデン国王カール14世ヨハン)

その 勧めにより作曲を始めた… エピソードはシンドラーの創作であるとする説が 有力視され 作曲を手掛けた訳は よく知られて いない…


それと ナポレオンが皇帝に即位したという知らせを聞いたベートーヴェンが『奴もまた俗物に過ぎない… 人々の人権を踏みにり 自分の野心の為に

自らが優れていると誇示する 暴君に なるだろう』と激怒し 献辞の表紙を破り取ったらしい 弟子フェルディナント・リースの回想の 有名なエピソード知られている しかし 実際 は表紙を破り取った形跡はなく 表紙に書かれた『ボナパルト』という題名を《ナポレオンへの献辞》と 筆でカキ消し

『シンフォニア・エロイカ』と改名され

『ある英雄の思い出のために』と書き付け加え

られて いたことから


生前の彼が ナポレオンに 共感 感銘を受け それを称えた 讃え 創った 曲 だとも言われて いる


みんな 長くなって ごめん… あたしが

少し クラッシックの 史実に詳しい所為で… 涙


脳ツァルト(少し 詳しいからって マウントとか

取りに 来ないでよねッ)


…ごめん … …

…それより その格好で デレ語 使わない!


山本「…… クラッシックみたい だけど? 何の曲だろ? カッシー知ってる?」

あたし「…… ベートーヴェン へんホ長調 55 作品 ……『英雄』…」


山本「へぇ そうなんだ… ! って カッシー クラッシック詳しいなんて 何か凄いね」

あたし「別に凄くはないよ たまたま クラッシックが好きだって言うだけで」テレテレ


その演奏はとても素晴らしく

店内を美しい音色が響き渡っていた


だけど 窓から差し込む夕焼け

そこに紅く染まる夕子さんの演奏する姿に何故だか

わからない 別のざわつきに似た何かを あたしは

心に感じさせられいた




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