始・学園編 3 “ 知識 の 果実 ”


お昼休憩の終わりを告げる 鐘の音が鳴り止み


金網のフェンスに もたれ掛かりグッタりしている 小柄な1年の生徒 と 右腕の骨が折れて腕が曲がった状態でも平然と立っている本田さん……


一体 この状況は何だ……


あたしが どうして いいのか わらないで いると


1年の子は まだ 意識があるのか? 2人で会話を

し始めた


月城「…ッ そろそろ… 時間じゃ… ないですか?」


本田「そうだねぇ お昼休み も 終わっちゃったし」

本田「それに コノ 腕じゃ 教室には戻れないかな」


月城「ッ… なら もう この場から… 立ち去った方が良ろしいのでは… ありませんか?」


本田「そうは いかないよ あなたを このまま ココ

に……ッさんと一緒に 残していくなんて…」


月城「… では どうしますか?」


本田「う〜ん そうだな〜 …………」


本田「あなたを 殺して 私も死ぬ って言うのは

どう… かな?」


月城「…………」

月城「ッ … あまり…良い選択だとは…思えませんね…」


本田「そうかなあ? じゃあ 月城さん あなたの提案でも聞かせて貰える?」


月城「…… お互い … 深手を負って… いる訳です

し… 2人で この場を… 去る… と言うのは?」


本田「…………」

本田「私はまだ 全然 ヤレるけどね ……… そっか

休戦協定か〜 ……まあ その方… ……さんも5限目

の授業に間に合うだろうし …… …達が 居ない方

が……… に……やすく…… …訳か……悪くない

提案ではあるね」

本田「じゃあ 月城さん 時間も 無いし立てるかな ? あなたを 前にして ココから出て行くから 」

月城「…ええ」

そう言って フラつきながら 立ち上がると2人で

出入り口の方へ向かって行った と思ったら本田

さんが遠くから振り向いて


「明石さーん!私 早退するからー!私のお弁当箱は鞄か机の中に入れておいてねー! それ じゃあ また ね」ニコ


あたしは 棒立ちして置いてきぼりを喰らうも この場に居ても 仕方ないので 言われた通りに あたしと本田さんのお弁当箱を持ち屋上を後にする事にした



───



5限目の授業中



あたしは 授業内容が まるで授業でも放棄したかの様に 全然 頭に入って来なかった


脳ミソ(それは いつもの事だろ! ケタケタケタケタケタ)


…………


………


脳ミソ( ………… )


脳ミソ( ……あたしちゃんが元気ないと僕も寂しいよ…)シュン


…………


脳ミソが そう言い残して 悲しそうに 去ってくと


…………


… コイツ 雄(男)だったのか… 脳ミソの性別が

判明した


脳ミソに少し元気を貰って いつもの様に思考する


さっきの出来事は何だったのか?


現実離れした 浮世離れとも言うべく出来事に思考はまだ 追いついてはいない 何を整理していけば良いのか


まずは 本田さん お昼ご飯を食べながらの会話


『前に… 話したと思うんだけど』

『ほら一緒に中庭のベンチでお昼した時』


これは いつ? の事を言っていたんだ…


考えても 答えは出ない 次だ


本田さんは何か格闘技でもしていたのか?


あの動きは 常人を逸脱していた様に見えていた

目で追う事もままならない程に……


それと 対峙していた 1年の女子生徒 やられは

したが 本田さんと 同等に渡り合っていた事から

常人は凌いでる事は 言うまでもない


確か本田さんが『月城さん』と呼んでいたか?


今まで見たことは無い? が 何か引っかかる様に

も思えた……


そして やっぱり 本田さん あの右腕は 大丈夫

なのか? 顔には出ていなかった ものの 病院に

行ったとしても 1日や2日そこらで治る事のない

重傷なケガの筈だ 明日以降の学業や生活にも

支障がでることは 間違いない


こう考えてみても 何一つとして 答えは見つからなかった………


キーンコーン


5限目の授業が終わり


10分間の休憩に入る


と 誰かが あたしの席に 近寄って来た

「明石さん 大丈夫? 元気ないし顔色が悪い気が

するよ」「えっ うん 大丈夫」


たとえ 大丈夫じゃなくても 大丈夫と言ってしまうのは人間の悪い癖だ


彼女は春日さん ことバニラちゃん レバニラ炒めが

好物な事から 彼女をそう呼ぶ人もいる 丁度良い長さの桃髪に つぶらな瞳で笑顔が似合う 同じクラスの友達だ (桃髪って何だ!?丁度良い長さって何だ!!あ あれじゃないかな よくアニメなんかで 使われてる感じの… あとは 視聴者の想像に お任せします みたいな)


春日&あたし

「…なら いいんだけど もしあれだったら 保健室

でも行く? 私 着いてくよ」「 だ 大丈夫だから

体調は全然わるく無いし」「そお? そう言うなら そうなんだろうけど… あ そう言えば本田さん5限

目の授業どうしたんだろ? 鞄はあるし 保健室でも

行ってるのかな?」「…… あたし お昼一緒で… 体調悪くなったから 早退…するって…」「へぇ そうなんだ 心配だねぇ 大事無かったら いいね」


春日「…って!カバン置いて帰えってるよ!明石

さん 帰りに一緒に家まで持って行って あげない?」


あたし「……」思う ところは あったが …

あたし「… うん 別にいいよ でも あたし本田さん

の家知らない…けど?」


春日「大丈夫 ♪ 私 知ってるから 任せといて」

ニッコリ

あたし「……… うん」



こうして晴れて 春日さん&あたしの本田家

湯巡りツアーの 旅が 決行されることが決まった



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