第五話 「рок(岩)」

"ヒュオオオオオオォォォォォ.....


「Ну в конце концов как


 попасть в место за


 этим камнем!?

(で、結局、この"岩"の裏にある場所には


 どうやって行くんだい!?)」


「Видимый свет память


 формы. Серпи


 отсутствие


 использования


 физической энергии,


 Повреждения объекта


 неизбежны,горб,

(可視光線の、形状記憶...サーピエ


 物理的エネルギー行使不可、


 "物体"破損不可避....コブ...)」


閉ざされた世界。


「・・・・」


"スッ"


「(То время,)

(あの時―――――、)」


【Гяаааааа!!

(ギャアアアアアッ――――!!)】


【Я я не вижу!?

(み、見えねえ――――っッ!?)】


【Коно уходит внутрь

(コウノ、"中"へ――――)】


【(Цубехоф,)

(―――――ツベフォフッ...)】


「(И и У вдруг исчезли


  перед этой скалой и


  исчезли с нашего


  фронта,)

(И(イー=ツベフォフ)、そして、


 У(ウー=コウノ)は、


 この岩の前から忽然(こつぜん)と姿を消し


 私達の前から消えた・・・)」


レベデワ、は、今回のN/Sの捜査対象である


ツベフォフ、コウノ、そして


エモイの三人の後を追い、


この谷から吹き上げの風が吹いて来る、


今自分が立っている吊り橋の先の


大きな岩肌の前で、あの時


ツベフォフが空中に掲げた銀の瓶によって


視界が弾けた様に白一色へと変わり、


暫(しばら)くして周りの状況が元に戻ると、


あの三人の姿は岩肌の前から


かき消される様に消え失せていた....


「вам не нужно глубоко


 думать верно?

(・・・深く考える必要は無いだろう?)」


「Джучи…

(ジュチ・・・)」


"ヒュオオオオオオオオオ―――――


三人が消えた目の前の聳(そび)え立つ


大きな岩の前で、レベデワが


その岩肌に軽く手を添えていると


自分の党志、そしてN/Sの共同捜査員である


ジュチ・ペトレンコフが、後ろから声をかけてくる


「Ну это был довольно


 неожиданный поворот


 событий,

(まあ、かなり不測の出来事だったが...)」


「・・・・」


【"カッ!"】


「(・・・・・)」


レベデワのイメージに、あの時起きた、鮮烈な


光の光景がフラッシュバックする


「То что произошло было


 неопытным


 удивительным событием


 но если не


 вдумываться глубоко в


 свои впечатления то


 что тогда произошло


 просто.

(起きた事は経験が無い


 驚く様な出来事だったが、


 印象を深く考えなければ


 あの時起きた事はただ、単純だ。)」


「Я знаю это,

(・・・それは、分かってる....)」


"三人は、この岩から先の


どこか別の場所へと逃げて行った"


「(но,)

(でも――――、)」


ツベフォフ達がこの岩肌の前から


姿を消した三日程の間。


「(Я не знаю что


  происходит но как


  видите этот камень


  всего лишь камень и


  я не могу двигаться


  вперед даже если


  захочу пройти


  дальше,)

(何がどうなっているのかは分からないけど、


 今見ている通り、この"岩"は


 あくまでもただの"岩"でこの先に進もうにも


 進む事が出来ない――――)」


そして、


「Длинноволновые


 инфракрасные лучи


 Ивангеле евангелик


 dH= Idl×r/4πr^3,шаг,шаг

(長波長赤外線....イヴァンゲーリェ、


 dH= Idl×r/4πr^3...シャグ、シャグ...)」


「(・・・・)」


今、吊り橋の手前でパソコンに向かって


何か気味の悪いひとり言を呟いている


N/Sの科学研究委員、ザファーが


この岩に向かってレーザー、音波、


更には、現在この地下空間において


検証する事ができそうなおおよその調査方法で


この岩の状態を分析してみたが、


何故かこの"岩"は、それらの分析結果に


不明な値を返す....


「Ой-ой ты не должен так


 думать верно? Почему


 бы тебе не взорвать


 его!? ? Скажи Бон!?  


 Бон! Возьми.

(....オイオイ、


 そんな考える事はねえだろうが?


 ―――――爆発させちまえば


 いいじゃねえかよ!?


 "ボン!"ってよッ!? 


 ――――ボンッ!つってよッ)」


「Кажется я говорил это


 и вчера?

(それは、昨日も言ったと思うけど...?)」


「Ты сказал? Что это?

(・・・"言った"? 何がだ?)」


「・・・・」


特に何も考えず、ただ喋っているだけの


アントンに、レベデワは


凍り付く様な視線を向ける


「Это место изначально


 было под землей и


 более того место


 называемое этим


 закрытым миром и есть


 эта Сибирь место под


 слоем вечной мерзлоты


 где остается холодный


 снег,)

(・・・この場所は、元々地下にある場所で


 しかも、この閉ざされた世界と呼ばれる場所は


 このシベリア、冷たい雪が残る


 永久凍土層の地下の場所を....)」


「Затем если вы скажете


 Бум и заставите его


 взорваться вы


 скажете Бум!

(・・・じゃあ、"ボン"っつって


 爆発させちまったらっ!?


 "ボン!"つって"ボンッ"!!、


 "ボンッ!"ってかっ!?)」


「(В конце концов


  это Алзеда!)

(やっぱり、"ソニェト"ね・・・!)」


「Ой!? Э!? Ой!? Бум"!? , Бон!


 "Бон!" ?

(――――オイッ!? エェッ!? オイッ!?


 "ボンッ"!?、"ボンッ"っつって


 "ボン、ボンッ!?"


 ―――"ボン!"ってかっ!?)」


「(···скорее...)

(・・・かなり...)」


「Бум бум!?

(ボンッ!? ―――ボンッ!?)」


この、N/Sの党志である


アントン・デレニエフ。


「если это лед. Если вы


 используете огонь все


 будет в порядке!?  


 Бум!,Бум!?

(・・・氷だっつうんならっ


 "火"使っちまえばっ、スグだろっ!? 


 "ボンッ!"、"ボンッ!"、っつってよッ!?)」


「Как и ожидалось от


 Альгеды вы служили


 только в армии.

(流石、"ソニェト"で、


 軍務に就いていただけはあるわね....)」


「Хе-хе!? Бум! Бум!?

(ヘヘッ!? ボンッ、! ボンッッ、!?)」


このアントン・デレニエフ。


N/S、国家防諜機関に入る以前は


ロシア連邦内にある辺境の共和国、


軍事国家としても名高いソニェト共和国で、


前線部隊に加わっていたせいか、


かなりの突発的な性格で、知性全てを


暴力に置き代えた様な性格をしている


「Этот японец ублюдок!


 Ты выгнал меня!

(あのジャップの野郎~ッッ 俺の事、


 蹴っ飛ばしやがったよナアアアァァァーッ!)」


「・・・・」


「Во всяком случае эта


 скала из чего сделана


 эта скала и есть ли в


 будущем Цвефов.

(・・・とにかく、この岩。


 この岩が何でできているか、そして


 この先にツベフォフがいるのかどうか、


 それを調べるって事か・・・)」


「Кроме того было бы


 лучше выяснить


 географическое


 положение здесь и


 личные обстоятельства


 И и У.

(・・・それと合わせて、


 この周辺の地理的な状況や


 ИやУの身辺の状況を


 調べておいた方が良さそうね・・・)」


「Торопиться некуда. Эээ


 не люди они отсюда не


 выберутся да?

(・・・焦る必要は無い...


 あの、"国民では無い"彼らは


 この先から出る事はできないのだろう?)」


「Я надеюсь что это так,

(・・・そうだといいけど...)」


"ヒュオオオオオオオオ――――...


「(・・・・)」


谷から吹き上げてくる冷たい風を浴びながら、


「(Цвефов, и Куно,)

(ツベフォフ・・・、そして、コウノ・・・)」


レベデワ、は、この岩の先に消えた


"三人"の行動を考えていた...


「(Ты не можешь убежать,)

(逃げる事はできない...)」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る