第二十三話 「следующий(隣)」

"ヒュウウウウウウウウウ...."


「これは...」


「"シーガホフ"ジャネエカ....?」


「(・・・・)」


自分達がいた明かりの点いた部屋から


通路を挟んで反対側の部屋の中へ河野、


そしてスサケフスキが足を進ませると


部屋の中は伽藍(がらん)としていて、


やや先程の部屋よりは使われなくなってから


日が浅いのか、部屋の壁際辺りに


タイヤの無いバイクの様な機械が


置かれているのが見える....


「ア、コレ、シーガホフジャネエ」


「シーガホフ?」


"ガシャッ"


「(外と繋がってるのか・・・)」


"ヒュオオオオオオオオオオオオ


今までいた自分達の部屋とは違い


どこか人の手が入っている様な暗い、


部屋の奥を見渡すと壁自体が壊れているのか


外から雪が建物の中へと吹き付けてくる


「オ~... オ~


 ア、ヤッパリシーガホフジャネェ


 シタ、 シタニ... アー アレネエ」


「"シーガホフ"ってのは何だ?」


何か妙な形をした、おそらく


バイクの様な機械の前でしゃがみ込んでいる


スサケフスキに、河野が後ろから話し掛ける


「・・・アレ、 アレ....


 エイゴ... バイク、ユキデツカウ...


 ユキデツカウバイク....」


「・・・スノーモービルの事か?」


「アア、ソレダ」


"ガシャッ"


「オイッ」


"カランッ"


「・・・・」


「ア、カンヅメ...」


ポケットに閉まっていたのか、スサケフスキが


バイクの様な乗り物の前から立ち上がると、


ポケットに入れていた錆びた缶詰の缶が


石の床の上へ転がり落ちる


「・・・それ、缶詰か?」


「アア、ムコウ... ムコウノヘヤニアッタゼ?


 ニスィン、シャケ、ホトゥアテ...


 メントゥアイコ....


 イルォイルォタクスワン、アルツェ...」


「(・・・・)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


"ガシャッ、ガシャンッ"


「チッ ダメダッ コイツハヨッ!?」


"ガンッ!!"


壁際に置かれたスノーモービルの様な


乗り物を修理しようと思っていたのか、


スサケフスキが適当にその乗り物を動かすが


いくら手を掛けてもその機械が反応しない事に


苛立(いらだ)ったのか、スサケフスキは


舌打ちをしながら機械に思い切り蹴りを入れる


「チッ カンヅメデモクウカ・・・ッ」


「(缶詰――――....)」


「オイ、コウノ」


「・・・何だ?」


「オメェ、サッキドライバーモッテヤガッタロウ?


 ソイツヲカセ」


「・・・・」


"ビュンッ!"


「オ、オメェ アブネェ」


「・・・悪いな」


「любовница, コノヤルロォ...」


"ガッ ガッ!"


「オイッ эта крышка


 жесткая,」


河野が投げたマイナスドライバーを手に取ると、


スサケフスキはそれを自分が持っていた


缶詰に強く打ちつける


"ガッ!、ガキッ!"


「(こんな場所に、"缶詰"....)」


「コ、コノヤルロオッ...! チクショウッ....!


 アキヤガルゥエッ....!」


「(・・・・)」


"ヒュオオオオオオオォォォォォ―――――

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