第二十七話 「ключ к разгадке(手掛かり)」

"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ!


「(Темно)

(暗いわね....)」


"フォオオオオオオオオオ―――――


「(Это,)

(・・・あれは....)」


"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ....


「(・・・・)」


軽い吹雪が吹き付ける中、このZATOの


入り口付近で発見した施設を後にしたレベデワは、


アハルテケ馬の上に乗りながら


暗い、周りの景色を見渡す――――


「Джучи говорил что до


 постройки 104 Дачи на


 этом месте были руины


 но кажется в этом нет


 никаких сомнений,

(・・・この場所には104ダーチャが


 建てられる以前に"遺跡"があったなんて


 ジュチは言ってたけど、どうやら、


 それもそう疑う様な事でも無い様ね....)」


"ブワァァァァアアアアアアア...."


アハルテケに跨りながら、広い、視界の良くない


雪の世界をぐるりと見渡すと、


自分のかなり先の方にまばらに森や山、


そして先程自分達が入った建物と同様の施設なのか


遠くにぼんやりと見える建物の影の様な物が


目に入ってくる...


「горб,

(...コブ...)」


「Вы уверены что не


 можете пользоваться


 Интернетом?

(やっぱり、インターネットは使えない?)」


「Макароны, Я могу


 использовать


 компьютер и он


 работает но кажется


 что устройство


 использующее


 электромагнитные


 волны плохо реагирует

(....マカロニー...


 パソコンは使えるし、動くけど....


 電磁波を使う機器とかの反応が


 良くないみたい...)」


「да,

(そう――――)」


【О, моя голова!

(あ、頭が....っ)】


「Кажется сейчас в


 здании все было


 немного странно но


 сейчас все в порядке.

(さっきの建物では、様子が少し


 おかしかったみたいだけど


 もう、平気みたいね....)」


「Горб... горб

(コブ... コブ...)」


ヤクーツク馬の上に乗りながら荷物籠を


両脇に抱えた別のヤクーツク馬を引きながら、


このZATOの構造を調べるための


機器を手にしているザファーの様子を見て、


レベデワは先程の施設で不調な様子を


見せていたのはただの気のせいだったのかと思い、


少し安心した様な表情を浮かべる


「Нет даже если я это


 сделаю что ты


 собираешься делать


 после этого!? По


 словам Зафара здесь


 нельзя использовать


 такие детекторы как


 радиоволны и звуковые


 волны!

(・・・いやっ つってもこの先どうすんだっ!?


 ザファーの話だと、この中じゃ


 電波だの音波だのの機械は


 使えねえってんだろっ!?)」


「・・・・」


"ヒュオオオオオオオオ――――"


自分の馬とは毛色の違う、少し後ろにいる、


青鹿毛のアハルテケの上に乗った


アントンの言葉を聞いて


レベデワは押し黙る―――――


「(Цвефов,и Коно Эймои,)

(・・・ツベフォフ....そして


 コウノ、エイモイ―――...)」


"ヒュオオオオオオオオオオオ―――――"


「(нам нужно три дня


  чтобы попасть внутрь


  этого ЗАТО, Учитывая


  конечно что Цвефов и


  другие должны были


  довольно далеко


  продвинуться внутрь


  этого ЗАТО,)

(・・・私達が、このZATOの中に


 入り込むまで3日程... 


 それを考えれば、当然ツベフォフ達は


 このZATOの中をかなり先まで


 進んでる筈....)」


「Похоже есть и другие


 здания! Неужто там не


 спрятаться!?

(何か他にも色々建物とか


 あるみてえだよなっ・・・!


 そん中に隠れてるとかそういう事は


 ねえのかっ!?)」


「(другое здание,)

(別の、建物――――....)」


"ヒュオオオオオオオオオ―――――"


レベデワが、遠くへ目をやると、


そこには104ダーチャ、軍事施設の跡なのか


それともこの場所にかつて存在したと言われている


遺跡、の様な建物の跡なのかかなりの高さを持つ


別の建物の影が目に入ってくる....


「(Мы не можем знать


  структуру этого


  пространства, И вот


  уже три дня, как


  Цвефов и другие


  вошли в это место,)

(この空間の構造を知る事はできない....


 そして、ツベフォフ達がこの場所に入ってから


 すでに三日程....)」


物理的な情報を得る事が


難しいと思ったレベデワは、ツベフォフの


"考え"が何か、その事について


考えを及ばせる――――


「(Во-первых какова цель


  Цувефова?)

(そもそも、ツベフォフの目的は・・・?)」


【Видимо даже в этом


 лодном подземелье где


 светит солнце


 явился посланник


 торый должен донести


 ово Божие


 вещая тьму

(どうやら、この地下の冷たい、


 日の差さない場所にもその闇を照らす


 神の言葉を伝えるべき


 "使者"が現れた様だ....)】


"ヒュォォオオオオオオオオ―――――


「(Учитывая Звефова


  перед скалой и то что


  Звефов говорил и


  делал до того


  конечно Звефов знал


  что мы N/S и мы


  пришли его


  арестовывать. Я


  должен был заметить


  что как само собой


  разумеющееся,


  Если подумать...)

(・・・岩肌の前のツベフォフ、そして


 そのツベフォフの以前の言動を考えれば


 ツベフォフは、私達がN/Sだと言う事にも


 当然気付いていたし私達が


 自分を逮捕しに来たことも当然の様に


 気付いていた筈――――


 そう考えると...)」


"ツベフォフは、わざと自分達を


この施設へと導いた"


「(Зная что мы N/S


  Служба управления


  госбезопасности и


  зная что в отношении


  него близится


  следствие Цвефов


  игнорирует его,)

(私達がN/S、


 国家治安維持統制局だと言う事を知りつつ、


 そして自分に捜査の手が迫っている事を


 知りながら、ツベフォフは


 それを当然の様に見過ごしている.....)」


「Интересно что


 происходит вокруг,

 

 Какое отвратительное


 место!? Эй Зафар!?

(何か周りの様子っつうか・・・

 

 気持ち悪りぃ場所だぜっ!? 


 なあっ ザファーっ!?)」


「(Другими словами


  Цвефов считает что с


  нами N/S нет проблем


  с проведением


  расследования и что


  даже если нас


  расследуют это не


  повлияет на его


  действия поэтому он


  оставил нас в покое.


  Это как игнорировать


  крики бомжей на улице! )

(つまり、ツベフォフは私達


 N/Sが捜査をしていてもまるで支障が無い、


 捜査をされても自分の行動に影響が無いと


 考えているから、私達を


 そのまま放っておいている...


 まるで、道端のホームレスが大声を上げるのを


 無視する様に....)」


「Куда ты идешь?

(―――どこに向かうんだ?)」


「Да,

(そうね・・・)」


ラバの上に跨っていたジュチの言葉を聞いて、


レベデワは視界の遥か先に見える


建物の影に目を向ける―――――


「Цвефов как ни посмотри


 заманивает нас сюда,

(・・・ツベフォフ、はどう考えても


 私達をこの場所に誘い込んでいる....)」


「почему ты это знаешь?

(・・・何故、それが分かるんだ?)」


「・・・・」


今までのツベフォフとのやり取りを考えれば


ツベフォフが自分達をこの場所へと


わざと呼び寄せた事には当然気付くが、


ツベフォフと直接やり取りをしていない


ジュチにそれを話すのが面倒だと思ったのか、


レベデワはただ、視界のかなり先の方に見える


大きな"影"に目を向ける―――――


「Если у вас нет никаких


 зацепок у вас нет


 другого выбора кроме


 как исследовать


 объекты которые вы


 видите а затем


 идти назад.

(まるで手掛かりが無いなら


 目につく施設を調べて、そして


 奥へと進んで行くしかない....)」


「Да,

(――――ダー)」


"ビシィッ"


「・・・・」


"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ!"


ラバの手綱をジュチが勢いよくしごくと、


ラバは雪の中を勢いよく駆けだして行く....


「(・・・・)」

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