第四十四話 「Перекресток(交差)」

"ヒュオオオオオオオオオ―――――


「(Прощай дорога,)

(別れ道・・・・)」


"ザシャッ!"


「Что ну же куда


 мне идти!?

(・・・何だ、こりゃ


 どっちに行ったらいいんだっ!?)」


「(・・・・・)」


一晩明け、レベデワ達がこの極層内にいくつかある


建物の中で眠りを取り、


太陽が無いせいかは分からないが


時間の感覚が無い中、荷物をまとめ


馬に跨り雪の中をしばらく進んで行くと、


目の前に山の様な木々に覆われた場所が見え


自分達の行く手を塞いでいる....


「Ко, дерьмо,

(コ、コブッ....)」


「(・・・・)」


「Что такое? Эй ты


 снова заболел?

(何だぁ~? おめえ、


 また具合が悪りぃってのか?)」


「Холодно, Молони,

(さ、寒い.... モロニー....)」


「(・・・・)」


正面が山の斜面になった


森の前で立ち止まっていると、


その行き止まりには左、そして右に


進んで行ける様な雪道が続いており、


乗っていたアハルテケをレベデワは


その二又の道の前で止める....


「ブルルルルッ....」


「кажется, там


 есть здание,

(・・・すぐそこにも建物がある様だが...)」


「Это выглядит как,

(・・・みたいね)」


ジュチの言葉に、二又の道の間で


周囲を見回すと、自分達がいる場所から


少し先の方にこの極層内にある、


ありふれた構造をした小屋の様な建物が


建っているのが見える


「Эй Так куда нам идти!?

(――――ヨォッ!?


 こりゃ、どっちに行った方がいいんだっ!?)」


"ビュウウウウゥゥゥ....


「・・・)」


自分達が目指していた、遠目に見えていた


"塔"は今目の前の雪山の様な物に


阻(はば)まれて角度が悪いせいか、


視界からは既に消え去っている


「ヒヒーンッ!」


「А пока давайте


 перейдем к зданию


 вон там. Может быть


 что-то осталось от


 Цвефова и др.

(・・・とりあえず、向こうの建物まで


 移動しましょう。


 何か、ツベフォフ達が残した物が


 あるかも知れないわ)」


「Айё,

(・・・あいよ)」


「ブルルッ!」


アントンは手綱を扱き、馬首を傾けると


左手に見える小屋の方へと向かって


馬を進ませて行く....


「М, Мэлони

(ま、マロニー...)」


「Эй, Зафар?

(おい、ザファー?)」


「что-что,

(....な、何か...)」


「Ты в порядке?

(・・・大丈夫か?)」


「Нет,

(う、うん....)」

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