続・学園編 7 トイレの花子さん

まだ 6限目は終わってないし どうしよう?


下手に廊下 や そこら辺をウロついていると

もし先生と遭遇した時に怒られるよね… 多分


青木くんに相談したことで少し気が楽になった

けど 次にあたしが行く場所は決まっていない


春日さん と 最後に別れた 1階の女子トイレに

もう一度 戻ってみる? 現場100遍って言うし

何か手掛かりがあるかも


おや?


探偵の出番ですか?


うん まあ 今回に関してはそうだね だが断る!


ガーン


……… ………


………


チラッ


脳内探偵が仲間にして欲しそうに 此方を見ている


……


…もう 仕方ないなぁ 今回は一緒に連れてってあげるよう!


脳内探偵がシッポを振りながら

あたしのパーティーに加り


そして 1階トイレに到着した


この時間は まだ授業中なので中に人が居ない

可能性が高い それでも一応 念のために


そろ〜り


トイレに入って中の様子を確認する

手洗い場所の周辺にはモチロン人は居なかった ホッ


!!


が トイレに人は居ないなと思っていたら

個室の奥から2つ目の扉が閉まっていて 使用中に

なっている モチロン中に人が居るのだろうけど… 逆に人が入ってない方が怖い


流石に上や下から覗くのはマナー違反なので


少し距離を置いて 中の様子を伺う…


板で囲われていても 個室の中に誰かが居るのは

なんとなくわかった


!? ということは!中の人も コッチの存在に

気付いているのでは? いくら あたしが オーラ

を消していたとしてもw


!逆に言えば 中の人がコッチに恐怖してるのでは?授業中に女子トイレに来て 個室にも入らず

手洗い場や鏡を使ったりもしない 気配を殺して

潜んでいる怪しい人として認識されている可能性

が非常に高い…


この状況で 出来る 選択は 3つ


この場を去って 中の人が出てくるのを待つ


別の個室に入って様子を伺う‥ 失礼かな?


扉をノックして「まだ ですか〜?」と言って

中の人を急かす! 他の個室が空いてるのに…


そもそも あたしがココに来た目的は 春日さんの

捜索で また戻って来たのは その手掛かりに繋がるモノが何かないか? の探索のため


今ここに 居ることがホントに必要なのか?


個室の中に居る人はモチロン生徒だろう? 先生は 基本的に 職員室に近い教員用トイレを使う 食堂の

おばちゃんは この時間はもう帰ってるはずだし


脳内トイレ自問自答会議で別のお花摘みをしてると


「あの〜? … 誰か居ますよね?」


少し怒った感じの可愛らしい声が個室の方から

聞こえてきた


しまった! やっぱりバレてた…


「… あっ ごめ〜ん… チョット人探しててさぁ…」

実際間違ってないけど苦しい言い訳


「……」


バタン


「こんな時間にですか? それって おかしくないですか? 今 授業中ですよ」


個室から出て来たのは 小柄で可愛らしく

髪が腰のところまである 栗毛色の 少し目付きが

鋭く感じるような そんな女子生徒だった


「…そもそも 2年の人ですよね? 何故1階に?」


疑問形で責められる あたし…

学年は胸元のリボンの色でバレた

2年が赤色で 1年が青色


「…それは あなたにも 当てはまる事だと

思うんだけど?」 応戦する


「私はサボってたんです 何か問題でも? 1階は

1年のエリアですし サボってるのが バレにくい

教室から離れている このトイレに居るのは 必然

では?」 と応戦された


…ぬぬぬ ぐうの音も出ない


て言うか 授業サボってる人多くない?


「あっ あたしは 説明すると 長くなるから 説明は

しないけど 事情があってだよッ!」


「…ふーん まあ 事情は誰にでも あるでしょうし

これ以上の詮索はしません」


物分かりの良い子で助かった

それとも興味が無いだけ?


「それでは 私は行きます そこを退いてください」


「えっ あぁ 何かサボってるの邪魔しちゃった

みたいで ごめんね」 と道を譲る


「いえ もう此処に用はないので それでは失礼

します 明石先輩」


彼女がそう捨て台詞を残してトイレを去ると


キーンコーン


同時に6限目の終了を告げる鐘の音が響き渡った


ん!? 何であたしの事知ってるんだーッ


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