第二十五話 「кофе(珈琲)」

「(ヒ、ヒワワワワワ....


  アワワワワワワワワ...っ)」


"ガタッ ガタタッ!"


「(ヒ、ヒワワッ...


  な、何でこんな事になったんだ...?)」


"ガタッ!"


「あ、あ~あ...っ」


"ビシャッ!"


「あ、あわっ...!」


寒さのせいか、それとも


気が動転しているせいか分からないが、


隆和が紙のカップに入れられたコーヒーを


手を震わせながら両手で抱えていると、


手を震わせているせいか


紙のコップの中に入っていたコーヒーが


勢いよくコンクリートの床の上に零れ落ちる


「(ヒ、ひぃっ...!


  の、ノーツェ....? ....シート?


  こ、国家の盾....っ?)」


"ガタ ガタタッ!"


"ビシャッ!"


"びしゃしゃッ!"


「(な、何で俺を追って来てるんだ・・・っ?)」


"バシャッ!"


「・・・・!」


"ビシャッ!"


【В вашем пункте


 назначения нет


 будущего Есть только


 конец.

(あなたの行く先には"未来"なんて無いし


 ただ"終わり"があるだけ------....)】


「(れ、レベデワ――――??)」


"ビシャッ!"


「・・・・!」


"ビシャッ! ビシャシャッ!"


「あ、アワワワワワワワ...!」


自分はただ、この


Абсолютная-Øと呼ばれる工場施設で


上司の指示に従って言われるまま、


土木作業や清掃業務を行っていただけだ


「あ、あわわっ...!」


"ビシャッ!


  "バシャッ!!"


【если бы я был здесь


 Что-то не так?

(・・・俺がここにいたら


 何か不都合でもあるのか....?)】


「(こ、河野....っ


  あ~あ、わわっ  


  あ~ワワワワワワ....)」


"ビシャッ"


「・・・・?」


動転したままカップに入った


コーヒーを啜ろうと、口元にそのカップを


あてがうが、コーヒーの中身はすでに


殆どが床の上にバラまかれ、カップには


少ししかコーヒーが入っていない


「(な....、あ、アワワワワワッ)」


"コッ コッ コッ コッ―――――


「Аймой, Какой


 вкус у кофе?

(――――エイモイ....


 コーヒーの味は、どうだ....?)」


「Г-н Цвефов,

(つ、ツベフォフ氏――――)」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る