第四十六話 「Хижина(小屋)」

「Это лучшее место


 не так ли?

(―――ちったァ マシな場所じゃねえかっ)」


"ドサッ!!"


「горб,

(・・・・コブ...)」


「Зафар, ты в порядке?

(ザファー... 平気なのか?)」


「Ах да, набраться,


 Похоже что это по


 большей части


 успокоилось,

(う、うん... 


 набраться ナブラーツァ...


 大分、治まったみたい...)」


「(・・・・)」


ツベフォフ達の後を追い、遠目に見える


塔の様な建物を目指して雪の中を進んで来た


レベデワ達だったが、突如自分達の目の前の道が


二又に別れ、どちらに進むべきかを悩んでいると


外の雪が大分強くなって来たせいか、


一行はその二又の道の前の少し下った場所にある、


建物の中へと馬を寄せる


「Что это за хрень? Не


 типа ли это сплошная


 горная хижина!?

(なんだァ―――、 けっこうしっかりした


 "山小屋"みてえな感じじゃねえかっ!?)」


"バサッ!!"


自分が持っていた荷物が入れられた袋を


建物の中央の場所に置いてある


丸いテーブルの上に放り投げると、アントンは


コートにかかった雪を払いながら部屋の中を見渡す


「Хм, на плите на полке


 Еще есть контейнер


 похожий на


 какой-то танк,

(ふ~んっ.... ストーブに、棚に....


 何かのタンクみてえな


 容器もありやがるなっ....)」


"ガサッ! ガササッ!!


「(внутри похоже на


  строение в которое


  мы впервые вошли на


  Даче 104,)

(・・・中の感じは、最初に私達が入った


 104ダーチャの建物と似てるわね....)」


「О есть толкатель,


 здесь,

(おっ.... プッシャー(※雪かきの道具)が


 あるじゃねえかっ....


 ....こっちには....)」


"ガサッ ガサッ!"


「(・・・・)」


他の三人が、あまり広くはない、ガランとした


おそらくコンクリートで覆われた


室内の中を歩き回っているのを見ながら、


自分の脇にあるコンクリートの壁の所に


レベデワが目を向けると、そこに


衣服の様な物が掛けられている


「Эй разве там обычно


 никто не живет!

(こりゃあっ 普段誰かが


 住んでやがるんじゃねえのか....!)」


「・・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「Нет что-то,

(いやっ 何か....)」


「На нем много волос Это


 от собаки или что-то


 в этом роде?

(ずい分、毛が多いな.... 犬か何かの毛か?)」


「Я не понимаю,

(分からねえっ....っ)」


"ジジッ ジジジッ―――――"


「(・・・・)」


"コトッ"


「Кофе, пожалуйста.

(コーヒー どうぞ)」


"カタッ"


「Что у тебя тоже есть


 что-то женственное.

(何だ、おめえも、少しは


 女らしいとこがあんだなっ)」


「Да, потому что она


 женщина.

(・・・ええ、女だから。)」


「・・・・」


"ジジッ ジジジッ―――――


「Даже так,

(それにしても―――――)」


"ビュォォォオオオオオオオ―――――


荷物の中から取り出した固形燃料を灯したランプが


丸いテーブルに座っている四人の頭上で


揺れるのを見ながら、ジュチは


テーブルについている他の三人に目を向ける


「Я слышал, что это


 подземное сооружение,

(・・・ここは、地下施設だと聞いたが....)」


珈琲を啜りながらジュチが小屋の中を見渡すと、


あまり物は多く無いが、このコンクリートの


外壁で覆われた建物の中にはどこか


生活感、の様な物を感じさせる....


「Неважно как вы на это


 смотрите, это не


 похоже на вход и


 выход!? Никто не


 приезжал и не уезжал


 с тех пор как во


 время войны было


 104 дачи! ?

(・・・の割にはっ どう見ても


 出入りがある感じじゃねえかっ!?


 ここには、大戦の... 


 104ダーチャがあって以来、


 人の出入りは無かったんだろうっ!?)」


「Нет я не знаю, В конце


 концов это очень


 старое заведение, По


 старым материалам


 ближайшие 20 лет этот


 объект не закрывался


 и использовался для


 экологических


 исследований вечной


 мерзлоты,

(いや、どうだろうな....


 何せ相当昔の施設だからな。


 古い資料だと、その後の20年程は


 特に、この施設は閉鎖されず永久凍土の


 環境調査のために利用されていた様だが...)」


"コト....


「Ну примерно с тех пор


 как сюда перестали


 заходить и выходить,


 Дайте мне 80 лет, Нет


 но был период когда в


 нем находилась


 верхняя установка


 Абсолютная-Ш, А пока


 вот интересно были ли


 приходы и уходы,

(てぇと、大体、ここに人の出入りが


 無くなってから....80年くれえ... 


 いや、でも上の施設、


 Абсолютная-Øが入ってる


 期間があるから...


 その間にここに出入りとかが


 あったのかねえっ)」


「Это не правда,

(―――それは無いわ。)」


「Почему?

(何でだよ)」


"ギイ....


座っている椅子の背もたれに背中を預け


椅子を傾かせながら、アントンがレベデワを見る


「Два дня назад когда я


 спросил сотрудников


 этого учреждения о


 существовании этого


 места за этим


 закрытым миром, никто


 не знал о месте


 за скалой.

(二日程前にこの施設の職員に


 ここの存在の事を尋ねた所、


 この閉ざされた世界の先....


 岩を越えた場所の事は誰も知らなかったわ)」


「сознаные, Возможно


 здесь лгут


 сотрудники Кобб,

(....сознание 


 スォズヌァニィェー... ここの職員達が


 嘘を言ってる可能性もある.... コブ...)」


"ガタタッ!!


「Оита кажется снег


 становится все тверже

(・・・大分、雪も激しくなって来た様だな...)」


ジュチが、アントン越しに窓の外に吹き付ける


吹雪に目をやる


「Во-первых, это место


 под землей!?

(大体っ そもそも、ここは地下だろっ!?)」


"ガタッ!! ガタタッ!!


「Да но,

(そうだが....)」


「Что вы имеете в виду


 когда говорите, что


 под землей идет снег!?


 К тому же похоже


 сильный ветер!

(・・・地下の場所に雪が降ってるってえのは


 どう言う事なんだっ!? 


 それに、風も大分あるみてえだし...っ)」


"ガタンッッ!! ガタッッ!!"


「(Дверь,)

(ドアが....)」


「может быть это место


 где-то, Разве он не


 связан с верхней


 частью земли?

(多分、この場所はどこか...


 地上の上の部分と繋がってるんじゃないか?)」


「Это вечная мерзлота не


 так ли? Есть ли дыра


 во льду?

(ここは、永久凍土層だろうっ?


 氷に穴が開いてるってのか?)」


"ガタァァァアアアアアンッ!!


「――――!」


「Дверь,

(ドアが・・・)」


"ビュオオオオオオオオオオオッ――――


「Что, что?

(な、何だっ?)」


「Похоже, он плохо


 построен,

(建付けが悪いみたいだな・・・)」


"ギイ..... ギイイィィィ.....


「Идет снег,

(・・・・雪が入って来てる)」


「Эй Зафар дверь открыта

(おい、ザファー、ドアが開いちまったぞ)」


「・・・・」


"カッ カッ カッ カッ―――――


たまたま近い場所にいたのか、


アントンの言葉を聞くとザファーは


椅子から立ち上がり、突然開いた


入り口のドアを閉めるためドアの方へと向かって


歩いて行く


「черт потрясающе,

(・・・ったく... すげえ――――


"ガタアアアアアアンッ!!"


「!?」


「Э-ээ-э-э-э-э-ээ-э!?

(う、――――うわあああああっ!?)」


「Заффа!?

(ザファーッ!?)」

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